【中学受験②】 「そもそも中学受験をする意味って、結局なに?」
★ 選択肢があるって実はすごく贅沢で、ありがたいこと
こんにちは。教育ジャーナリストの鳥居りんこです。
「中学受験って結局、どういうこと?」と問われたら、私はこう答えましょう。「家族にとって、すごく幸せなこと!」ってね。何故なら「選べるって幸せ!」だと思うから。
考えてみたら、本当に些細なことであっても、選択肢があるって実はすごく贅沢で、ありがたいことですよね~。
今日のランチはパスタかラーメンか、はたまたパンケーキか⁉ って小麦粉の調理法で真剣に悩める私たちは、実はとても幸せな時代を生きているってことです。こんな小さなことであっても、「選べる自由」があることは本当に幸せなことだと思うんです。
ましてや、我が子の教育。多分、親にとっては人生の中で、5本の指に入るほどの一大事が、我が子が育つ“環境”なんだなぁと実感しますが、中学受験には、それを選べる自由があるってことですね。
まずは「公立中学」か「私(国)立中学」か?という選択肢があり、それを選ぶ自由があります。
「我が家は、地元の公立中学に行かせるわ」という選択をする自由もある。その一方で、我が子が通う中学校を学区中学校以外から「選ぶ」自由もあるってことですね。
この場合、
・公立中高一貫校か、私立中高一貫校か、はたまた国立中高一貫校か?
・男子校か、女子校か、はたまた共学校(または別学校)か?
・大学付属校か、大学附属ではない中高一貫校か?
・宗教校か無宗教校か?
・難関校か、中堅校か?
ザっと挙げただけでも、このように様々な選択肢が用意されており、すべて自由に選ぶことができるのです。
お子さんの12歳から18歳までの6年間は人生の核を形成している時です。徐々に自立に向かおうとしている時代には、親よりも、周りの友人、先輩後輩、そして師と呼べる先生方がいる“学び舎”から受ける影響の方が強いでしょう。
この青春時代をどの環境で過ごすのかは子どもの人間形成にとってはとても重大なことなのです。どの道を歩もうとも、悪い道というものはありません。公立だから良い・悪い、大学附属だから良い・悪いという意味ではないのです。ただ言えることは、その子、その子によって「向いている道」があるということでしょう。
親は子が生まれた瞬間から、我が子に「幸多き人生であれ」と願い、様々な手助けをしながら成長を促します。日々、沢山の“ギフト”を我が子に授けながら育てていくわけですが、その中でも「環境」という“ギフト”は大切です。
そういう意味で、ご家庭の教育方針のもと「幸せな人生を過ごして欲しい」という願いを込めて、それぞれの学び舎を選ぶことができるということが、やはり中学受験の一番のメリットなんじゃないかと思っています。
私は常々、「中学受験は結婚相手選び」のようなものであると主張しております。
やはり、配偶者は大好きな人がいいと思うし、自分が自分らしくいられる人がいい。それと同じように、家庭よりも長い時間を過ごすことになる学校という所は、その子にとって「居心地が良い場所」であって欲しいと願っています。
現実問題としては、結婚と同じで、学校も理想どおりで何もかもがハッピーということにはなりづらいものがありますが、それでも、我が子の12歳から始まる青春をどのような場所で過ごして欲しいのかを考えておくことも親のお仕事と言えましょう。
しかも、このお仕事、親にとっては楽しいものです。
次回は「何故、今、中学受験が人気なの?」について考えてみましょう。
鳥居りんこ・・・作家、教育・介護ジャーナリスト
2003年、長男との中学受験体験を赤裸々に綴った初の著書「偏差値30からの中学受験合格記」(学研)がベストセラーとなり注目を集める。
その後シリーズ化され、悩める保護者から“中学受験のバイブル”と評され、中学受験を辛かった思い出ではなく、子どもとの絆を感じられ、子育てが楽しくなる内容に、心救われ涙する保護者が続出しました。
ブログ:湘南オバちゃんクラブ https://note.com/torinko
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次回のテーマは「何故、今、中学受験が人気なの?」4/5(月)配信予定です。
構成/加藤景子 イラスト/村澤綾香