【美容皮膚科医が教える】「マスク肝斑」予防のために、してはいけないこと3つ

「あれ?左右の頰にシミ…?」こんな人いませんか?長引くwithコロナ生活で、「マスク肝斑」に悩むクラッシィ世代が急増中!そもそも「肝斑」のこともよく知らない、という人も多いのでは。日焼け対策やベースメークが疎かになりがちな今こそ、ちゃんと知っておかなくちゃ!

予防法、治し方、隠し方まで徹底レクチャー

3分で分かる「肝斑」

・そもそも「肝斑」って?
30~40代を中心に多く見られるシミの一種。見た目としては、肝斑の場合は境目がはっきりせずもやっと広がるケースが多く、ほお骨を中心に左右対称にできるのが特徴的です。一般的なシミの見た目は、黒っぽくて境目がはっきりしています。

・肝斑ができる原因は?
代表的なシミといえば、紫外線が原因でメラニンが大量に作られてできる「老人性色素斑」。また、肌への過剰な刺激による炎症、加齢によるターンオーバーの乱れ、ストレスによるメラニンの増加なども、一般的なシミの原因です。肝斑の場合はそれらに加えて、女性ホルモンのバランスが大きな要因だと考えられています。

・治し方は?
シミと肝斑は混在していることがほとんど。しかし肝斑は強い刺激で悪化しやすいので、通常のシミと同じ光治療を行うと、余計に濃くなってしまう可能性も。そのため、まずはトラネキサム酸などの内服薬や外用薬による治療が一般的です。医療機関でしか処方できない濃度のハイドロキノンクリームや美白剤を使った 治療法もあります。肝斑を光治療したい場合は、シミの診断を正しく見極められる皮膚科専門医のいる医療機関で、肝斑専用のレーザー治療が必要です。

「肝斑」を予防するために「しないほうがいいこと3つ」

    ・そもそも「肝斑」って? 30

    紫外線対策をしない
    普通のシミと同様に、紫外線を浴びすぎると代謝で排出しきれないほどメラニンが生成され、沈着することで肝斑になる場合も。

    ・そもそも「肝斑」って? 30

    肌への刺激を与えてしまう
    洗顔やスキンケア、マッサージ等による過剰な摩擦は、メラノサイトを刺激。メラニンが生成されて、肝斑の症状が悪化しやすく。

    ・そもそも「肝斑」って? 30

    ストレスを溜めこんでしまう
    ストレスが原因となって発生する活性酵素はメラノサイトを刺激してメラニン生成を促進。ホルモンバランスの崩れが影響することも。

「肝斑」って分からないことだらけ!

リーダーズが先生に聞いてきました

    ・そもそも「肝斑」って? 30

    治りにくいと噂の肝斑…。予防法はありますか?
    桐 嵯梨さん(30歳・宝飾関連会社勤務)
    リーダーズきっての美肌番長で、美容ページにも引っ張りだこの桐さん。30代に入り、肝斑の予防ケアに興味あり。

    ・そもそも「肝斑」って? 30

    普通のシミと肝斑の見分け方が分からない!
    鈴木詩織さん(30歳・IT関連会社勤務)
    アウトドア大好き、太陽が似合うヘルシー派の鈴木さん。今まであまり意識していなかったけど、肝斑対策をスタート!

    ・そもそも「肝斑」って? 30

    肝斑の原因はホルモンバランスと聞いたけど…
    松田衣里菜さん(31歳・商社勤務)
    ピラティスの資格を取得するなど、健康的なライフスタイルを送る松田さん。母親に肝斑があり、自身も関心が高いそう。

鈴木さん[以下、鈴]:私はアウトドアが大好きなのですが、この一年はほとんど叶わず…。紫外線を浴びないことで地肌が元の白さに戻り、その分シミが目立つように!
桐さん[以下、桐]:私は、マスクが擦れるほお骨部分の赤みやくすみが気になって…。
松田さん[以下、松]:ほお骨部分のくすみ、私も気になっています!もしかして、普通のシミではなく「肝斑」というものなのでは…と疑っていて。一度できると治りにくいと聞いたので、怯えています。
髙瀬先生[以下、髙]:一般的なシミは、紫外線や肌への過剰な刺激や加齢で、メラニンが沈着することが原因。肝斑は、それに加えて女性ホルモンが関わってきます。そのため、妊娠やピルの服用が発生のきっかけになったり、出産や月経周期で肝斑の濃さが変わったりすることも。高齢になり閉経すると、肝斑そのものが消えてしまうこともあるんです。
鈴:不思議!女性ホルモンが関わっているということは、男性は肝斑にならないんですか?
髙:とはいえ紫外線や肌への刺激、加齢も肝斑の原因になるので男性にも肝斑はできますが、女性の方がなりやすいと言われていますね。
桐:なるほど…。長引くマスク生活と肝斑にも関係はあるんでしょうか?
髙:この一年で言うと、外出が減ったり、メークが薄くなったことによる肌負担軽減のためか、肝斑が薄くなった方が多い印象です。でも、今年になってからまた肝斑の患者さんが少しずつ増えてきましたね。マスクによる摩擦の慢性化や、新型コロナウイルスによる閉鎖的な生活のストレスで活性酸素が発生し、肝斑が 濃くなる可能性はあると言えるでしょう。
松:私の母も肝斑があるのですが、遺伝するものなのでしょうか?予防法も知りたいです。
髙:肝斑には遺伝性はないと言われています。予防としては、女性ホルモンのバランス以外の、紫外線、加齢、炎症という3つの原因へのアプローチが鍵に。当たり前ですが、まずはちゃんと日焼け止めを塗る。またビタミンCの内服は抗酸化作用があるので、老化対策になります。そして肌が炎症を起こしている場合は、摩擦の少ない肌あたりが優しい素材のマスクを選ぶこと…などですね。
鈴:濃いめの気になる肝斑ができてしまったときは、どんなクリニックに行けばいいんでしょう?
髙:肝斑治療の難しいところは、原因や治し方が複数あるのに、一般的なシミと混在していることが多い点。肝斑に対して通常のシミ用の光治療をすると、かえって悪化してしまうことも。シミと肝斑の見極めがちゃんとできる知見のある皮膚科専門医としっかりカウンセリングしてから、治療に取り組むことが必須です!

教えてくれたのは…

ウォブ クリニック中目黒 総院

ウォブ クリニック中目黒 総院長・髙瀬聡子先生
正しいスキンケア方法や美容皮膚医療を伝える著書多数。ドクターズコスメ「アンプルール」の開発にも携わる。

イラスト/MIKI YOSHIKO 撮影/中田陽子〈人物〉、草間智博(TENT)〈静物〉 取材/亀井友里子 再構成/Bravoworks.Inc