旅作家が推薦!「世界遺産の歴史をめぐり 心も舌も肥える旅がしたい!」【長崎編】|いつか行きたいアラサー女子旅

旅に出る一つのきっかけになるのが、「○○したい!」という想い。思い切りショッピングがしたい?大自然を満喫したい?CLASSY.世代の旅作家・小林 希さんが、希望を叶える旅先を紹介します。コロナが落ち着いたら、こんな所にぜひ行ってみたい!

自然と歴史、海山の幸を味わう至福の旅時間

    隠れキリシタンが暮らしてきた春日集落は、棚田の絶景が広がる。

    無料案内所「かたりな」。地元の方とお茶を飲みながら交流もできる。

    無料案内所「かたりな」。地元の方とお茶を飲みながら交流もできる。

    春日集落の棚田米。潮風を浴びたお米は、家で炊いたら美味でした!

    春日集落の棚田米。潮風を浴びたお米は、家で炊いたら美味でした!

    通常、大人気の漁師食堂「母々の手」は前日までの予約が安心。

    通常、大人気の漁師食堂「母々の手」は前日までの予約が安心。

    その日に獲れた魚がでてくるので、種類も数も当日のお楽しみ!

    その日に獲れた魚がでてくるので、種類も数も当日のお楽しみ!

日本にいくつもある世界遺産のなかで、2018年、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の一つとして世界遺産に登録された平戸市の春日集落。ここは、隠れキリシタンの小さな里。キリスト教の弾圧・禁教時代にも、密かに信仰心を守り、伝承されてきました。
春日集落には、かつてキリシタンの墓地であり、地元の人が崇拝している丸尾山という小高い岩山があります。そこから周りを眺めると、緑のパッチワークを広げたような棚田が海まで続きます。そこはまるで桃源郷のようで、美しく心奪われる景観に不思議と懐かしさを感じます。稲もそよそよと風に揺れて、気持ち良さげ。ここで採れた棚田米はバチカン市国のローマ法王へ献上して、感謝状も送られたとか。秘境感あふれる小さな集落のお米が、ローマ法王の元まで旅したとは、キリシタンたちの喜ぶ声が聞こえてきそうです。
春日集落案内所の「かたりな」で、スタッフさんに、キリシタンの歴史を丁寧に解説してもらい、しっかり棚田米も買って帰りました。
それから、「かたりな」でおすすめされた近くの漁師食堂「母々の手」へ。代々漁師だという家族経営の食堂で、店内には座卓に改造された漁船がどんと置かれており、圧巻。
漁師のお父さんが早朝に海で獲って、船上でも捌いたという魚は10種類以上。それをお刺身、煮物、揚げ物などで、食べ放題!お刺身は、びっくりするほど新鮮で、ぷりぷりで、ジューシー。しかも、自分の好きな種類の魚を何度もおかわりできるのが嬉しい。「漁師体験もやってるよ。またおいで」とお父さん。日本の重要文化的景観の歴史を学びながら、地元の人たちと交流して、目も舌も喜ぶ満喫の旅、心が豊かに満たされる時間です。

紹介してくれたのは…小林 希さん(旅作家)
元編集者。29歳で会社を辞めて世界一人旅へ。一年後帰国して旅作家に転身。旅、島、猫をテーマに著書多数。世界60カ国、日本の島80島をめぐる。近著『週末海外』(ワニブックス)。インスタグラム:@nozokoneko 旅するオンラインサロン「しま、ねこ、ときどき海外」