自粛中の過ごし方の違いに戸惑いました。何が正解だったの?

「親に、こんなときに保育園に預けるの?と言われた」「同僚の無神経な言葉にイライラ」「みんなが自粛中に仕事に行く罪悪感」。いろいろな価値観がいつも以上に交錯し、人付き合いに悩むことも多い今の時期、心のモヤモヤの対処には「受け流し力」が必要でした。今回は、家庭によって大きく違いが出たステイホーム中の過ごし方に戸惑ったママのモヤモヤです。

 

 

S.Tさん(35歳)の場合

Q.みんなそれぞれ価値観が違うので、相手の反応がつい気になって

ステイホーム中は、各ご家庭で過ごし方がバラバラ。公園にも行かずじっとしている人、公園やスーパーは許容範囲という人、お出かけも楽しむ人など価値観が違うので、相手の反応を見ながら恐る恐る世間話をする癖がついてしまった…。

 

A. 今回の行動自粛については、法的な拘束がない中で、実際には「正解」はなかったと思います。また、その方の職業や家族の状況によっても自粛のレベルは変わってくるので価値観はそれぞれ違って当たり前でしょう。しかし、このような不安な状況下では、「周りと同じでありたい」と同調することで安心しようとする欲求が出てきます。人間のストレス反応としては自然なことです。ご自身の価値観が定まっているのであれば、あえて「聞き役に徹する」という方法もあると思います。無理に同意や反論をする必要はなく、「そうなんだね」「そのときどうだった?」とニュートラルに聞いてみるといいでしょう。価値観が違う相手ともこのように話を「受け止める」ことで、相手とのコミュニケーションがスムーズになることが多いです。

アドバイスをくれたのは…
●岩谷由起先生
早稲田大学教育・総合科学学術院助手。公認心理師、学校心理士。同大学大学院在学中に本田恵子教授の元でアンガーマネージメント理論に基づいたカウンセリングを学び、スクールカウンセラーとして教育現場に関わる。

撮影/古本麻由未 取材・文/髙田翔子 構成/湯本紘子
*VERY2020年10月号「ママになったら「受け流し力」。」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。