モデル・田波涼子さん復帰「ママ業と仕事、両立できない人だっている」
VERYでも活躍していた人気モデルの田波涼子さんが待望の復帰! 現在は10歳の男の子と、7歳の女の子の2児のママ。仕事を休んで子育てに専念した理由や小学校受験のエピソード、復帰したばかりの今の本音など人柄が伝わる、飾らずまっすぐな言葉で語ってくれました。
「ママ業と仕事、両立できない人だっている。
子育ての大切な時を見逃したくなくて
ほぼ4年間お仕事をセーブしました」
仕事復帰を決めたのは
子どもたちの言葉でした
久々の撮影、VERYの撮影にベビーカー押して行ったのは何年前でしたか? かれこれ4年ぐらい表舞台から遠ざかっていたので、カメラの前に立ってもすぐにいい表情ができなくてごめんなさい! 早く感覚を戻そうと、今まさに頑張り中です。本格的に仕事復帰を決めたのは、子どもたちの「ママお仕事やって!」という言葉。私の昔の作品を見て、そう思ってくれたみたいです。1人目、2人目と産後に少しだけ復帰していますが、子どもたちの成長を見逃したくない気持ちから自然と育児に専念する生活になっていきました。
息子は先日10歳になったばかり、娘は7歳になりました。息子は赤ちゃんの頃からずっと変わらずやんちゃで、何でもしつこく言わないとできないタイプ。早く落ち着いて欲しいと思いつつ、心のどこかで大人になってしまうのを寂しく感じていて、この間「ママじゃなく、お母さんって呼ぶ」と突然宣言をされたときは「お願いだから、お誕生日まではママと呼んで!」と懇願しちゃいました(笑)。娘はお兄ちゃんが反面教師となっているのか、言われなくても片付けや学校の準備をしてくれるので、すごく助かっています。娘であり、味方のような存在。でも、手がかからない分、おまかせにしてしまう部分が多く、「これっていいことなの?」と心配になることもあるんです。今は楽でも、思春期に大変になったりするのかな、とか。
夫婦で意見を出し合い
「子育て3本柱」決定
我が家の子育ての方針は、「視野を広く持ち、男気があって、みんなを笑顔にする人」の3本柱。2人目が生まれてすぐの頃、夫から“決めよう”と提案があったんです。意見を出し合って最終的に3つに絞りました。3つにしたのは多すぎると子どもに押し付けてしまうことが増えてしまいそうだし、重要な軸がブレてしまうのが嫌だったから。私がブレやすい人なんです(笑)。この3本柱は子どもたちにも伝えていて、3つなら子どもたちも心がけやすく、目指しやすいのかなと日頃の様子を見て感じています。
夫は子育てに積極的。2人目が生まれたあたりから急にスイッチが入った感じがします。息子が少しずつ言葉を喋れるようになり、意思の疎通ができるようになってから、親として子どもへの愛おしさが爆発したみたい。頻繁だった会食もほとんどやめて、子どもと一緒に寝るために駆け足で帰ってくるようになったんです。新型コロナウイルスの感染拡大前は息子と男二人旅に出かけたりもしていましたね。娘には、デレデレですよ(笑)。
小学校受験は正解か、
まだわからないです
今のところ子育ての壁にぶつかるような経験はありませんが、それでも小学校受験のときは大変でした。特に息子は子どもらしさを押さえつけるような状況が続いてしまい、ストレスを感じている様子に、親として切なく悩みもしました。でも、小学校での新生活が始まると、あっという間にやんちゃな息子に逆戻り。その順応性がありがたく、心底ホッとしました。小学校受験をさせて良かったのか、正解はわかりません。ただ、そのときの子どもたちに小学校を決める判断力はなく、我が家の教育方針と合うとか、将来を見据えた上で親が決めるのは仕方のないこと。どこかのタイミングで受験はしなければならず、その苦労を早く済ませた分、この先興味のあることに時間を費やせるというポジティブな側面もあると思っています。今は2人とも自ら好きなものを見つけ、将来のことを少しずつ口に出すようになってきました。また受験をしたいと言ったら、それはそれ。今後は私たちが決めるのではなく、子どもたちが選び決めたことをサポートする立場に回るのが親の仕事かなと思っています。親主導から、子主導に少しずつ切り替わっていく時期なのかも知れません。
