「あなたの生理、大丈夫?」医師に聞いた、自分の生理を疑うべきワケ

将来子どもを産む、産まないに関わらず、大人の女性として知っておきたい自分のカラダのこと。後悔のない人生を送って欲しいから、JJ世代こそ知ってほしい!女性のカラダのお悩みを解決する連載。

今回も現役女子大生で性教育プロデューサーの中島梨乃さんが、産婦人科医の高橋怜奈先生にインタビュー。なかなか周りに聞けない、生理の不調について詳しく教えていただきました。

対談したのは、この2人

東邦大学医療センター 大橋病院 婦人科 
高橋怜奈先生
2016年にボクシングのプロテストに合格し、世界初の女医ボクサーとして活躍中。ダイエットや食事療法、運動療法のアドバイスも行う。YouTubeでの発信も力を入れている。

 

 

慶應義塾大学総合政策学部2年
中島梨乃さん
高校生で性教育に興味を持ち、Youtubeチャンネル「JKで性教育?!」やTwitterなどで性に関する情報を発信し始める。また、中高生による性教育団体「peer(ピア)」も立ち上げ。大学生になった現在は性教育プロデューサーとして、などのSNSでの発信や、性教育に関するイベントやシンポジウムを開催している。

生理の知識をつければ、QOLも上がるはず

 

中島梨乃さん

経血の量や色で、「これは異常」という目安ってありますか?

 

高橋怜奈先生

普通の生理用品を使っているのに不具合を感じるほど量が出るとか、生理によって行動が制限されることがあれば、普通ではないので受診して欲しいです。レバーのような血の塊が毎回出る場合も注意が必要です。

 

中島梨乃さん

元々量が多いタイプだと、それが体質だと捉えてしまって、自分の生理が正常か異常かを見極めるのってなかなか難しいですよね。

 

高橋怜奈先生

そうですね。最近TikTokで月経カップを紹介したのですが、「これじゃ、おさまりません! 」という反応があって、経血量の定義を知らない人が多いんだなと実感しました。1回の生理の経血量は正常で20~140ml。一般的なワイングラスの半分くらいなんですよ。

 

中島梨乃さん

え! そんなに少ないのですね! もっと量が多いイメージでした。

 

高橋怜奈先生

それ以上多いのは明らかに異常です。例えば、昼なのに夜用ナプキン使わないと間に合わないとか、タンポンを数時間で変えなきゃいけないっていうのは正常ではないので、自分の生理が当たり前だと思わずに、医師の診断を受けて欲しいです。

 

中島梨乃さん

一時期、布ナプキンが流行ったとき「布ナプキンに変えたら、量が減った」というコメントをSNSで見たのですが、そういうことってあるんですか?

 

高橋怜奈先生

それはないです! 布ナプキンにしたことで痛みが減ったり、オーガニックナプキンにすれば病気が予防できるという話もウソ。いろんな情報が溢れていますが、惑わされないで欲しいです!

生理用品の中であえて注意を促すとしたら、タンポンです。使用の際に膣を傷つけやすいので、量が多いときはタンポンでもいいですが、少なくなったらナプキンに変えるという使い分けがおすすめ。どんな生理用品も用法と用量をちゃんと守ることが大切です。

 

中島梨乃さん

低用量ピルや月経カップなど、最近は選択肢も広がっていますよね。

 

高橋怜奈先生

海やプールの予定があるときは、ピルで生理周期を調整するのもアリですよね。私は低用量ピルで1年間生理を止めています。その方が仕事のパフォーマンスアップにも繋がるし、実は生理を止めると子宮内膜症の予防にもなるんですよ。

 

中島梨乃さん

そうなんですね! 生理は健康のバロメーターと言われることもあるので、止めることが病気の予防に繋がるとは思いませんでした!

 

高橋怜奈先生

健康のバロメーターになることは間違いないですが、生理が来ることで、病気の予防ができたり、不調が改善したりとカラダにプラスになることはほぼないんです。

だから直近で妊娠出産の予定がなかったり、生理で行動が制限されて悩んでいるようであれば、ピルで生理をコントロールすることも、ひとつの方法だと知って欲しいです。

ナプキン以外の選択肢も!注目を集める生理用品

 

中島梨乃さん

先生オススメの生理グッズはありますか?

 

高橋怜奈先生

月経カップはシリコン製で菌がつきにくいのでオススメです。実際に使ってみても快適でした!
生理パンツも気になっていますが、まだ試せていなくて。梨乃さん、前にSNSでつぶやいていましてよね、どうでした?

 

中島梨乃さん

めちゃくちゃ快適でした! お手入れが大変かなと思っていたのですが、1日の終わりで洗うだけなので、とても楽です!

 

高橋怜奈先生

匂いはどうでした?

