申真衣さん「小学生のお小遣いは月1より週1がいい理由」【お金連載 第2回】
撮影/倉本ゴリ<Pygmy company>
子育てを通して、今まで以上にお金の大事さを実感するようになったけど、お金の使い方や貯め方なんて学校では教えてくれなかったしみんなはどうしているの……? そんなママたちの悩みにこたえるべく、元外資系金融会社勤務、現在は企業の取締役をされているVERYモデル・申真衣(しんまい)さんに、毎月読者から寄せられたお金に関する質問に答えてもらうコラム連載。第2回は子どもへのお金の教育がテーマです。(第1回はこちら)
【第2回】今月の質問
子どもに、お金の仕組みや使い方をどう教えていますか?
「お金を計画的に使う」原点は高校生時代。お弁当を自作して昼食代はおこづかいに
おこづかいはいつからあげたらいいのか、何歳からお金の仕組みをちゃんと教えてあげるのがいいのか……。子どもへのお金の教育は悩みますよね。私自身は、小学生の頃からおこづかいをもらっていました。さらに親からは「途中で金額が合わなくなることもあるかもしれないけれど、おこづかい帳もきちんとつけなさい」と教えられ、つけるようにしていました。
おこづかいに加えて、高校生になると「お弁当を準備できなかった日の昼食代」として、1日につき500円もらえることになりました。あるとき、ふと母に「私が自分でお弁当を作ったら、その500円はどうなるの?」と聞いてみたんです。母の答えは「そのままあげる」でした。
その日から、500円のために自分でお弁当を作ることにしました。お弁当が必要な妹の分も作ってあげれば、親からもらえるお金は1日1000円。毎日続ければ1カ月2万円です。何カ月分か貯めては、そのお金でほしかったブランドの靴などを買っていました。思えばあれが、「お金を計画的に使う」原点だったかもしれません。
ただ、小学生以下の子どもにとって、お金を計画的に貯めて使うことはなかなか難しい。子どもって、お金の使い方を間違うんですよ。私は小学生の頃からバス通学だったので、定期を忘れたとき用のお金を持たされていました。でもそのお金で帰り道にアイスを買ってしまって……当然、すぐに親にバレるのですが(笑)。
小学生にとっての1カ月って、見通しを立てるには長すぎる期間なんですよね。だから、もしおこづかいをあげるなら1カ月まとめてではなく週に1回など、短い期間を設定してあげるといいと思います。
小学生のおこづかい、
おすすめは「週1回 100円」
「お年玉を貯めて何かを買う」という経験をした人も多いと思います。でも、全ての子がそんなに計画的に行動できるとは限りません。元日にもらったお年玉を、1月中に使い切ってしまう子もいるかも。そうすると残りの11カ月は何も買えません。でも1週間に100〜500円ずつなら、子どもも「今使うか、我慢して来週まで貯めて使うか」と考えるのではないでしょうか。足りなくなったら次の週まで我慢させるというやり方でも、あまり大きなダメージにはならない気がします。うちの娘も小学生になったらおこづかいをあげるつもりですが、1週間に100円くらいかなと考えています。週に1本、「すみっコぐらし」の鉛筆が買える値段というイメージです。短い期間でも、自分のお金を管理するという経験を積むことで、金銭感覚はどんどん養われると思います。
今は、コンビニでもスーパーマーケットでも、どこでもキャッシュレス支払いができますよね。小銭や紙幣に触れる機会が減ったことで「お金の価値がわからない子に育つのでは?」と心配する人もいるかもしれません。でも、おこづかいを電子マネーであげるのだってアリだと思うんですよ。SuicaやPASMOなどの交通系ICカードにチャージして渡してあげて、自分で残高をチェックすれば、それは立派にお金の管理ができていると思います。
大事なのは「いくら持っていて、いくら使ったのか」を自分で把握すること。そのために、親も管理しやすいようにサポートしてあげることが重要ではないでしょうか。
子どもの「お金がほしい」を
ネガティブに受け止めないで
小学校に上がる前の子どもでも、世の中にお金というものがあることを理解しています。うちの5歳の子も、おばあちゃんから買い物のおつりをもらって少しずつ貯めています。でも10円、100円はわかっても、1000円を超える金額はなかなか理解ができません。一緒に買い物に行って「1000円あれば、このみかんが何個買えるよ」と、具体的でわかりやすい説明をしてあげると、子どもにもイメージがしやすいでしょう。
子どもだってお金に興味があるし、お金をほしがるのは当たり前。物欲だってあるから、あれもほしい、これもほしいと言い出すかも。「お金がほしい」と言われると身構えてしまうママもいると思いますが、それをネガティブに受け止めないであげてもらいたいです。
以前、横山光昭さんというファイナンシャルプランナーの方とVERYで対談をした際、横山家では大きな買い物をする際に「お金の会議」を開くと教えてもらいました。この家の生活にいくらかかっているのか、家電製品ひとつ買うのにいくら必要かなど、家のお金の動きを子どもが知ることは、今後の金銭感覚を養うのにとてもいい効果があると感じました。我が家も子どもが10歳くらいになったら、同じように会議を開きたいですね。
取材・文/樋口可奈子
▼あわせて読みたい
パックン家のマネー教育がすごい!“1食100円生活”から金融インフルエンサーになるまで