吉瀬美智子さん告白「凝り固まった私の考えを自由にした、離婚という決断」
親近感ある人柄と大人のオシャレ感で読者投票でも人気の高い吉瀬美智子さん。そんな吉瀬さんが、4月、SNSで離婚を発表。「STORY」世代の女性に向け、今の気持ち、45歳でのリスタートを真っ直ぐに語ってくださいました。
◯ 吉瀬美智子さん
1975年福岡県生まれ。46歳。モデルを経て32歳で女優に転身。数々の話題作に出演。プライベートでは2010年に結婚後、今年4月に離婚を発表。7歳と4歳の2人の女の子ママ。「STORY」で披露するオシャレが読者に支持され登場のたびに反響を呼ぶ。
◆ 凝り固まった私の考えを自由にしたのは、離婚という決断でした
つい最近まで、私のクローゼットといったら、白、黒、グレー、ベージュといったベーシックなカラー一辺倒。九州女子ですし、古い人間なのかもしれないのですが、肌の露出をするような服や派手な服は、どこかパートナーを持つ大人の女性として着るべきじゃない、そう思い込んでいたんです。ファッションと同様に結婚に対する考え方もどこかコンサバで、相手に合わせる部分があったんですね。
ところが、数年前からパートナーと気持ちがすれ違い始め、いつの間にか〝子供の親〞としてのみ、一緒にいるようになっていました。私は動物占いではゾウなのですが、まさに普段はスローで温厚だけど、決める時はスパンと決める。思えば、モデルから女優へと転身した時も、そんな勢いでキッパリと切り替えたものです。それで、「もうダメだ」と思った1カ月後には家を探し、家具を買っていました。
そして、それと同時に、赤やグリーン、ワンピース……、地味だった私のクローゼットが、少しずつ華やかになっていきました。
◆ 今がタイミングだと教えてくれたのは、子供達でした
上が7歳で下が4歳。娘たちは、二人でお留守番ができる年齢になりました。何かを決断する時、人にはタイミングというものがあるけれど、子供たちがおぼろげながらも〝離婚〞ということを理解できる年齢になり、私にとっては、今がまさにそのタイミングだったのでしょう。
私自身、両親が別居し、父について暮らした経験から、その辛さや寂しさを知っているので、子供たちには同じ思いをさせたくない、そう思ってきました。だから、子供たちの前では夫婦ゲンカもしないようにして、「家族第一」で過ごしてきたのです。
でも、子供って敏感ですね。ある時、長女に「ママはお別れしたほうがいいんじゃない?」と言われて。ポンと娘が背中を押してくれた。離婚をすることを伝えた時も、「それでいいんじゃない」と言ってくれました。
次女とは、仕事に行く服を一緒に選んだりします。今日も「赤いワンピースがいい」なんて、提案してくれて。女の子だから、母親がキレイでいることが嬉しいようで、ネイルケアをする私の横で、「私が塗ってあげる」と、ネイルオイルを塗ってくれたりします。そして、「私、ネイリストさんになりたい!」と将来の夢を教えてくれました。
離婚って落ち込んでいる暇なんてないほど忙しい。今は母や姉、友人たちがサポートしてくれ、とても感謝していますが、シングルの大変さも痛感しました。でも、そんな時も、やはり子供たちの笑顔がいちばんの癒しであり、励みになっています。
◆ 〝ゼロベース〞に戻った今、新しい自分が動き出した│
40代になると、「自分はこう」と考え方が凝り固まってしまうけれど、今〝ゼロベースの吉瀬〞に戻り、どこか自由になれた気がしています。そう、離婚は新しい自分を始めるチャンス。インテリアも以前のクールなものからアンティーク調へと変えてみたり、ファッションもこれまで目に入らなかったフェミニンな服やキレイ色にどんどん挑戦してみたくなったり。今は、そんなふうに新しい自分に貪欲。
でも、離婚は手続きも大変だし、カッコイイとも思わない。自分もこんな形になるとは思いもよらなかったし、できるならしないほうがいいのも事実です。だけど、もし〝離婚〞という人生の岐路に迷う人がいたら、私の言葉が少しでも助けになったら、嬉しい。
私自身は、今、ゼロ地点に立ち、新しい夢も見えてきました。昔から美容に興味があって、そんな仕事も広げていけたらと思っています。夢を自由に実現するために、勉強も始めました。大変だけど、楽しい。これからが本当の意味での〝新しい私〞への挑戦、スタートです。
撮影/渡辺謙太郎 モデル/吉瀬美智子 ヘア・メーク/山下景子(KOHL) スタイリスト/道端亜未 取材/小仲志帆 ※情報は2021年8月号掲載時のものです。