 

中島梨乃さん

まだ数回しか使えていないのですが、そんなに気にならないですね。

 

高橋怜奈先生

月経カップも匂いは気にならないし、お手入れも簡単なんですよね。煮沸消毒が推奨されていますが、私は面倒なのでコップに月経カップを入れて、熱湯を注いで消毒しています。

 

中島梨乃さん

友達は電子レンジ対応の月経カップを使っていて、レンジで消毒しているみたいです!

 

高橋怜奈先生

そでもいいですね! タンポンや月経カップは自分で膣に入れなきゃいけないので、性交経験がない人は抵抗があるし、慣れるまで着脱が大変かもしれないけど、女性にとって生理グッズの選択肢が増えるのはいいことだと思います。

ただひとつだけ避けて欲しいいのは膣洗浄器。膣の自浄作用が弱まって、異物を外に出す働きも衰えるので、カンジダや膣炎の原因になります!

 

中島梨乃さん

デリケートゾーンのケアでオススメはありますか?

 

高橋怜奈先生

コラージュフルフル泡石鹸という、デリケートゾーン用の石鹸が一押し。抗真菌(抗カビ)成分と殺菌成分が入っているので、正しくケアできます。

デリケートゾーンの肌は敏感なので、ボディソープだと刺激が強く、臭いの原因を引き起こすこともあるんですよ。

 

中島梨乃さん

体とデリケートゾーンで石鹸も使い分けた方がいいんですね。脱毛はどうですか?

 

高橋怜奈先生

デリケートゾーンのムレや臭いが気になる人は、高温多湿で蒸れやすい環境になっているので、脱毛も効果的だと思います。

ただし、毛には保温や保湿効果もあるので、乾燥しやすくなってかゆみが出る場合もあります。メリットは大きいけれど肌質にもよるので、自分の体質に合わせて取り入れて欲しいです。

 

中島梨乃さん

そうですね、生理グッズもデリケートゾーンのケアも、自分の体質やライフスタイルに合わせて、心地いいと思えるもの選択をしていけたらいいなと思います!

快適さがアップするかも⁉ 試してみたい生理用品

月経カップ

上/持ち手や硬さ、カラー違いで200種類以上のバリエーションがラインナップしているので、自分に合う月経カップが見つけやすい。オフィシャルサイトからサイズチェックが可能。<左>メルーナ M クラシック ステム オレンジ¥3600<右>メルーナ S ソフト リング ピンク¥3600(ともにソルドジャパン)

下/すべて日本の工場で作られている、MADE IN JAPANの月経カップ。日本人の体型に合わせて一回り小さいサイズ感で、初心者でも使いやすい。すべすべとしたなめらかなマットな質感で着脱もスムーズ。携帯用のケース付き。ローズカップ¥5955(イマリ)

生理パンツ

左上/1枚でナプキン3枚分の吸収量があり、肌に触れる部分はサラサラの速乾シートを採用。吸水部分の周りを囲んだ防水シートがダムのように経血をせき止める安心構造。「Standardタイプを愛用。パッケージまでこだわって、プラスチック完全不使用なところに惹かれました」(中島さん)Nagi Standard ブラック¥5400(BLAST Inc)

左下/水分の移行がスムーズに行われるよう追求した4層の吸収体で、漏れをブロック。表面には肌触りのいい生地を用いて、濡れても蒸れにくく快適だから、生理前の不安な時期から活躍。「『当たり前を変えれば世界も変わる』というコンセプトも好きです」(中島さん)Period Hiphugger¥4500(Period)

右/4層の吸収部分と縫い目のないデザインで横漏れを防止。素材の薄さにもこだわり、ストレスフリーの履き心地。洗濯機で洗えるのもうれしい。「はじめて購入した生理パンツ。HPのモデルさんが自然体な感じも素敵です」(中島さん)ムーンパンツ デイタイム ヌード¥4800(アジュマ)

デリケートゾーンケア

左/たっぷりのローションでおしりに優しい拭き心地。外出先などで洗浄便座がなくても清潔にケアできる便利な携帯用。ネピア おしりセレブ WET 薬用[おでかけ用]12枚入り 無香料 オープン価格、ネピア おしりセレブ WET[おでかけ用]12枚入り 無香料 オープン価格(ともに王子ネピア)

右/カビの増殖を抑える抗カビ成分「ミコナゾール硝酸塩」と殺菌成分のダブルの抗菌作用で、デリケートゾーンの臭いや生理中のムレもスッキリ。肌に負担をかけずに洗浄できる泡タイプ。コラージュフルフル泡石鹸[ピンク]150mL¥1800<メーカー希望小売価格>(持田ヘルスケア)

 

【SHOP LIST】
ソルトジャパン 
イマリ 
BLAST Inc 
Period 
アジュマ 
王子ネピア 
持田ヘルスケア 

次回は、「『生理痛って病気?』医師に聞いてわかった!我慢しない生活のススメ」について対談。お見逃しなく!

イラスト/腹肉ツヤ子 取材・文/坂本結香 編集/倉石園子