ジェジュンさん「辛かったあの頃には戻れないし、戻りたくありません」|映画に賭ける想いとは

韓国アーティストの先駆者、ジェジュンJ-JUN。彼の人生を紐とくドキュメンタリー映画『ジェジュン:オン・ザ・ロード』が7月2日から全国で公開されます。そのMV公開後、韓国と日本を繋いでリモートインタビューが行われました。 メディア向け記者会見にて、彼が語ってくれた映画に賭ける想い。そして日本のファンたちに向けたメッセージとこれからについてリポートします。

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当日の会見は、ジェジュンさんの近況から始まり、映画の内容や音楽、日本のファンへのメッセージという流れで進みました。
白Tシャツに淡いベージュのジャケットというラフなスタイルで登場したジェジュンさん。相変わらずの輝くビジュアルと美肌で、画面越しにも透明感溢れる笑顔を送ってくれました。

Q.東京は今日も29℃になるなど暑くなりましたが、韓国はどうですか?

ジェジュン:わ〜、いい質問ですね(笑)。今日は何度なんだろう? 外はめちゃくちゃ暑いみたいなんですけど、実はまだ出てないんですよ。(スタッフに)今、何度ですか??気温は27度みたいです。ここは暑いんです。もしかしたら今日このジャケットが暑く見えますか? 脱いだほうがいいですか?(と、一度脱いで暑い胸板が分かるTシャツに。その後、ジャケットを羽織っていました)

Q.朝やお昼ごはんは何を召し上がりましたか?

ジェジュン:そうですね、実は今日は朝ごはんをまだ食べてないです。アイスコーヒーを飲んだだけです(笑)。今日の撮影が終わった後に食べようかなと思っています。もともと今日は、仕事が終わったら日本人の友人がやってる食堂で、家庭的な料理を食べようかな?と思っていたんです。そこのオーナーが今日ちょうどお誕生日で。70代の方なんですけど、何歳だっけかな?(笑) 韓国語を話せない方なので…僕が日本語で会話します。

Q.昨今、家で過ごす時間が増えていますが、ジェジュンさんが昔はしなかったけど、するようになった習慣はありますか?

ジェジュン:軽く運動をしています。1日2回散歩していますね。どのぐらいかな…(悩)。2万歩ぐらいは歩いてますかね〜。生活がおじさんぽくなってきましたよ(笑)。

Q.5月にファンクラブ限定でオンラインライブを開催されたそうですが、1日で4時間以上のライブだったとか。久しぶりのライブはいかがでしたか?

ジェジュン:もともと1月に行う予定のイベントだったんですけど、ファンのみなさんを4カ月以上待たせてしまって申し訳ない気持ちでいっぱいでした…。その分、久しぶりのイベントということで、すごくうれしい気持ちと、そしてまだこうやってリモートでしか会えないことに、少し複雑でもありました。そういう色々な気持ちを感じながら、嬉しいんだけど悲しい、という気持ちを同時に感じて、皆さんにどうやって気持ちを伝えればいいか考えましたね…。今もこうやってインタビューできることもありがたいですが、早く皆さんと目を合わせて、日本のスタイルで話したり撮影できるようになりたいですね。平凡だと思っていたことが大変になってしまって悲しいです。残念です!…とにかく会いたいですね。

Q.オンラインライブはセットも衣装も豪華でした。久しぶりに衣装に包まれた気持ちはどうでしたか?

ジェジュン:今、リモートでイベントを開催したり、撮影やラジオ出演もしています。が、1年半経ってそれにどんどん慣れてきて…そうすると、なんていうのかな。リモートだから僕の見た目に対して、衣装もヘアメイクも「適当でいいんじゃないかな?」っていう気持ちになってくるんですよ(笑)。でもライブではきちんと自己管理して、いいものを作って、いい笑顔で皆さんを迎えることが大事だと思って頑張りました!(きっぱり)

Q.今回の映画『ジェジュン:オン・ザ・ロード』の監督は、日本でも大ヒットした『私の頭の中の消しゴム』を手掛けたイ・ジェハン監督です。彼と作業した感想をお聞かせください。

ジェジュン:イ・ジェハン監督とは、今回の撮影のずっと前から友達として付き合ってきたんですけど…今までは本当に友達関係で、距離が近いと思っていたんです。でも映画の撮影でいろんな質問をされて、今までお互い100だとしたら20ぐらいしか知らなかったんだって気づきました。そこまで深く話したことがなかったことにもびっくりしました。18年間芸能活動をしてきて、マスコミ関係の方々も知らない、ファンの方々にも話したことがないことばかり監督に質問されました(苦笑)。答えるのが怖かった質問も、監督が自然な会話に引っ張るから、思わず答えてしまいました(笑)。そこが彼の魅力でもあるんだなと改めて思いましたね。

