心療内科医が教える「朝の鬱スパイラル」の裁ち方

「ポジティブなこと」に触れて鬱スパイラルを絶ちましょう!

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◯ 教えてくれたのは…

医学博士・産業医・心療内科医 海原純子先生

ハーバード大学客員研究員を経て、日本医科大学特任教授、昭和女子大学特命教授を務める。被災地の調査論文で日本ストレス学会賞を受賞。『繊細すぎる人のための心の相談箱』など著書多数。

★ 小さなルーティンと心の習慣づけが大切

誰にでも心が疲れてうんざりしてしまう時や、どうにも立ち上がりが悪いと感じる時があります。そんな時には3つのことを意識してみて下さい。

まず1つ目は「朝の光を浴びること」。

最近の研究では光を感じるところは目だけではなく、皮膚にもリセプターがあると言われています。窓を開けるだけではなく、ベランダやお庭などに一歩出て、直接、肌に朝日を当てることで体が活性化されるのです。太陽の光に含まれるバイオレットライトが鬱気分の防止に役立ちます。

2つ目は「体を少し動かすこと」。

体を動かす習慣がある人とない人を比べると、習慣のある人の方が鬱になりにくく、回復力があります。なんとなく怠いというのは、実は体が疲れていて怠いということより、気分が落ち込んでいて怠いという場合が多いのです。じっとしていることで余計怠さを感じてしまう。ストレッチをしたりするくらいでも効果的です。運動をノートにつけることで、達成感を感じ自分への励みにもなるのでオススメです。

3つ目は「ポジティブサイコロジーで鬱スパイラルに入るのを防止すること」。

これは気分の中のポジティブ感情とネガティブ感情の比率を3:1にすることで鬱スパイラルを防ぐという法則です。ネガティブ感情が起きた時に、3倍の頻度でポジティブ感情を作り出すようにする。

ポジティブというのは特別なことではなく、日常の些細なことでいいのです。人に感謝されたり、新しい勉強を始めたり、何かに挑戦したり、オシャレやメークでもいいのです。

ポジティブ感情になる要素はたくさんあります。自分の中のワクワクする感情や好奇心を見つけるという心の習慣づけで鬱のスパイラルに入らなくなります。

40代というのは次の人生に入っていく重要な時期で、自分の中に眠っている要素を引き出し、アイデンティティになるものを見つけるチャンスでもある時期です。新しいことを学んだり経験したりすることが心のエネルギーとなり若くいられる。オシャレも今までと違うファッションに挑戦してみたり、アイラインの色を変えてみたり。ファッションやメークはクリエイティブなので楽しいですよね。

そんな日常の小さな挑戦で気分が活性化されたり自分の違う一面を見つけるきっかけにもなります。

リモートだからと手抜きをせず、ONとOFFを切り替えるためにも、朝、きちんと着替えてメークをして自分に対する観察力を持ち続けること、自分の中の新しい一面を開発するという作業を積み重ねることがポジティブになれるルーティンではないでしょうか。

撮影/曽根将樹(PEACE MONKEY) モデル/高垣麗子 ヘア・メーク/佐藤エイコ(ilumini) スタイリスト/竹村はま子 取材/石川 恵 ※情報は2021年6月号掲載時のものです。

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