女性誌スタッフの「一生モノの思い出ジュエリー」4選

打合せをしているとき、ふと目に留まる手元や顔まわりのジュエリー。「素敵ですね、どちらのですか?」の会話から、それぞれ唯一無二の物語があることに気が付きました。素敵な先輩の素敵なジュエリーヒストリーを参考に、〝私だけのジュエリー〟を手に入れるきっかけになれば嬉しいです。

1.【ジュエリーヒストリー】スタイリスト 荒木里実さん

    打合せをしているとき、ふと目に

    スタイリスト 荒木里実さんの思い出ジュエリーは…
    30代の頃から思い続け、手に入れたTASAKIのパール

    打合せをしているとき、ふと目に

    1974年生まれ。スタイリスト歴24年。現在はCLASSY.、VERYなどの女性誌で活躍。CLASSY.では特集やカバーのスタイリングなども手掛ける。高校生と小学生の兄弟のママ。

30代の頃から、冠婚葬祭にも着けていけるような上質なパールのジュエリーが欲しいと思っていたのですが、いざジュエリーを買いに行くと〝今〟のムードをキャッチしたデザインに惹かれてしまい、つい後回しになっていました。そんな中コロナ禍を迎えて、この先何年も使い続けられるようないいものに投資をしたい気持ちが高まり、昨年TASAKIでシンプルなパールのネックレスとピアスを購入。年を重ねても着けられるよう、大人にふさわしい粒の大きさにもこだわりました。
冠婚葬祭用に、と思っていましたが、チェーンネックレスと重ねたり、フォトTに合わせたりと、デイリージュエリーとしても活躍中。カジュアルコーデをきちっと格上げしたり黒コーデに華やかさを足してくれる存在で、改めて、主役にも名脇役にもなるパールの魅力を再認識しました。
昔からジュエリーは服以上に、自分目線で本当に好きなものを選んできました。だからか20代で買ったものを久しぶりに着けてみても、まったく違和感がないんです。根本にある好きなものって年齢を重ねても変わらないから、流行や周りに左右されず、〝好き〟を基準に選ぶことが、長く使えるジュエリーとの出会いに繋がると思っています。

2.【ジュエリーヒストリー】エディター・ライター 西道倫子さん

    30代の頃から、冠婚葬祭にも着

    エディター・ライター 西道倫子さんの思い出ジュエリーは…
    ゴールドのスキンジュエリー。ジュエリーを意識させないくらい私と馴染ませたいから、ずっと着けています

    30代の頃から、冠婚葬祭にも着

    1972年生まれ・ライター歴25年。CLASSY.やSTORYの女性誌から、カタログ、オンラインメディアまで幅広く活躍。美意識が高く、フォトグラファーなどスタッフの信頼も厚い。

20代から様々なジュエリーに触れてきたなかで、一番自分らしいと思うのはゴールドのスキンジュエリー。大人になるとガツンと効くものが様になる説もわかるのですが、私は身に着けていることを忘れるくらい馴染むものが好き。この2つのブレスレットは日常の所作を邪魔することなく、さりげなく主張するバランスがちょうどよくて、一度着けたらしばらく着けっぱなしのスタメンです。
カルティエを買ったのは、ライターとして仕事の幅が広がり始めた20代終盤。忙しく過ごす毎日のパートナーになるようなジュエリーが欲しくて購入しました。ティファニーTのブレスレットは、2人目の出産を経て、気持ちに余裕が出てきた40歳前後に買ったもの。最低限のジュエリーしか着けない日々が続いていましたが、再び自分のためのおしゃれに向き合うきっかけにもなり、以来ずっと着けたまま。経年変化も楽しみながら愛用中です。
仕事柄、職種問わず多くの人と会いますが、ジュエリーには人柄が表れると思っています。ものを選ぶ際のスタンスや大事にしていることがわかりやすく伝わるものだから「一生もの」と構えすぎず、そのときの自分が惹かれるものを選び、愛着を持って大切にしていきたいです。

3.【ジュエリーヒストリー】スタイリスト・児嶋里美さん

    20代から様々なジュエリーに触

    スタイリスト・児嶋里美さんの思い出ジュエリーは…
    母とのストーリーも一緒に、 一生大切にしたいラッキー アルハンブラ

    20代から様々なジュエリーに触

    1980年生まれ。スタイリスト歴12年。現在はCLASSY.をメインにVERY、STORYまで、多媒体のファッション企画を手掛ける。華やかなジュエリー使いはスタッフの間でもいつも話題。

30代後半から、40歳になった自分に贈るものを探し続けていました。ラッキー アルハンブラは存在は知っていたものの候補には入っていなかったのですが、昨年、ショーウィンドウに飾られているのを発見して、初めて試着。着けた瞬間の高揚感が忘れられず、また、これから迎える40代がポジティブになりそうなネーミングにも惹かれて、誕生日を機に自分で買うことを決心しました。
いざ、購入しようと母と一緒に伊勢丹を訪れたときのこと。突然母が「お母さんがそれを買う」と言い出したんです。自分で買うつもりだったので断ったのですが、「10年後、里美が50歳になったとき、お母さんは何もしてあげられない気がするから、20年分だと思って。50歳のときは自分でコレクションを増やしてね」と思いもよらないことを言われて…。その気持ちが嬉しくて、プレゼントしてもらいました。
そんな母の想いや手に入れるまでのストーリーが一緒になって、私の中でさらに特別なものになったこのジュエリー。ふと手元を触ったときや袖をまくった瞬間に「ある」と確認できるだけで気持ちがアガる、お守りのような存在です。誰かに見せるためではなく、身に着けることに対しての自分の気持ちを大切にしながら、一生愛用し続けたいです。

4.【ジュエリーヒストリー】ライター 北山えいみさん

    30代後半から、40歳になった

    ライター 北山えいみさんさんの思い出ジュエリーは…
    自分のために自分で買う、と心に決めたポメラートのリング

    30代後半から、40歳になった

    1980年生まれ。ライター歴9年。結婚を機に神戸から上京し、CLASSY.のライター募集に応募して、ライターとして独立。現在はCLASSY.、VERYでファッションや読み物企画を担当。

20代の頃から憧れていたけれど、なかなか買うタイミングがなかったポメラートのリング。「40歳の誕生日に自分で買う」と決めたのは、2年前に目にしたポメラートの女性CEO=サビーナ・ベッリのインタビュー記事がきっかけでした。その記事の中で彼女が「現代女性は仕事を持ち、妻や母としての役割もあり超多忙。今の時代、女性が自分のためにジュエリーを買うのは究極の自由の象徴」と語っていたのが印象的で、私もそんな自立した女性に近づきたいと思い、自分で働いて自分で買う、と決意したんです。
40歳になり、訪れたのは銀座の旗艦店。ジュエラーのジュエリーを自分で買うのは初めてで、結構緊張しました。色々目移りしましたが、実際に着けてみて1番しっくりきたレモンクォーツを購入。自分で買ったことで色石のパワーがさらに高まるような気がして、特にここぞという取材など仕事のシーンでがんばりたいときや、自信が欲しいときに必ず身に着けるようにしています。
このリングもそうですが、ジュエリーは今の私にも未来の私にもしっくりくる、を軸に歴史あるブランドの名品を意思を持って選ぶことを大切にしています。時代を超えてきた名品だからこそ、色褪せずに長く愛せると思っています。

撮影/西原秀岳(TENT) 取材/坂本結香 再構成/Bravoworks.Inc