【RESTAURANT】ひと皿の向こう側/SÉZANNE(セザン) 後篇

ロンドン、NY、パリ、香港、そして東京!

スターシェフが創る心踊る“ひと皿”が続くコース

20217月、フォーシーズンズホテル丸の内 東京に、多くの人々が待ち望んだフレンチダイニング『SÉZANNE(セザン)』がオープンしました。

エグゼクティブシェフのダニエル・カルバート氏と、彼が率いる精鋭チームがエキサイティングな食体験をもたらしてくれます。

MAR_1111 総料理長ダニエル・カルバート

こちらで供されるのは、軽やかで繊細、そして緻密な新しいフランス料理です。ダニエル・カルバートシェフがキャリアの中で磨き上げてきた、クラシックなフランス料理のテクニックと理論があるからこそ創り上げることができる料理。日本各地の旬の食材も多く使われています。

 1987年にイングランド南東部のサリー州で生まれたダニエル・カルバート氏は、16歳のときに料理の世界に入ります。ロンドンでキャリアをスタートし、パリ、ニューヨーク、香港と世界有数の美食都市の名店で研鑽を積んできました。その中には、ニューヨークのミシュラン三つ星レストラン『Per Se(パ・セ)』、パリのミシュラン三つ星レストラン『Epicure at Le Bristol』(ホテル ルブリストルのメインダイニング)での、副料理長としての経歴も含まれます。そして、2016年からヘッドシェフを務めた香港の『Belon(ベロン)』は、2018年にミシュラン一つ星を獲得。2020年「アジアのベストレストラン50」で第4位に選ばれた後、いよいよ拠点を東京に!

MAR_1198 SÉZANNE 

MAR_1199 SÉZANNE

全体の色使いやそのバランス、家具のデザインや質感など、落ち着いた中にも華やぎを感じさせるエレガントなインテリアは、香港を代表する気鋭の建築デザイナー、アンドレ・フー氏によるもの。心地よく五感を解放させてくれるインテリアによって、ダニエルシェフの料理を味わい、楽しむのに最適な環境が作り出されていると思います。正面奥に垣間見える調理風景も私たちを楽しませてくれます。

 「皿の上に乗っているものには、すべてに意味がある」というダニエルシェフの信念が体現されたお料理を幾つかご紹介しましょう。

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こちらは前編で紹介した「ラディブール」。散りばめられたラディッシュの赤が美しく可愛らしい、一見シンプルな一品ですが、これでまず、心を掴まれること間違いなし。

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シェフのスペシャリテの一つ「鯖 エスカベッシュ 蛤」は、甘酢で〆た鯖を低温で薫じ、その間にタイバジルを挟んだもの。鯖の新しい美味しさを教えてくれるひと品です。やや甘めに仕上げた蛤のエスカベッシュは鯖と好相性。

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「有明山農場美膳軍鶏のポシェ ヴァン・ジョーヌ 杏茸」は、長野県・有明山農場の軍鶏を丸ごと煮た後に、さまざまな野菜とジロール茸、ヴァン・ジョーヌ(仏・ジュラ地方産の黄ワイン)に一週間ほど漬けたもの。鶏ガラを使ったソースとともに食します。身はしっとりとして、程よい歯応えがあり、噛みしめるごとに繊細にして複雑な旨味が広がります。

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「宮崎県産マンゴー ショートブレッド クレームシャンティ」は、宮崎県産の甘〜いマンゴーに、スコットランド伝統菓子のショートブレッド入りのクレームシャンティをたっぷりとのせていただきます。フレッシュなマンゴーの下にはマンゴーのソルベが!

 そして、北海道産の甘いトウモロコシを乾燥させてポレンタにし、シェフが数年前から作っている天然酵母と合わせて自然発酵させたパン「北海道産とうもろこしのサワードゥ」はおかわり必至です。ブルターニュ産の有塩発酵バターが添えられています。

 最後に、ダニエル・カルバートシェフの素晴らしいコメントをご紹介します。緻密に計算され、高い技術で作り出されるひと皿、ひと皿なのに、その印象はとてもピュアで清々しく、思わず笑顔になる…その理由がわかる気がします。

 「成功のカギは、一貫性です。誰もが一度は、素晴らしい料理をつくることができると思います。ただ、成功とは、その素晴らしい料理を何度となく再現しながらも、そのひと皿ひと皿をさらに優れたものにするための努力を続けることで達成できるものだと考えます」

シェフの澄んだ淡いブルーの瞳に映る東京の風景、日本の食材、レストランでのゲストとの会話など、東京という新しい拠点でこれからどんなひと皿が創り出されていくのか、とても楽しみです。

MAR_1195 SÉZANNE

【DATA】

SÉZANNE(セザン)

東京都千代田区丸の内1-11-1フォーシーズンズホテル丸の内 東京7F

03-5222-5810

営業時間:12:0014:00L.O.13:45

     18:0020:00L.O.18:30

休:月・火

ランチ¥12,018(税サ込)30,993(税サ込)、ディナー¥30,993(税サ込)

※202171OPEN

※東京都からの要請に応じ、終日酒類の提供は行われていません。

 ※新型コロナ感染拡大防止対策の影響により、

営業時間や定休日は変更になる場合があります。

 

取材・文/齊藤素子 構成/中村 亮