【HERS à table】料理家・真藤舞衣子の「美味しい」を選ぶ目⑧近江の名麩 丁字ふ

料理家・真藤舞衣子さんが、日々の生活で見つけた、
料理をより楽しく! おいしい!ものにする“食材”を紹介する連載。
食材とそれを使って作るひと皿を真藤さん目線で伝えていきます。

Vol.7
麸惣の丁字ふ

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お麩が大好きで、生麩や麩まんじゅうなどお麩が作られている街へ行くと必ず購入してしまうほど。
今回ご紹介するのが、滋賀県の近江八幡の「丁字ふ」。

前回紹介した赤こんにゃくなどと一緒にお土産やさんや物産展などへ行くと必ず買います。

麸の食文化が一般に広がったのは、江戸時代中期から後期と言われています。
そんなお麩、小麦のタンパク質(グルテン)と小麦粉、水を原料に作られた植物性蛋白質食品なのです。

普通の粉物と違って、消化吸収が良い点もお気に入りの理由のひとつ。

さて、お麩と言うと、丸い形を思い出しますが、この近江八幡の「丁字麩」は四角い形が特徴。
近江のお麩も元々は丸い形だったとか。と言うのも、そもそもお麩は農家の人たちの家庭の保存食でした。行商で持ち歩くようになり、丸いと不便なので束ねやすく運びやすい角型の麸を作って全国を行商して回っていたそうです。

近江商人の知恵ですね。

焼けば香ばしく、歯触り良く、水で戻せばしっとりと柔らかい食感に。

パン切りナイフで半分に切って、軽くトースターに入れると香ばしくなります。そこに、あんこを挟んで最中風にしたり。おつまみにレバーペーストなどのせてもお酒のおつまみになったり……。
食感もとても軽いのでいくらでも食べられてしまいそうです。

今回は、軽くトースターで加熱したお麩の上に長ねぎのオイルコンフィとアクセントにいりこをのせてみました。アンチョビでもおいしいですよ。

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他には、一度水で戻してからギュッと絞って半分に切ったお麩と菜の花のからし酢味噌和えに。

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全く違う食感となり、少しボリュームが出るので食べ応えも◎。ベジタリアンの方にも向いています。

常備しておくと手軽に味噌汁や、すき焼きなどにも入れられるので、見かけたら買うようにしてます。

 

【DATA】

16個入り270円+税
滋賀県近江八幡市博労町元23
麩惣(ふそう)
0748-32-2636
http://www.zb.ztv.ne.jp/fusou/

※日本橋にある、「ここ滋賀」にも置いてあるそうです。

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【PROFILE】
真藤舞衣子
カフェ「my-an」(山梨市)オーナー。料理教室主宰、レシピ開発ほかYBS山梨放送「てててTV」はじめTV、ラジオ出演も。著書に『からだが整う 発酵おつまみ』(立東舎)ほか多数。
Instagram:@maikodeluxe