子どもの自立につながる「お手伝い育」のコツ・前編

お手伝いは「子どもの自立のための種まきだと思って、手間や忍耐を惜しみません」と語るMartistの三木芽久美さん。今回は子どもが自ら進んでお手伝いするようになるために、親として知っておきたい心構えやコツについて教えていただきました。

【1】やりたくなる環境を用意しよう

家事は、 子どもにとって遊びの延長。大人の行動を見て、「僕もやりたい、 私もやりたい!」 というタイミングが必ずあるはず。それを逃さないで、 やりたいことを叶えてあげられるような環境づくりがとても大切だと思います。 「面倒くさいな」 と思うこともありますが、このタイミングを逃すといつまでたってもできるようにはならないし、 やりたい気持ちが続くとは限りません。

ただし、本人の意欲があっても 「この作業をさせるのはあまりに早すぎるな」 と感じたときには理由を説明しています。単なる「ダメ!」ではなく、きちんと説明すれば子供も納得してくれますよ。

【2】繰り返しやりたくなる “魔法の声がけ” を忘れずに

繰り返し手伝ってもらうコツは、「ありがとう」などの感謝の言葉とホメること。その場でホメるだけではなく、上手にできたことをパパの前でもう一度ホメたり、後々までホメたり、繰り返しホメ続けることがポイントです。「○○くん (○○ちゃん) は××のプロだもんね。今度またお願いしてもいいかな?」 なんて言われたら、 返事は100%OKですよ!

【3】“完璧ママ” から脱却しよう

私自身は元々、人にものを頼むのが苦手なタイプ。家事も仕事も限界になるまで抱え込んで、体調を崩すこともありました。そんな失敗を経て、最近は、完璧ママ志向をやめました。自分自身の気持ちもラクになれたし、完璧なママに「やりなさい!」と上から言われるよりも、ちょっとダメなママに、「助けて」と言われたほうが家族にも届きやすくなるみたい。「疲れちゃったから助けて~」「苦手だからお願い」などと頼られると、子どもたちもちょっぴりうれしそうなんです。

 

三木芽久美さんプロフィール

Mart公式アンバサダー=Martistでは、「ハンドメイドの女王」としてDIYなどのジャンルで活躍。小6と小3の男の子のママ。小学校の家庭科の先生としての顔も持ち、慌ただしい毎日。趣味はヒップホップダンス。

イラスト/うてのての(asterisk-agency) 撮影/林 ひろし〈三木さん〉 取材・文/田島えり子 編集/小橋健太郎 構成/Mart編集部

2021年8月号
夏休み直前! 家庭教師ならではの視点で 三木芽久美さんの「お手伝い育」20tipsより