最近生理がくるのが早すぎる…これって普通なの?知っておきたい「40代の生理」
10代前半で生理が始まったなら、もう付き合いは30年程。自分の生理周期や体調の変化は、しっかり把握できている大ベテラン!
…だと思っていたのに、最近「生理くるのが早すぎない?」「突然量が多いときがあるけど大丈夫かな」など、これまでと違う状況に戸惑うことはありませんか?
実は、閉経に向けて生理も変化するのが40代なのだそう!具体的にどんな変化が起こるのか「40代の生理」について東京・日本橋にあるフィーカレディースクリニック 産婦人科医の窪 麻由美先生にお話を伺いました。
女性の一生のうち生理があるのは35~40年ほどなので、毎月5日間とすると、約6年9か月間は生理という計算。あらためてその期間の長さに驚きますが、だからこそよく知って上手く付き合うことが大切です。今回は①生理周期・量 ②生理痛 ③PMSそれぞれ40代になるとどのような変化があるのかお伝えします。
① 生理周期と量について
生理が始まった日から、次の生理がくる前日までを生理周期と言い、一般的に25日~38日が正常な周期と言われています。この期間にあてはまらない24日以下のものを「頻発月経」、39日以上のものを「稀発月経」と呼び、頻発月経の場合は排卵がない状態であったり、稀発月経の場合は病的な原因が隠れていることもあります。
月経の量(経血量)については、20~140mlであれば正常で、50~60mlが平均と言われています。それ以上少ない(20ml以下)を「過少月経」、多い場合(140ml以上)を「過多月経」といいます。
実際に経血量を調べるのは難しいですが、目安として普通の日の生理用ナプキンに少しだけ経血がついていたら1~2ml、半分くらいのつき方なら3ml前後、全体的についていたら5mlぐらいと考えられます。(※メーカーやナプキンの種類により異なるため、あくまでも目安です)
このように周期や量も毎月ほぼ一定の理由は、上記の表のようにエストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモンによって調整されているためなのです。
40代はどうなる?
② 生理痛について
生理痛とは、生理直前から生理中にかけて子宮が収縮するために起きる、下腹部や腰の痛みで、頭痛・胃痛・吐き気・めまい・腸蠕動痛・下痢などを伴うこともあります。いずれの症状も、子宮の中(内膜)から放出されるプロスタグランディンという物質が、様々な臓器の平滑筋という筋肉を収縮させることで起こります。
生理痛の原因は大きく分けて2種類あり、1つはストレスや月経に対する不安や緊張などの「精神的な要因」と子宮内膜で作られる「ホルモンの影響」、もう1つは子宮内膜症や子宮筋腫などの子宮や卵巣の「病気によるもの」です。
40代はどうなる?
また、40代になると周期や量の変化によって生理痛が軽くなる方も増えますが、逆に悪化するようであれば、病気の可能性もあるので、早めに病院で相談してください」(窪先生)
③ PMS (月経前症候群)について
PMS(月経前症候群)とは、生理の1~2週間前に現れる「だるい・眠い・イライラ」などの不調のことをいい、体だけではなく心にも影響を与えます。
生理が終わったあと、排卵するまでは心も体も絶好調な状態の方が多いのですが、排卵した卵の殻から黄体ホルモンが出ると、「だるい・眠い・イライラ」に加え、むくみや便秘、精神的な落ち込みを感じる方もいます。
40代はどうなる?
※厚生労働省「働く女性の健康に関する調査2004」
窪先生教えて!2つの質問
Q 40代になると起こる変化に対して、改善方法はありますか?
セルフケアをしていても更年期症状が辛い時は、エストロゲンの揺らぎを抑えるようにするホルモン補充療法(HRT)や漢方薬、大豆イソフラボンのようなサプリメント治療をすることもできます。その他、精神的な悩みなどはカウンセリングや認知行動療法なども有効です。
Q 更年期に入る40代以降、生理とはどう付き合っていけばいいでしょうか?
自分の体の変化ってなんとなく相談しづらいですし、不安に思いつつも忙しい日々でそのまま…
というSTORY世代の方も多いと思いますが、今は症状を緩和させられる治療法も増えているそうです。
年齢によって起こる変化を把握したうえで、辛いときは一人で悩まず相談して、元気に過ごしていきたいですね!
お聞きしたのは…
窪 麻由美先生
Fika Ladies‘ Clinic フィーカレディースクリニック(東京都中央区日本橋)副院長。順天堂大学医学部附属浦安病院非常勤助教。東京女子医科大学卒業後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、順天堂大学医学部附属静岡病院などを経て、2009年に順天堂大学大学院医学研究科を卒業、博士号を取得。医学博士、日本産科婦人科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツ医、女性のヘルスケアアドバイザー
取材/篠原亜由美