三浦瑠麗さんの 一緒に成長、私を語る〝時計〟のはなし

真っすぐな物言いと、時折見せるチャーミングな笑顔。何事も包み隠さずに生きる潔さと、しなやかでありながら力強く放たれる言葉に、多くの女性たちが救われている。男性社会の中で溺れることなく凜とした逞しさとフェミニニティを携えて、三浦瑠麗さんは、燦然と輝いている。世界の未来を見続ける彼女の姿勢は、これまでの〝あたりまえ〟を突き崩し新しい時代を作る女性のひとり。

Q.愛用の時計は何ですか?
A. ロレックスのオイスター パーペチュアル。
ベルトの滑らかさと、秒針を追いかけられる機能美に魅せられて。

 

Q.この時計との出合いは?
A.夫に誘われて、夫婦お揃いの時計を持ちました。

 

Q.なぜ、この時計を選んだのですか?
A.あえていちばん無味乾燥なものを、選んだんです。ブランドではなく、お揃いを持つというストーリーが大事だったのだと思います。

 

本質を見極める真っすぐな瞳。40歳を迎えたいま携えたい、自分らしさ。

かつて、赤ちゃんだった娘をスリングに入れて国際会議に出席し、各国の強面の議員たちの顔をほころばせた。国際政治学者としてどんな相手とも対等に意見をかわし合い、内から湧き出す真っすぐな言葉を紡ぐ三浦瑠麗さん。その腕で、ロレックスの原点とも呼べるオイスターパーペチュアルが、静かな光を放つ。「20代前半のあるとき、身につけるものすべてがいまの自分にそぐわないと感じて全部処分してしまいました。ネックレスもネイルもやめて、その時期は時計すら重たいと感じてしまったんです」。やがて納得のできるお金の使い方ができるようになってきたとき、夫に誘われて一緒に腕時計を購入。「最もシンプルで機能的、文字盤が色違いのものを選びました。夫婦でお揃いのものを持つというストーリーが大事だったのかも」。総理官邸近くにオフィスを構え最前線で働く一方、週末には手つかずの自然の中に建てたログハウスへ。汗だくになって土をいじり、コーヒー豆を挽き、9歳になった娘と読書にふける。日頃からモードなドレスをさらりと着こなしながらも、ひとつの腕時計を愛し、あえて質朴を大切にする生き方には、一度リセットしたことで手に入れた、彼女らしい太い〝核〟がうかがえる。

Profile

三浦瑠麗

神奈川県茅ヶ崎市生まれ。国際政治学者。東京大学農学部を卒業後、同公共政策大学院及び同大学院法学政治学研究科を修了。博士(法学)。東京大学政策ビジョン研究センター講師を経て、山猫総合研究所代表取締役。執筆・言論活動、テレビでも活躍する。近著に『私の考え』(2020年新潮新書刊)、『孤独の意味も、女であることの味わいも』(2019年新潮社刊)がある。

撮影/HAL KUZUYA ヘア・メーク/小川美智子〈enzo brevo 〉 取材・文/須賀美季 デザイン/On-Point Design 編集/渋澤しょうこ

 

VERY NAVY 10月号『一緒に成長、私を語る〝時計〟のはなし』から 
詳しくは2020年9/7発売VERY NAVY 10月号に掲載しています。