最近「腸内環境」という言葉をよく聞きますよね。腸の状態のよしあしが、肌や体調に影響があることはなんとなくご存じの方も多いと思います。「腸内環境」を整えると何がいいの？という基本的な疑問や、改善につながる食事や食べ方のコツなどについて馬場真木子先生に教えていただきました。

 

教えてくれたのは

日本橋レディースクリニック　院長　馬場真木子先生
女性専門の肛門外科・胃腸科である医療法人社団桃仁日本橋レディースクリニック院長。杏林大学医学部卒業。同大学病院第一外科、大腸肛門病センター松島病院、松島ランドマーククリニック院長を経て現職に。

 

なぜよい腸内環境が大切なの？

腸には、ウイルスや病原体から体を守る免疫細胞が多く存在します。免疫細胞の約70％が腸内にあるといわれ、腸内環境が乱れるとさまざまな体の不調が起きやすくなると考えられています。

便の状態で腸内環境をチェック！

手軽に腸内環境を知るには、排便の様子や便の状態をチェックするのがおすすめ。ふだんから便を確認する習慣をつけましょう。

• いい状態
  練り歯磨きぐらいの硬さで、便意があったときに軽くいきむとスルッと出る状態が理想的。こんな排便が日々保たれると腸内環境が良好といえます。
• 悪い状態
  うさぎのフンのようなコロコロ便や、いつも下剤で便を出す状態。

 

腸内環境をよくするとはどういうこと？

腸には、善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3つの菌が、3：1：6の割合で存在しています。

日和見菌はどっちつかずの菌で、善玉菌が増えると善玉菌的な作用を、悪玉菌が増えると悪玉菌的な作用をします。善玉菌は抵抗力や免疫力を高め、ビタミンを合成するなど体に必要な働きを高めるので、善玉菌を増やすことが腸内環境をよくするポイントになります。

腸内環境の改善は食事の見直しから！

腸内環境を整えるには、まず食事を見直すことから始めましょう。食物繊維が豊富な食べ物や、乳酸菌やビフィズス菌、オリゴ糖を含む食べ物を積極的に摂るよう心がけて。

《腸内環境を整えるのに効果的な栄養素と食材》

• 食物繊維
  →便のかさを増やす、蠕動（ぜんどう）運動を活発にする。便に水分を与え、排出しやすくする。
  
• 乳酸菌・ビフィズス菌
  キムチ、甘酒、マッコリなどの発酵食品
  →善玉菌を増やす。
• オリゴ糖
  ヨーグルト、はちみつ
  →善玉菌のエサになる。

《手軽にできる！食べ方のコツ》

• 簡単なランチで済ませるときも、味噌汁やパックの納豆、温野菜を追加する。
• ヨーグルトにはちみつやバナナを加える。

 

便秘も改善する？

腸内環境をよくすることで、便秘改善も期待できます。

《便秘改善のポイント》

• 食生活の改善
• 適度な運動
• お腹を温めたりして、腸の蠕動（ぜんどう）運動を促す

野菜を食べる場合はなるべく温野菜にしたり、野菜スープにしたりすると、体を冷やさず食物繊維の量がたくさん摂れます。

 

編集部が選んだキーアイテム

酒粕のコクと米麹のやさしい甘み

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和漢素材を入れたやくぜんスープの鍋

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※紹介している商品の価格はすべて税抜きです。商品情報は2020年10月時点のものとなります。

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取材・文／岡部礼子　構成／Mart編集部

2017年6月号
カラダの疑問に答えます　より再構成