Q. イ・ジェハン監督の行動や言葉で印象に残ったことはありますか?

ジェジュン:映画をご覧になった方は、編集された一部の映像だけを観ると思いますが、NGになった映像以外の部分がたくさんあるんですよ〜!それがどうしてNGになったのか僕もよくわからないんですよね(笑)。公開される、家族のことや、僕が子供の頃にどう育ってきたかとか、そういう素直な話もありました。それだけを見ても、ファンの方もびっくりすると思うんですよ。どこまで公開されるのかな〜? 実はまだ最終版を観ていないんです。だから、どこまで伝えようとした話が公開されるのかな?と思っています。正直、一回は観れるけど…二回目は恥ずかしすぎて観れないと思っています!ここまで言っちゃったのか〜というシーンもあります(笑)。 監督とは今まで飲み会で会うことが多かったんですけど、人って飲むといろんな話をするじゃないですか。僕の会話を本当に真面目に、深く考えて質問してくれたことに感謝しています。

Q映画の中にはイ・ジェハン監督の他にも様々なご友人や恩師の方が出てきます。

ジェジュン:そうですね、(恩師の)先生とすごく久しぶりに共演できて、本当に久しぶりだったから、先生の顔を見た瞬間、いや〜本当にすごく胸が熱くなりました…。あの時もすごく感激しました。あとは、チャン・グンソクくんの最後のインタビューも知らなかったから、グンちゃんのインタビューを観た瞬間、びっくりしました!(笑)

食事をするシーンが2回出てくるんですが、軍人の時の仲間とか、最近仲良くしている芸能界の後輩とか、今まで映像を通して皆さんに見せた事がなかったので、友達を紹介できることは嬉しく思いましたね。カメラが目の前にあるので、カメラの前のみんなの姿が見られるのも楽しかったです(笑)。どこまで素直な姿を見せてくれるかが面白かったし、言ったらいけない話をして困る事もありましたが(笑)、すごく楽しかったです。

最近はお店より、家でのご飯会が多くなってきたので…撮影という感覚はあまりなかったんですが、後輩の2人がカメラを意識しすぎるので、どうすればいいんだろう〜と思ってました(笑)。最終的にみんなカメラに慣れて、楽しく撮影ができたのでよかったです。

Q.予告動画で公開されているシーンで、車をジェジュンさんが運転しながら橋を渡るシーンがありました。ジェジュンさんにとってゆかりのある場所なんでしょうか。

ジェジュン:そうですね、そこは実際見ると古くて小さな橋なんです。造られてもう100年以上経っている橋で、子供の頃からの思い出の場所でもあります。狭い街なのでやることがなくて、橋の下にある川で遊んだりした場所です。その時は橋や川が大きく感じて、大人になって行ってみたら「こんなに小さかったっけ?」という印象でした。自分の車で運転して、橋の上を通るってすごいなと思いましたね。小学生の頃、自転車で橋を通った時に、50歳ぐらいのおじさんに「お前ら若くていいな〜、本当に。うらやましいな」って言われた事があるんですよ。撮影で、ちょうど小学生ぐらいの子供たちが歩いていて、全く同じ気持ちを感じました(笑)。あ〜、おじさんの気持ちがわかった!僕もこれ以上大人になりたくないな!って思いました(笑)。

Q大きなカメラを持つ監督を笑顔で呼ぶシーンが公開されていますが、このシーンの時はどんな気持ちでしたか?

ジェジュン:その場所は、裸の自分で、周りの環境や物事をまったく気にせず、自由を感じられる場所なんです。だから、その場所で自由な感じを出したいと監督にお願いしました。自分だけが知っている秘密の場所を自慢したい気持ちでした。その映像を見ましたが、すごくきれいな映像で…行ってよかったなと思います。その場所、近くに恐竜博物館があるんですけど、そこまで行ったらトイレがそこしかないんです(笑)。だから、その場所に行く時に恐竜博物館にも行くっていうのはセットになってます。工場地帯なんですが、そこだけが自然のままで…そこに行くと癒されるいい場所です。

Q.映画の主題歌『We’re』ジャパニーズバージョンが聴けて、映画の本編では韓国語バージョンが聴けます。曲の紹介をお願いします。

ジェジュン:この映画のサウンドトラックのアルバムを出す話になってから作った曲なんです。「普段、曲はどうやって作っているの?」という監督からの質問で、その時にキーボードで弾いていたコードを使って作った曲なんです。キーボードを触ってたシーンは映画の一部になっていると思うんですが、撮影をする時の色々な感情を思い出しながら歌詞を書きました。寂しい時も悲しい時もたくさんあるけど、周りの友達、応援してくれるみなさん、家族、大切な人がいるからこそ、僕はするんだ、やるしかないんだという感情を込めた歌です。