以前に息子が「将来は家族を持ち、パパの姓を継ぎたい」と言ってくれたことがあり、家族へのリスペクトを感じてすごく嬉しくなりました。でも、そこから「どうやったら子どもって作れるの?」とまさかの質問攻め!まずは「男の子は子どもを産めないんだよ」という話から始まり、雌しべと雄しべに例えてうまく説明をしたつもりが、何でも追求したがる息子は納得せず(笑)。半端に隠すと変な興味を刺激しそうで、息子が理解できる範囲でちゃんと説明をすることにしました。最後に「本当に大切にしたい人とだけね」と想いを強く、念を押して。子どもがPCを使えて当たり前の時代、インターネットだけで性に対する知識や情報を得てしまうのはちょっと怖い。大人になったときの行動を見据えた教育も、親にとって重要な課題だと思っています。
トップス ¥38,500(エストネーション/エストネーション) チェーンネックレス ¥79,200 ネックレス ¥158,400(ともにオール ブルース/エドストローム オフィス)
「息子が『10歳になったら
〝お母さん〟って呼ぶね』と宣言も。
親主導から子主導に変わるタイミングかな」
ママだけじゃない自分を
楽しめるようになりたい
ママとしては、まだまだ未熟です。仕事復帰を考えてから、働くママたちへの尊敬がやみません。タキマキさんのインスタとかもビックリで「こんな完璧なお弁当を作ってから現場へ?」と、一日の時間割りが気になって仕方ない(笑)。最近は働くママたちに聞き込みをしているのですが、みんな手の抜き方が上手。「何とかなるさ」とドンと構えたような余裕もあるんですよね。私に足りないのはそれだと思いました。その余裕を早く身に付けたいです!
復帰が遅いとも思いましたが、子育てに専念できた期間は幸せだったと思っています。「子どもと一緒にいたい」という想いを押さえて仕事をしていたら、きっと家庭も仕事もうまくいかなくなっていたはず。昔から同時にいろんなことができないタイプなんです。器用じゃなくて、頑張りすぎると蕁麻疹が出ちゃう(笑)。今回の仕事復帰は長く休んだ分とても勇気がいることでしたが、ヘア・メークさんに聞いて新しくコスメを揃えたり、電気バリブラシを買ってみたり……。ママだけじゃない田波涼子を、ちょっとずつ楽しみ始めているところです。
たなみ りょうこ 1973年生まれ。JJ専属モデルとしてデビュー、CLASSY.をはじめ数々のファッション誌で表紙を務めた人気モデル。2007年に結婚、2010年に第一子、2013年に第二子を出産。
素敵なライフスタイルはインスタグラム@ryokotanami.ideaをチェック。
〈左〉 娘7歳の七五三のお祝い。着物は私が、帯は母が七五三のときに着たもの。可愛くてずっと見ていたかった♡
〈右〉毎年参加している「New Acoustic Camp」。一番の目的はキノコ狩り。「キノコ博士になるの?」というぐらい、息子はキノコに夢中なんです。
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・2児の母 井川遥さんの“子育てと仕事” VERYカバーモデル時代を振り返って
撮影/竹内裕二〈BALLPARK〉 スタイリング/安西こずえ〈Coz .inc〉 ヘア・メーク/佐藤エイコ〈ilumini.〉 取材・文/櫻井裕美 編集/羽城麻子
VERY NAVY4月号『田波涼子さんインタビュー 子育て第2シーズンどうですか?』から
詳しくは2021年3/5発売VERY NAVY4月号に掲載しています。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。