子どもの集中力や感性を育む「毎日5分のじゃれつき遊び」

子どもを外で思い切り遊ばせるにはまだ不安がある今の時期、おうちで楽しく遊びませんか? 毎週金曜日にVERYwebで配信中の「VERYこども遊び研究所」では、ママやパパが子どもと一緒に楽しめる“おうち遊び”をご紹介しています。
井出武尊さんによるパパ遊び、今回は、毎日5分の“じゃれつき遊び”のススメ。親子の何気ないスキンシップが、集中力や感受性を育むことに繋がるというから見逃せません!

 

 

VERYこども遊び研究所 Vol.19
<今週のパパ遊び> 

「毎日5分のじゃれつき遊び」

 

もし保育園に子どもが通っているのであれば、保育士の先生から聞いたことがあるかもしれない。先生たちは「毎日少しの時間でもいいから、おうちでじゃれつき遊びをしてください」というようなことを言うのだ。

 

「じゃれつき遊び」というのは、親子や兄弟と一緒に、じゃれて遊ぶというだけのこと。内容はなんでもいいのだが、スキンシップをとりながら遊ぶことがポイント。道具も何もいらないから手軽だし、朝の忙しい時間でもできてしまう。

 

毎日のじゃれつき遊びは、脳の前頭葉を刺激するという研究結果が出ている。前頭葉は感情や思考を担う部位。じゃれつき遊びをすることで、意欲的で、集中力のある、感情豊かな人間に育つというのだ。じゃれつき遊びを実践している保育園の子どもたちは、わーっと発散して遊んでいても、先生が呼びかけるとサッと集合して、静かに先生の話に耳を傾けることができるようになる。

 

遊びの内容はなんでも良いと言われると、案外何からやれば良いかわからなくなったりもするもの。そこで今回は、夏休み明けで忙しい9月の生活にもぴったりな、短い時間で簡単にできる遊びを紹介したいと思います。

 

まずは「電車ごっこ」。これは多くの保育園で行われている遊びの一つだと思う。

ちょっと大変だけど、本当に子どもが興奮するからこちらも嬉しくなって頑張っちゃう。大きめのタオルやブランケットに子どもを乗せて引っ張るだけ。

 

次は「コアラごっこ」。

 

 

親の足にしがみついて、親が移動するだけ。子は楽しい、親はしんどい。そんな遊び。

 

次は「背中にお絵かき」。

じゃれつき遊びって先に紹介した「電車」や「コアラごっこ」もそうだけど、体力勝負のものが多い。誰しも知るようなものだと、「たかいたかい」とか「ひこうき」などもそう。でも体力を使わないものも混ぜないと疲れちゃうので、こういうのもたまには良いと思う。

 

ここからはあまり一般的ではないであろう遊び。「おててでお料理」。

手を重ねてハンバーガーやお寿司を作るというもの。車や電車での移動中にもできるので我が家の定番の一つ。

 

最後は「おててUFO」。

親子で手を合わせたら、どちらかが先導して手を動かします。動画では僕(父)が先導しています。もう一人(動画では娘)はそれに合わせて、離れないようにくっついていくと言うもの。思っているより難しくて盛り上がる遊びです。

 

他にもあげればキリがない、じゃれつき遊びの例。この他にも親子で布団をかぶってみたり、こちょこちょくすぐってみたり、色々とやってみてください。子どもによっても楽しいポイントは違いますから。

 

また、「どうも遊ぶのが苦手だ」という大人の方は「道具」を使うのも一つのやり方です。例えば昔からある「ツイスターゲーム」はルールもシンプルだし、程よくスキンシップも生まれ、おすすめです。また、1〜2歳の子どもであれば、ハンドパペットなどもいいと思います。人形を手にはめて、子どもの腕をガブっとしてみたり、ほっぺたをくすぐってみたり。

こんなとき、おもちゃは親子をつなぐメディアになってくれると、僕は考えています。

 

じゃれつき遊びは興奮して思わぬ怪我につながることもありますから、どうぞご注意ください。でもこういう遊びの中で、加減することも覚えていくものです。

 

遊んでみた作品は、ぜひ#takeruide  #VERYこども遊び研究所 のハッシュタグをつけてInstagramにアップしてくださいね!

\教えてくれたのは/

◉井出武尊さん Takeru IDE
2004年東京藝術大学先端芸術表現科卒業。子どもと遊びの企業にて多数のプロジェクトに携わり、15年以上にわたって子どもの遊具や遊び場のデザインを手がける。幼少期における表現活動の重要性を感じており、学校教育以外の選択肢を構築するべく広く活動中。2020年4月現在、4歳3ヶ月の“姫”と毎日遊ぶ様子がSNSを通じてママたちの関心を集めている。Instagram:@takeru_ide

写真・文/井出武尊