脳科学者に聞いた「金メダリストなのに、バッシングを受ける」理不尽な理由

私たちの日常をザワザワさせる〝うらやましい〟気持ち。リアルな世界だけにとどまらず、ネットの世界でも私たちの心を乱す〝うらやましい〟気持ちについて、その正体や付き合い方を話題の脳科学者、中野信子さんに教えていただきました。

世の中で起きているあの炎上やバッシングも〝うらやましい〟が原因!?

禍の渦中である今は制限が多く、我慢していることも多いからこそ「自分は我慢しているのにあの人はいい思いをしている」という〝うらやましい〟感情が増幅されているのも事実。世の中の炎上案件について中野さんの意見を伺いました。

オリンピックのメダルをとったのに責められる!?

金メダルはホールインワンと同じ「一人勝ちを許さない」

オリンピック選手へのバッシング

オリンピック選手へのバッシングは一見理解しがたいもの。ですが、自分に競技経験がなければ才能や努力のすさまじさも想像がつきにくく、バッシングする人にとってはメダリストも「一人だけ得しているように見えてズルい」と判断されることがあります。どんなに正当な勝利であっても、一人だけ勝つことを許容しにくい社会が存在するものです。ゴルフでホールインワンを取るとおすそ分けで赤字になるのでホールインワン保険があることがわかりやすい例。

お話をお聞きしたのは…

中野信子さん 脳科学者、医学博

中野信子さん
脳科学者、医学博士、認知科学者。脳や心理学をテーマに人間社会に生じる事象を科学の視点からわかりやすく解説した著書やコメントが多くの支持を集める。嫉妬する感情について取り上げているヤマザキマリ氏との共著『生贄探し 暴走する脳』(講談社+α新書)をはじめ、著書多数。

イラスト/島 タイガー 取材/加藤みれい 再構成/Bravoworks.Inc