「彼の両親に会う日に、浮気相手が登場して…」Over40こじらせ男子の婚活奮闘記【第12回】

連続ドラマの原作となった小説『サバイバル・ウエディング』の著者が、婚活してみたら…。Over40こじらせ男子の奮闘記をお届けします。

ハイスペック女子が婚活するとこうなる!

先日、とある女性経営者の方に、衝撃的な恋愛遍歴を伺ったのでご紹介したいと思います。
男の場合、お金を稼げば恋愛もうまくいきますが、女性の場合は男に「こいつ金持ってるぞ」という目で見られるそうです。その方の名前を仮に由香さんとします。
あるとき取引先の男性からお仕事の相談をされました。芸能事務所と飲食店の自称経営者(Aさん)でした。食事をしながら相談にのっていたら、「結婚前提に付き合ってほしい」と突然告白されます。恋愛対象として見ていなかったので断りますが、「もう少し時間がほしい」と粘られました。取引先なので無下にはできず、相談がてら食事に付き合っていました(Aさんはタクシー代や食事にとてもお金を使う人だったそうです)。
そんなとき由香さんが大きな病気を患い手術することに。それを聞いたAさんは、すぐに職場に来て由香さんを心配するのですが、「俺、スゲー大変なときに来た。ここに来てるような場合じゃないんだよ」「何があったの?」「いやそれは言えないんや。俺、毎日神社行って祈るから!本当はそんなことしてる場合じゃないんやけど…」「はあ…」「毎日病院にも行くよ。時間ないんやけどな…」と、自分が大変な状態ことを匂わせます。
そんなAさんから、ある日、新しい飲食店の開業資金を持ち逃げされたと連絡があります。
由香さんが「お金を借りたら」と入院先から至極全うなアドバイスをしたところ、「国籍の問題で無理やねん」と謎の理由を口にします。「3000万足りへんねん」と貸してほしそうにされ、拒否すると、「じゃあ2000万」と値下げ交渉開始。最終的に80万まで下がり、それも断ると去っていったといいます。今思えば結婚詐欺師だったのではと、由香さんは振り返ります。
由香さんはもともとダメンズを引き寄せる体質らしく、大学を卒業したころ、付き合っていた彼氏(B君)が突然仕事をやめました。上京すると同時に、同棲することに。同棲して間もなく、B君が出会い系サイトをやっていたのを見てしまいます。それを問い詰めると「市場調査やねん」(また関西の方です)とかわそうとするものの、女性とのメールを見てしまい、浮気が発覚します(僕を含めて男はバカなのです…)。
ただ、当時は、さみしがり屋で「彼がいなくなったら生きていけない」と考え、浮気を続けるB君とズルズルと付き合いを続けてしまいますが、何年かたったところで、「もうだめだ」と別れを決意しました。
ところが、別れようと思っていた矢先、B君の両親が東京に来て会うことになりました。駅前のファミレスで彼の両親を含めて話し合いをすることに…。
まず浮気のことで両親に怒られる彼。それだけですめばよかったのですが、そこに浮気相手の女性が登場します。「B君、一緒になるって言ってたよね…。どうして…」と泣きながら訴えます。彼の母親も同情して泣きだし、由香さんはただそれをひたすら見ているという、カオスな状況に。結局、彼からその女性にお金を払うことで、その場はおさまったそうです。
どうやらB君の両親も、経営者である由香さんと結婚してほしかったらしく、その後、浮気息子に対し「結婚しなかったら、家族の縁を切る。いますぐ結婚しなさい」と強く説得。そしてB君のほうが結婚を決意。
でも、関係は破綻しているのです。普通でしたら、そんな状態で結婚なんてしないのですが、当時、由香さんは少し感覚がおかしくなっていたので、こんな決断をします。「結婚式を挙げて別れる?」
そうして結婚式を盛大にあげたあと、お別れしたそうです。
その後、由香さんは徐々に本来の自分を取り戻し、新たな出会いもあり、結婚されたそうです!お相手の方はいままでの方と違って穏やかでまじめな方だそうです。「もう他にいい人はいない。別れたら一人になってしまう…。そんな感覚に陥っても、前に進んで曲がり角を曲がってみたら、運命の相手は本当にいる」と仰っていたのが印象的でした。
僕も前に進んでみようと思います。

この記事を書いたのは「大橋弘祐」

大橋弘祐(おおはしこうすけ)

大橋弘祐(おおはしこうすけ)
作家、編集者。 立教大学理学部卒業後、大手通信会社を経て現職に転身。初小説『サバイバル・ウェディング』が連続ドラマ化。
『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』はシリーズ40万部を超えるベストセラーに。

撮影/小田駿一