子どもを産みたいかもしれない人が「卵子凍結」で行うこととは…?

「いつか子供が欲しいかも」と漠然と思っているけれど、「いつか」はまだわからない。そんな私にとって「卵子凍結保存」はひとつの選択肢なのかも?卵子の凍結保存の現状やメリット、経験者の話など、多角的に調べてみました。

凍結までの道のりが知りたい

「独身の私が卵子凍結をするとしたら?」

では実際に採卵して凍結が完了するまでには何を、どのくらいの期間で行うの?健康な女性が卵子を凍結する場合の流れをまとめました。

    では実際に採卵して凍結が完了す

    \前段階として卵子凍結の知識を!/
    【診察の前に支援団体やクリニック主催のセミナーへ】

    卵子凍結の専門バンクやクリニックが行うセミナーやカウンセリングに出席し、疑問点や不安を相談して自分の気持ちに向き合っておきたい。「プリンセスバンク」では希望者は自分に合ったクリニックを紹介してもらうことも可能です。

    では実際に採卵して凍結が完了す

    【クリニックで診察&検査】
    通常の婦人科検診のように子宮と卵巣の状態を内診(超音波検査)。さらに採血をして卵巣がきちんと働いているか、きちんと排卵があるか、血栓症のリスクはないか等を調べる。卵胞刺激が可能な場合は、採卵手術の日程を決定。病院側のスケジュールにより数ヶ月先になることもありますが、仕事に追われず、時間的&精神的に余裕があるタイミングを選びましょう。

    では実際に採卵して凍結が完了す

    【通院&ホルモン剤投与を重ねる】
    採卵手術の2週間ほど前から飲み薬やホルモン剤、卵胞を発育させる注射(自分で行うことも!)を投与して、一挙に複数の卵胞を育てる。超音波検査で卵胞の数や成長具合を確認しながら必要に応じてホルモン剤の量を調整。この段階から、お腹や胸が張ったり、軽い頭痛や吐き気など妊娠初期のような症状を感じる人が多い。

    では実際に採卵して凍結が完了す

    【HCG 注射を自己注射】
    服用や注射でホルモン剤の投与を重ねる。タイミングや容量はクリニックから指定された通りに。最後の注射は、採卵手術の40時間前に自分で打つ採卵のトリガーとなるHCG注射というもの。決められた時間に打つ必要があるため、今までホルモン注射をクリニックで行っていた人も、インスリン注射のように自己注射する。

    では実際に採卵して凍結が完了す

    【採卵手術】
    卵胞が順調に育ったらいよいよ手術。採卵手術は30分ほどで終わり、通常は日帰りの手術。術後に十分な安静時間を置き、止血の確認や自力での歩行が可能と安全が確認判断されてから帰宅。手術は「経腟採卵手術」というもの。極細の針を膣壁から差し込み、卵巣にアプローチ。採卵針で個々の卵胞から卵子を吸い取り、管を通して試験管の培養液の中に回収。培養士が顕微鏡でそれぞれの卵子を見てステージや状態、個数などを確認する。

    では実際に採卵して凍結が完了す

    \初診からここまでは健康&生理不順がない場合、約1~2カ月/
    【卵子凍結完了】

    手術が終わったら、採れた卵子をガラス化保存法により-196℃の液体窒素で凍結。将来融かして使用するまで、厳重な管理下で預かってもらう。

教えてくれたのは…

「プリンセスバンク」代表・香川

「プリンセスバンク」代表・香川則子さん
公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター基礎研究部文理融合型先端医科学研究所研究員、元順天堂大学産婦人科協力研究員。女性の人生づくりを複合的にサポートするプリンセスバンク株式会社を設立。著書に『私、いつまで産めますか?~卵子のプロと考えるウミドキと凍結保存~』(WAVE出版)が。

イラスト/今井久恵 取材/高橋沙織 再構成/Bravoworks.Inc