岡田健史「頼れる年下男子」CLASSY.特別インタビュー【後編】

今夏は並行してドラマに3本出演し映画の公開待機作は4本、来年は大河ドラマに初出演と、2年前の俳優デビュー以来、人気、実力ともに勢いの止まらない岡田健史くん。まだ21歳とは思えないスケールの大きさ、デビュー以来変わらない、真摯でピュアな輝きからますます目が離せません。

好きなタイプはない、その人の魅力を見たいなって思います

――高校時代は地元で有名なイケメン高校球児。女子生徒たちにも大人気だったそうですが、好きになったら自分から告白するほうだとか。
「好きになったら自分から告白します。でも高校時代には告白とかされなかったですよ。逆に、女性から告白されてときめきたいです」

――好きなタイプはないと言う岡田さんですが、ひと目ぼれ派?それとも、だんだん好きになる派?
「どっちもあります。人ってまずは外見から入るじゃないですか。最初からどんな人なのか内面はわからないし。容姿から入ると思うけれど、外見に惹かれる時、外見には惹かれなかったけど内面に惹かれる時、両方ともあるからどっちとも言えない。好きになる人は外見もバラバラなので、こんなタイプの人が好きって言えないんです。魅力や色気って人によって全然違うので、『その人の魅力を見たいな』って思います」

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――仕事の息抜きや休日の楽しみは?
「絵を描くことです。油絵も描きますし、マーカーとかボールペンでも描きます。インスタにもアップしていますが、リーバイスのジージャンに描いた絵も僕がデザインしました。人間観察も好きですね。ボーッと人を見るのがすごく面白いです。それは役者っていう仕事柄じゃなく、僕の癖ですね。楽しみを感じちゃってるんだと思います(笑)。たとえば車で移動中、信号で停車した時に横断歩道を渡っている人を見るだけでも、『この人はきっとこういう人だろうな』って想像するのが楽しいです(笑)」

今までに見たことのない 岡田くんに出会える映画『望み』について

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ジャケット¥95,000(HERILL/anthings)パンツ¥41,800(LQUARTET/PR01.TOKYO)靴¥29,000(Clarks Originals/クラークスジャパン)その他/すべてスタイリスト私物

――映画『望み』で岡田さんが演じた規士は、怪我でサッカーを辞めたことをきっかけに、殺人事件に巻き込まれます。高校時代は野球部で甲子園を目指していた岡田さんですが、彼に共感する部分はありましたか?
「共感というより、共通するのはひとつのことに情熱を注いでいたことですね。彼の怪我は自分のせいじゃない。外的要因で自分の人生が大きく変わることがどれだけ受け入れがたいことか。僕は規士のように不幸な挫折は味わっていませんし、今まで自発的に人生を選んでいるので想像でしかないけれど、その悔しさは計り知れないものだと思います。今年はコロナ禍で、僕の出身校が出場するはずだった大会がなくなりました。彼らも死に物狂いで、他にやりたいことも時間も犠牲にして野球に情熱を注いできた。その世界が失われたことは相当なことだと思うんです。彼らの思いも規士の挫折感も、同じ経験はしてないけれど想像はできました

――規士を演じるにあたり、彼のどんなところを大切に表現しましたか?
「規士は被害者なのか、それとも加害者の殺人犯なのか、というのが今作の重要なファクター。観てくださる方に『いったい規士ってどんなコなんだろう』と思わせるように、彼には社交性を一切なくそうと思いました。たとえば声を極端に小さくしたり。いい意味で観てくださる方を困惑させて、騙せるように演じました」

――規士が消えた夜から、幸せだった家族が一変。父、母、妹、それぞれの〝望み〟が交錯します。
「たとえ被害者であっても無実であってほしいと願う父の望み、殺人犯でもいいから生きていてほしいと祈る母の望み、兄は大好きだけど自分の輝く未来が壊されることを恐れる妹の思い…。男と女の脳って、こんなにも違うんだなって思いました。薄情かもしれないけど、もし僕だったら父と同じことを望みます。高校の頃から親元を離れて寮に入って、いろんな人間と出会っていろんな世界を見て、身の回りのことも自分でやることで自立心が育てられたんだと思います。家族も父、母、姉というより、いち人間として見ていますし、甘えたりもしません。僕にとってそのくらい、目の前にある仕事や状況など、今が充実しているからだと思うんですけど。今作を観てくださる方には、父や母、妹がなぜそう思ってしまうのか、もし自分だったらどう思うだろうって考えてもらえれば嬉しいです」

映画『望み』
©2020「望み」製作委員会

Information
映画『望み』
雫井脩介によるベストセラー小説の映画化。高校生の息子が姿を消したその日、同級生が殺害され、幸せな家族の日常は一変する。息子は犯人なのか、もう一人の被害者なのか。世間からの誹謗中傷、マスコミの容赦ない追及を受けながら、父、母、妹、それぞれの〝望み〟が交錯する。父の石川一登に堤真一、母の貴代美に石田ゆり子、息子の規士に岡田健史、妹の雅は清原果耶が演じる。他の出演/加藤雅也、市毛良枝、松田翔太、竜 雷太ほか。監督/堤 幸彦 原作/雫井脩介『望み』(角川文庫刊)●10月9日(金)公開

岡田健史
’99年5月12日生まれ 福岡県出身 血液型O型●’18年、ドラマ『中学聖日記』で俳優デビュー。’19年『博多弁の女の子はかわいいと思いませんか?』でドラマ初主演。’20年『弥生、三月-君を愛した30年-』で映画初出演。最近の出演作はドラマ『MIU404』『大江戸もののけ物語』『いとしのニーナ』など。映画『ドクターデスの遺産―BLACK FILE-』『新解釈・三國志』『劇場版 奥様は、取り扱い注意』の3本が公開予定。’21年放送のNHK大河ドラマ『青天を衝け』に出演決定。

撮影/樽木優美子(TRON management)ヘアメーク/KOHEY スタイリング/髙橋ラムダ(白山事務所)取材・文/駿河良美  撮影協力/AWABEES