大人のカラダが引き立つ服って、どんな服?|スタイリスト石毛さん×デザイナー田口さん対談
大人の女性が参考にしたいやわらかさや女性らしさ、程よいモード感漂うスタイリングが魅力のスタイリスト石毛のりえさん。今、石毛さんをはじめモデルの高垣麗子さんも大注目しているのが’20年AWからスタートした新ブランド〝HAVEL studio〟 。大人のカラダに優しくかつドラマチック。2人が虜になる服の魅力を伺いました。
★ 大人のカラダが引き立つ服とは??
〜 HAVEL studio デザイナー 田口直見さん × スタイリスト 石毛のりえさん 対談
空気を纏ったような軽やかさ。シャツの身頃は前後で結んだり、垂らして揺らしたり、前を開けて着たりと気分に合わせて。ワンピースは前後差のある丈感。バックに入った贅沢なタックが、風になびくようなシルエットをもたらします。シャツ¥33,000ワンピース¥48,000(ともにハーヴェル スタジオ/アイクエスト ショールーム)ピアス¥34,000リング¥45,000(ともにブランイリス/ブランイリス エストネーション 六本木ヒルズ店)靴¥25,000(ペリーコ サニー/デミルクス ビームス 新宿)
★ 年を重ねる=変化すること。
今の自分の体を 好きになる服選びを
石毛
ハーヴェル スタジオの服が大好きすぎて、見ているだけで幸せです(笑)。ハンガーにかかっていてももちろん素敵ですが、体が入って歩いた時にスカートが風にはらんだり、腕を上げた時に袖がふわっとしていたり、ちょっとした動きでドキッとするというか。
シンプルなのに細部に贅沢に施されたギャザーや上質な素材感など、ぱっと見で華やかというよりは「あの人、素敵だったな」って後から余韻が残るような不思議な魅力があると思います。
田口
ありがとうございます。風にふわっとなびくと気持ちいいですよね。
ハーヴェル スタジオは「日常をドラマチックに彩るリアルクローズ」がコンセプトなんです。今のご時世、皆さんさまざまなストレスを抱えていると思うので、服は心地よくないと嫌だと思うし、大人になればなおさらのこと。例えば名刺交換の時、着ている本人はパジャマ感覚の着心地なんだけど、相手からはきちんと見える。それが理想であり、ブランド側の想いです。
石毛
体が泳ぐようなゆるいシルエットの服が多いですよね。
田口
ビッグシルエットがトレンドということもありますが、ただ大きいだけでは素敵に見えない。そこはデザインのなせる業です。
40代になると体型は自然と変化していきます。体型をキープするのに努力するのは素晴らしいことですが、抵抗しすぎるのは私は少々苦手です。健康なのが一番。ちょっぴりついたお肉も好きになれるような服作りができるといいなと。私自身もそうなので、ハーヴェルスタジオの服は細い人もマシュマロ体型の人も素敵に着られるようにしています。
ただ始まりが体型カバーではなく、あくまでもデザインが優先。たっぷり布を使ったふわっとしたスカートの優雅さや、軽やかな素材で体を優しく包むような心地よさが、結果的に体型カバーでき、一石二鳥に繫がるのかもしれません。体型カバーをしている努力を見せずに「素敵な人」って思われることが大事ですよね。
石毛
20〜30代は体を引き締めようと努力していましたが、最近は服の力を借りちゃえ!と思うようになってきて(笑)。とはいえ、大人になると欲張りになってきて「着映え」「心地よさ」「着痩せ」「着回し」とあれこれ手に入れたくなります。
田口
決して安くはない服なので、一枚を手に入れたら、いろいろなことを得てほしいんです。石毛さんのおっしゃることももちろん。他にも、服を着た時の所作、洋服への向き合い方やお手入れなど、あらゆることが連なって日常をワンランク上げることができたら。
石毛
あと、スタイリストの立場から見ると、ハーヴェル スタジオの服って着回し力が高いんです。2WAY、3WAYで着られる服も多いですよね。
田口
例えばシャツだったら、「ウエストをきゅっとしたい」と思ったらシャツのリボンを結んだり、お腹回りが気になる人は結ばずに垂らして揺らすことでデザインになる。服って「揺れる」と高揚感が出て楽しい。着る人の体型やボトムスに合わせるもの次第で、自由に着られるようにしています。
石毛
コロナもあってか、最近は日常でドラマチックなことってそうないから、洋服で気持ちを上げたいと思っていて。そういう意味でもハーヴェル スタジオの服は「どこかにお出かけ」とかだけではない、日常で着るだけで「ルン♪」ってなれるんです。あと、40代になるとワンツーコーデで間が持たなくなってくるのですが、シンプルなのにさりげなく印象的で、一枚で「素敵」って心が躍る服が多い気がします。
田口
嬉しいです! 細かいところが行き届くように配慮していますが、その気苦労を感じないようにサラッと着ていただけたら嬉しいです。
バックスタイルにはたっぷりとギャザーが施され、360度どこから見てもキレイ。肩を抜いてゆるくリラクシーに着こなしたい。シャツワンピ―ス(マスク付き)¥58,000パンツ¥29,000(ともにハーヴェル スタジオ/アイクエスト ショールーム)サングラス¥44,000(アイヴァン 7285/アイヴァン 7285 トウキョウ)ピアス¥36,000リング¥42,000(ともにブランイリス/ブランイリス エストネーション 六本木ヒルズ店)バッグ¥155,000(ザンケッティ/八木通商ZANCHETTI事業部)靴¥87,000(ネウス/エストネーション)
シアーな素材感で動いたり、光が当たったり……と自然な動きでドキッとするほど印象的なセットアップ。シンプルで上質、媚びない華やかさ。品の良い大人の女性ならではの選びを感じさせます。カーディガン¥39,000ニット¥29,000スカート¥39,000(すべてハーヴェル スタジオ/アイクエスト ショールーム)バングル¥62,000ピアス¥34,000(ともにブランイリス/ブランイリス エストネーション 六本木ヒルズ店)バッグ¥24,000(マルシェ/フラッパーズ)靴¥14,000 (ダイアナ/ダイアナ 銀座本店)
<麗ちゃんもパンツをお買い取り希望!>
英国の老舗シャツ生地メーカー、トーマス メイソンの生地を使った正統派の素材感。パッチポケットから続くハンカチーフヘムのデザインが今っぽく、かつ着映える一枚。ヘム部分は結んで着ても。シャツ¥40,000(マスク付き)パンツ¥89,000(ともにハーヴェル スタジオ/アイクエスト ショールーム)ピアス¥5,000(ツル バイ マリコ オイカワ)バングル¥80,000(ブランイリス/ブランイリス エストネーション 六本木ヒルズ店)バッグ¥40,000(イアクッチ/イアクッチ 大丸東京店)
撮影/土山大輔(TRON) モデル/高垣麗子 スタイリスト/石毛のりえ ヘア・メーク/森野友香子(Perle Management) 取材/石川 恵 ※情報は2021年3月号掲載時のものです。