この生理痛、本気でなんとかしたい!|体の外からできること編

寒くなると体が冷えて、いつも以上に辛くなることも多い生理痛。鎮痛剤でやり過ごすだけでなく、東洋医学的なアプローチで痛みのもとを探ってみたら、憂鬱な生理痛とさよならできるかもしれません。予約の取れない治療室として話題の「アシル治療室」主宰・若林理砂さんに、誰でもできる生理痛ケアについて教えていただきました

まず最初に――婦人科には行ったことはある?

生理痛や生理前のイライラ、体調不良(PMS=月経前症候群)に悩んでいる人は多いと思いますが、まずは質問。婦人科に行ってドクターに相談したことはありますか? 「毎月のことだからしょうがない」と見過ごしている生理痛は、子宮内膜症や子宮筋腫といった病気が原因になっていることもあります。生理痛が気になる場合はまずは一度、婦人科を受診することが大前提です。

ペットボトル温灸でツボを温める!

生理痛の原因はいろいろ考えれられますが、子宮内膜症や子宮筋腫といった病気が原因ではない場合は冷えによるもの、また東洋医学的な考え方では「気血(気や血液の流れ)」の量が低下することによっても生理痛が起こります。ダイエットなどをしていて食事の量が絶対的に少なかったり、体脂肪率やBMIが低すぎると「気血」の量が減り、生理痛やPMSが重くなる傾向があります。冷えや「気血」の量の低下が原因の生理痛には「ペットボトル温灸」が効果的です。

必要なのはHOT用ペットボトルと水だけ!

    【ペットボトル温灸の作り方】
    必ずHOTドリンク用のペットボトルを使用します。まずボトルの1/3まで水を入れ、残り2/3にお湯を入れて60~70℃の温度に。水を入れたペットボトルをレンジでチンして60~70℃ののお湯を作ってもOKです。

    【三陰交のツボ】
    内側のくるぶしの骨の角から指4本分上の位置。名前の通り、陰の経路を3本まとめて刺激することができます。温めたペットボトルを押し当て、熱さを感じたら離す。これを3~5回繰り返します。三陰交のツボは女性特有の悩みに効果的なツボ。生理中だけでなく、ふだんから温めておくとより効果が期待できます。

    【中極のツボ】
    恥骨の一番上から親指1本分上の位置。温め方は三陰交のツボと同じ。※中極を温めるのは生理中のみ。

    【仙骨のツボ】
    お尻の割れ目の上、手のひら位の大きさの逆三角形のエリア。生理痛対策で下腹部をカイロで温める方が多いと思いますが、カイロも仙骨のエリアにあてたほうが効果的です。※仙骨を温めるのは生理中のみ。

つまようじ鍼でツボを刺激する!

生活習慣の乱れなどにより、血液の流れが滞っている状態=「瘀血(おけつ)」も生理痛の原因になります。生理中に刺すような痛みがあったり、レバー状に固まった月経血が出る場合はこのタイプと言えるでしょう。肌がくすんでいる、目の下にクマができやすい、頑固な肩こりなども瘀血の特徴的な症状。瘀血による生理痛はつまようじでツボを刺激することで改善できます

必要なのはつまようじと輪ゴムだけ!

    【つまようじ鍼の作り方】
    つまようじ3本を輪ゴムでまとめるだけ! ツボに当てる際は強い力でグリグリ押すのはNG。トントンと叩いて肌に軽く跡がつく程度の力でOKです。

    【三陰交のツボ】
    ペットボトル温灸と同様につまようじ鍼でも効果的なのがこのツボ。生理中以外の時期にやってもOKです。

    【血海のツボ】
    膝の骨の内側の角から指3本位上の位置。血海を刺激すると血流が促進されるので、生理が来そうで来なくてお腹が重苦しくて辛い時に刺激すると、生理が始まってスッキリする効果も。PMSや生理痛のある時期に押すと痛みを感じるのでツボの場所もわかりやすい。※つまようじ鍼をするのはPMSや生理痛のある時のみ。

お話を伺ったのは

若林理砂さん
臨床家・鍼灸師。高校卒業後に鍼灸免許を取得、早稲田大学第二文学部卒。自身が主宰する「アシル治療室」での鍼灸治療のほか、東洋医学や武術を学ぶ「Studio Libra」も運営。「東洋医学式 女性のカラダとココロの『不調』を治す養生訓」など著書も多く、女性を中心に幅広い層から支持を集めている。※現在、若林さんの治療室では新規の予約はお受けてしていません。

イラスト/雨月 衣 構成/CLASSY.編集部