Q映画の中でもう一つ重要な曲、『Rain,Tomorrow』という曲があります。こちらは、イ・ジェハン監督の『私の頭の中の消しゴム』の中の曲で、韓国のロックバンド『復活(プファル/부활/BOOHWAL)』のリーダー、キム・テウォンさんが歌ってらっしゃった曲として有名ですよね。今回カバー曲になりますが、どんなことに気をつけて歌いましたか。

ジェジュン:僕の人生の中で、大きな事件が起きてしまったと思いました。初めてお会いしたんですが…『復活(ブファル/부활/BOOHWAL)』は日本のバンドで例えると『X JAPAN』のような国民的な人気バンドで、一緒に音楽の作業をさせてもらえただけでも光栄だという存在なんです。なので、曲をいただいてすごくびっくりしました。レコーディングの時も、直接スタジオまで来てくださって光栄でしたし、HYDEさんに曲をいただいた時と同じような感情でした。すごく大きな存在の方からいただいた曲だから、その分ちゃんと歌わないと!と、レコーディング前は緊張しました。

Q.歌った感想はいかがでしたか?

ジェジュン:いかがでしたか?、皆さん(笑)。僕は自分のことはなんとも言えないんですよ。韓国語になっているじゃないですか。曲だけを聞いて皆さんどう思ってくれたんでしょうか。(インタビュアーから感情の高まりを感じる素敵な曲でした、と言われ)ありがとうございます(照)。

Q過去の辛かった時のことも映画の中で語っていますが、今思うとどうですか。

ジェジュン:歳を重ねると、過去のことを振り返ったときに「すごく大変だったな、辛かったな」ということが思い出されます。大変なことは今でもありますし、これからも乗り越えないといけない壁があります。ですが「今が一番幸せなんじゃないかな」と思える結果になるよう繰り返し願っています。過去に戻れるんだったらどうするか、と言われたとしても「その時には戻りたくない」と、僕は強く思います。
大変だった、辛かった過去を乗り越えてここまで来たので、今よりさらに幸せな自分の未来を切り開くために、もっとポジティブにもっといろんなことを努力して乗り越えていきたいです。

Q今日、モニター越しに拝見して、ジェジュンさんが若返ったというか、痩せたと思いましたが

ジェジュン:え!?僕がですか??太ったんですよ!(笑)3キロ太りました!どんどん体質が変わってくるんですね。前は2日ダイエットするとシュッと痩せたんですけど…今は全然痩せませんよ(泣)

Q,映画の上映を日本の皆さんが待っていると思いますのでメッセージをお願いします。

ジェジュン:皆さんに会いたいです!本当に!!いつも映像を通してお会いする時、「まだ僕のことを知らない方々に知ってもらうと嬉しい」というメッセージを伝えていました。この映画が縁で、たくさんの方に挨拶ができたり、今日こうやってインタビューで集まって下さった方にも感謝しています。今回、ドキュメンタリー映画なので、僕を知らない人が見てどう感じていただけるのか、よくわからないのですが…正直に言うと、皆さんの前で裸になった気分なんです。でも、本人も恥ずかしがる内容だけど、キレイな映像を作ってくれた監督のおかげですごくいい映画が完成したと思います。皆さん、観てくださると嬉しいです。

劇中では、彼がステージで見せるアーティストの姿ではなく、1人の青年としての思い出や夢、悩み、家族などについて、飾らずに語る姿が印象的でした。正直「ここまで話してもいいんだ」と驚くような内容も。 でもそこには人生がそう簡単ではないこと、どんなに成功して見える人でも、その陰には苦悩があって想像もつかないような努力があったことを教えてくれます。 孤独を好み、孤独と耐える姿を見せてくれたジェジュンさんからは、ただただ「人間らしさ」がにじみ出て…今、まさに道に迷っている人の背中をそっと押してくれるような、ステキな映画です。

『ジェジュン:オン・ザ・ロード』 (原題:「ON THE ROAD an artist's journey」)

■出演:ジェジュン、チャン・グンソク(友情出演)他
■監督:イ・ジェハン(『私の頭の中の消しゴム』『サヨナライツカ』)
■音楽:パク・ソンイル(『梨泰院クラス』)
■上映時間:113分(予定)
■レイティング:G
■配給:ローソンエンタテインメント
■コピーライト:©STORY WORKS
■本編スペック:2021/韓国/カラー/シネスコ/2ch/113分
■公式HP:http://lwp.jp/jor/
■映画公式Twitter:@jj_otr_JP
■予告編映像

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取材/川上桃子 編集/千田真弓

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