【LIFESTYLE】料理家 こてらみやの「ベランダと暮らす」⑩

緑のツリーに黄色いオーナメントをつけたような姿が可愛らしくて、収穫しそびれていた我が家のマイヤーレモン。レモンの重みで枝が折れそうになってきたし、新しいつぼみもたくさん出てきたので、思い切って収穫しました。

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マイヤーレモンは、一般的なレモンとオレンジの交配種で、色が濃く、柔らかな酸味でとってもジューシー。無農薬で育てているから、皮ごとお料理やお菓子に使えます。今年はまとまった数が収穫できたし、はて? 何を作ろうか? と考えていたら、TVで「今日はジャムの日です!」と言っているではありませんか! ちょうど、ママレードの在庫を切らしていたので、即、レモンママレードをこさえることにしました。

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ママレード作りは、レモンのワタの部分に苦味があるので、水にさらしたり茹でこぼしたりと、ちょっと手間がかかりますが、自家製ママレードのおいしさを知ってしまうと、作らない訳にはいきません。

では、ママレードの作り方をご紹介しますね。

 レモン3個(550g)は、皮と果肉、種に分けます。グラニュー糖は250g(レモンの重量の約45%)を用意します。

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皮はせん切りにして水にさらし、果肉は刻みます。取り除いた種やじょうのう(袋)の固い部分は、ジャムにとろみをつける成分のペクチンが多く含まれるので、ガーゼで包むか、不織布のお茶パックなどに入れておきます。

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1時間ほど水にさらした皮をギュッと絞って水気を切り、2度ほど茹でこぼして水にさらします。食べてみてほんのり苦味を感じるぐらいであればOK

まだ苦い! という場合は、さらに茹でこぼします。

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厚手の琺瑯やステンレスの鍋に果肉とグラニュー糖の半量を入れて混ぜ、1時間ほどおいておくと、グラニュー糖が溶けてとろっとしてくるので、種を入れた袋も入れて火にかけます。

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そうそう、わたしはジャムにスパイスを忍ばせるのが好きなので、レモンによく合う、甘い香りのクローブ6本、そしてしょうが汁も小さじ1杯ほど加えました。クローブ以外にも、粒黒胡椒や赤唐辛子を入れるなどして、ちょっぴりスパイシーに仕上げるのも美味しいんですよ。パンはもちろん、焼いたお肉につけて食べたりと、お料理にもぴったり。こんなふうに自分好みのアレンジができるのが自家製ジャムのいいところですね。

 さあさあ、作り方に戻りましょう。

 沸いたらサッとアクを取り、水気をギュッと絞った皮も加えて、ときどき底から混ぜながら弱火でクツクツと1015分炊きます。皮の白い部分に透明感が出てきたら種を入れた袋を取り出し、残りのグラニュー糖を加えてさらに10分ほど炊いてとろみとツヤが出てきたら完成。

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すぐに食べるなら、びんに詰めて冷蔵庫保存で構いませんが、長期保存したい場合は、煮沸消毒したびんに詰めて脱気しておけば1年ほど保存がききます。

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できたてほやほやのマイヤーレモンママレードは、さっそくベランダごはんで大活躍!

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ちょうどクリームチーズがあったので、バゲットにたっぷりのせていただきます〜。

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んんん〜! 美味しい!

育てていてよかった! としみじみ思う春の朝でした。

 

【PROFILE】

こてらみや
料理家。毎日食べたくなるような、素材の持ち味を生かしたシンプルな料理を得意とする。休日の楽しみは、ベランダで収穫した果物やハーブを使ってびん詰めを仕込むこと。著書に「魔法のびん詰め」(三笠書房)など。instagramアカウントは @osarumonkey

 

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