“足の不調”の原因は?もう知らないではすまされない!「足のエイジング」について考える

若い頃は気合いで履けていたお気に入りの靴が、最近は痛みが我慢できず履けなくなった経験はありませんか?

老眼や、たるみといった肌老化があるのと同じで、足の老化も知らないうちに始まっているんです。外からは分かりにくい足のエイジングだからこそ、正しく知って、しっかりと意識してみませんか?

目次 ★ 最近、こういう不調が気になる方は要注意!
★ どうして足のアーチが崩れていくの?
★ これが「正しい歩き方」

 


★ 最近、こういう不調が気になる方は要注意!

◻︎足のサイズが大きくなったような気がする
◻︎足にタコや魚の目ができる
◻︎ヒールの靴が履けなくなった
◻︎怪我をしていないのに、足や膝が痛い
◻︎つまずきやすくなった
◻︎夜中に足がつる
◻︎足指が曲がる
◻︎ただ歩いてるだけで疲れる
◻︎ぺたんこの靴を履くと余計に疲れる
◻︎ヒールの靴が履けなくなった
◻︎かかとのガサガサが気になる
◻︎起床時に土踏まずの部分がよく痛む。原因が分からない

etc…

それは、足の<3つのアーチが崩れてきた>からかもしれません!

足には、土踏まずを支えるために、骨と筋肉などから形成される弓なり状の3つのアーチがあります。

かかとと親指の付け根を結ぶ「内側の縦アーチ」、かかとと小指の付け根を結ぶ「外側の縦アーチ」、指の付け根を結ぶ「横アーチ」です。

このアーチ構造を持つことでヒトは全身の体重を支え、着地するときの衝撃を受け止めています。

「アーチのエイジング」を放置しておくと、こんなことにも……

足の指(特に親指以外の指)が、「への字」に変形し、縮こまった状態を言います。つま先が極端に尖っていたり、窮屈な靴を履き続けていると、ハンマートウになりやすく、指が曲がった部分にタコもできやすくなります。

足の親指が小指側に変形して「くの字」になる状態を言います。ハイヒールや足に合わない靴を履き続けたことでなるイメージがありますが、実は元々の足の形や骨格が原因となり、遺伝的に外反母趾になる人も多いです。

足の指が浮いて、床や靴底に接地しない、接地していても指先に力を入れて踏ん張れない状態を言います。浮き指状態でいるとかかとに重心がかかり、バランスを保つために猫背になり膝や腰、肩や首にも負担がかります。

 


★ どうして足のアーチが崩れていくの?

<医師> 妊娠・出産で骨盤の 靭帯を緩めるために 出るホルモンが 足に影響を及ぼします

足のクリニック 院長 桑原 靖先生

埼玉医科大学医学部卒業。2013年、表参道に日本初の足専門クリニックを開院。テレビや雑誌でも多数紹介され、著書も多数。3/1よりキュープラザ原宿7Fに移転。

生まれながらの骨格構造の特徴要因として、足のアーチが崩れやすい人、崩れにくい人がいます。元々アーチ構造が弱い人は足が内側に傾き、足首の関節が内側に倒れます。

足にねじれが生じると特定の部位に不要な力が加わり、靴擦れや魚の目、外反母趾や巻き爪の要因につながります。また、出産が足のアーチを崩す要因になることもあります。出産のとき(周産期)は骨盤の靭帯を緩めるために卵巣からホルモンが出ますが、それが足にも影響を及ぼし、アーチ構造が一気に崩れます。

産後に腰の幅が広くなったと自覚する人は多いと思いますが、同時に足が大きくなった、幅が広くなった、前まで履けていた靴が履けなくなった、タコが増えたと自覚する方もいます。

骨盤に関しては産後にベルトで締めることで元の状態に戻すことはできますが、足のアーチ構造は下から立体曲面として支えておいてあげないと、崩れたままとなってしまい、それが時を経てさまざまな足のトラブルにつながります。

<歩き方のスペシャリスト> 足裏の筋肉を使って歩いていないうえ、加齢により筋肉が衰えてきたため

歩き方コンサルタント 篠田洋江さん

15年以上、のべ10,000人の日常の姿勢や歩き方を指導。正しく歩くことによる身体への効果・精神的効果を通じて、健やかな生き方について伝えている。

ヒトは歩くとき、「かかとで着地→足裏全体がつく→親指つま先に体重移動→親指の付け根で踏み込む」という動作を繰り返します。足裏全体がつく時、親指・小指・かかとの3点でバランスをとるのですが、アーチが崩れることでこのバランスがとれず疲れやすくなったり、スムーズに歩けないことも。

他にもさまざまな足トラブルを引き起こします。また、何もないところでつまずいたり、階段で転んでしまったり……という経験があるSTORY世代は、筋力だけではなくバランス感覚、脳機能なども加齢とともに衰えてきている証拠。身体は衰え始めているのに、気持ちは「まだまだこれから」と思っていて、身体と心にギャップが生まれてくる時期でもあります。

筋力やバランス感覚、空間認識能力や注意力などが若い頃とは違うからこそ、普段から自分の身体の動きや日常の歩き方を意識しながら筋力アップを図りつつ、自分の転倒リスクをしっかりチェックしておくことも大事です。

<靴とインソールの職人> 大きな靴を履いていると靴の中で足が滑ってしまいトラブルの原因に

RiNGOSEIKA 店長 安廣洋司さん

2016年に中野で靴店を始める。銀座【てつじ屋】で木型製作とインソール製作哲学を学び、オーダーメイドの靴職人に。〈足の健康診断室〉も開催。2月に銀座へ移転。

「靴擦れをするのが嫌で大きめの靴を履いている」という方がよくいますが、それは間違いです。大きすぎると靴の中で足が滑り、親指の付け根が常に圧迫を受け、足が小指方向に流れるようになったり、歩く際にかかとに靴がついていかず、摩擦が起きてかかとが痛くなります。これこそが靴擦れの原因で、足のアーチも崩れやすくなります。

また、足指でずれないように靴の底をつかむ動きをしてしまうため、しっかりと地面を蹴って歩くことができなくなります。足指を充分に使えないと指先まで血液が充分に回らず血行が悪くなり、冷え性の原因にもなります。

もちろん小さすぎる靴も問題です。窮屈な靴で血の流れを止めてしまい、足の変形の原因にもなるため、靴選びはバランスが大事です。

日本は靴を脱ぐ文化なので、履きやすさや脱ぎやすさを優先してしまいがちですが、ご自身の足のサイズや特徴をよく知っていただき、自分の足にきちんとフィットした靴選びをすることが大事です。

3本のアーチの力やクッション機能が衰えることで、写真のように内側の縦アーチが落ち込み、足指全体が右方向にずれること(=「過回内という)によって、扁平足や外反母趾、小指の靴擦れにつながります。ストローで作った模型による説明。

 


★ これが「正しい歩き方」

*イラスト上では、わかりやすいように素足のイメージで描いてありますが、素足での歩行を勧めているわけではありません

撮影/五十嵐 洋(静物)、BOCO(取材) スタイリスト/桑代 愛 イラスト/二階堂ちはる 取材/沢 亜希子 ※情報は2021年4月号掲載時のものです。

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