【専門医がアドバイス】人の名前が出て来ません

「あの人の名前はなんだっけ?」。 普段はパッと出てきていた人の名前が、なぜか急に思い出せなくなるということはありませんか? その原因と解決方法について脳内科医・医学博士の加藤俊徳先生に教えてもらいました。


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教えてくれた専門医

加藤プラチナクリニック 院長
加藤俊徳先生
脳内科医・医学博士。株式会社「脳の学校」代表。昭和大学客員教授。脳番地トレーニングの提唱者。加藤式MRI脳画像診断(脳相診断)で、子どもから超高齢者まで1万人以上を治療。『脳とココロのしくみ入門』(朝日新聞出版)ほか著書多数。

単調、受け身、忙しい生活が記憶力を低下させる

人の名前が出てこないのは、脳が老化しているからかもしれません。行動パターンや生活が単調だったり、受け身の姿勢で仕事や生活をして脳に刺激がない過ごし方をしていると、脳が老化していきます。
また、仕事で脳の同じ場所を酷使している場合も、脳の柔軟性が失われてしまうことに。こうした結果、物忘れをしやすくなったり、イライラしがちになったりしてしまいます。そのほか、仕事や育児で忙しく、日々を振り返る余裕がない場合も、脳の記憶中枢を動かさなくなることから記憶力が低下してしまいます。いつも新しいことにチャレンジしてワクワクするなど、常に脳に刺激を与えて活性化させていれば、脳の老化は起こりにくくなるもの。記憶力が弱まってきていると感じている人は、少しずつ生活を見直してみてください。

脳の活性化のためにできること

■運動をする
特に座りっぱなしのときなどに、体を動かすことは大切。使っていなかった、運動領域を司る脳の部位が活性化されます。
■良質な睡眠をとる
寝不足は記憶力の低下の原因の一つになるだけでなく、物事への理解を浅くすることがわかっています。寝不足が続くと認知症のリスクも高まるので注意。
■散歩に出る
家にこもる日々が続き閉塞感があると、怒りやすくなったり忘れっぽくなったりする元凶に。散歩程度でもいいので、外の空気を吸うなど気分転換を。
■自発的に取り組む
同じことでも「やらされる」と「ワクワクして自発的に取り組む」のとでは、脳への影響はまったく異なります。自主的にワクワク取り組む工夫があれば、脳は活性化します。
■習慣を変える
例えばコーヒー派の人が日々の飲み物を紅茶に変えてみるだけでも、紅茶に合うお菓子選びや茶葉選びなどで連鎖的に行動パターンに変化が起きます。何か一つでも、いつもの習慣を変えてみるのがおすすめです。
■利き手でない手を使う
利き手でない手を使って食事や掃除などをすると、普段使わない脳の部位が活性化します。
■昨日の夕飯を思い出す
夕飯のメニューだけでなく、そのときの会話など夕飯に関連することを極力全部思い出してみてください。思い出すこと自体が脳への刺激になります。

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運動不足気味な人は、まず室内で手軽にできるストレッチから始めましょう。肩や肩甲骨、腰などの気になる部分を伸ばせば頭もスッキリするはず。ストレッチログ φ15×90cm ¥1,619(カインズ)

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「毎日自分の振り返りタイムをつくり、その日一日、自分がどんなことに主体的に取り組めたか、どうすればもっと楽しめるか、振り返ることで脳は活性化しますよ」(加藤先生)。ジブン手帳2021ファーストキットスタンダード カバータイプ(A5スリム、H217×W136mm)各¥3,800※希望小売価格(コクヨ)

脳トレで使っていない脳を活性化

普段使わない脳の部位を鍛えるには、脳トレグッズを使うのも手。大人になってからは縁遠くなっていた漢字や語句の読み書きや計算に意外と苦戦するかも⁉ 『大人のいきいき脳ドリル 漢字・語句』、『大人のいきいき脳ドリル 計算』各¥100 (大創出版)

※掲載中の情報はMart誌面掲載時のものです。

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取材・文/須賀華子 構成/長南真理恵

Mart 2021年2月号
カラダの疑問に答えます「人の名前が出てきません」 より