SHELLYさん「虐待や世界情勢…悲惨なニュースって子どもにどう伝えるべき?」

※このコラムは2021年11月号(10月7日発売)に掲載されたものです。

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テレビから悲惨なニュースが流れてきたとき…一体どうやってこれを子どもに伝えよう? そもそも伝えるべき? 今でいい?といつも悩んでしまいます。例えば、最近ではアフガン情勢。アメリカ軍が撤退したこと、タリバンについて…もし子どもに、これは何が起きてるの?と聞かれたら、「えーと、ちょっと3日ちょうだい」と言ってしまいそう。子どもたちはまだ5歳と3歳ということもあり、今はアフガン情勢に関するニュースが流れてくるとチャンネルを変えて、子どもがいないときに見ています。そして、そんな自分の行動にちょっとモヤモヤしています。性教育のことなら、この年齢でこれくらいの内容をこう伝えようと用意は万端だけど、知識が万全ではないこと、子どもに伝えるには悲惨すぎると感じるニュースをどう伝えるかについては、まだ答えが出ていません。性教育でも、親から性的虐待を受けている子がいるという事実も、自分がまず受け止めきれないこともあり、娘にどう伝えるのか悩む。でも、もしかしたら娘のクラスにも虐待を受けている子がいるかもしれないから、伝えにくいけれどちゃんと伝えていくのは意味があるとも思っています。

思えば実家に住んでいたころ父とは、よくニュースについて話をしました。時には喧嘩になるくらいやり合って、意見を戦わせて。でもそれって、娘を子どもだと思わず、一人の人間として受け止めてくれていたということ。ジャーナリストの池上彰さんと番組でお話をさせていただくことも多いのですが、私があまり詳しくない分野でも、会話のラリーが続くんです。どんな意見を言っても「なるほど」と、否定せずに一旦受け止めてくださる。だから私ももっと話したい、もっと勉強したいという気持ちになるんですよね。

私が通っていた中学校の社会の授業では毎回冒頭5分間、気になったニュースについて生徒が質問して先生が答えてくれるコーナーがありました。テポドンについて、新札について…授業よりもこの5分コーナーのことはよく覚えているし、世界で起きていることへの関心を高めてくれて、今につながってるなと思います。一方、高校のとき9・11の同時多発テロが起きた翌日、ショック状態で登校したのですが、社会の時間に先生が一言も触れなかったこともまたショックで、それも同じくらい覚えています。あのときはやっぱり、触れてほしかったなあ。難しいニュースは、対話して知識を深めたり、新しい視点をもらうことはすごく大事ですよね。そう思うと、子どもだからわからないと思わないで伝えないといけないですね。私も、アフガン情勢をもっと学んでそれができる大人でありたいな。

そして、成長した娘たちとはニュースについてどんどん意見を言い合いたい。もし私と全く違う思想・信条に育った場合、どこまで寛容に意見を尊重できるか自分で自分が心配ですが(笑)、楽しみでもあります。

本当に、これはどう伝えれば?と悩むニュースばかりの毎日。あと数年かけて、娘たちへの伝え方について、じっくり考えていきたいです。

 

◉SHELLY|シェリー
1984年生まれ、神奈川県出身。14歳でモデルとしてデビュー以後、タレント、MCとして幅広く活躍。5歳と3歳の娘の母。

寝る前にストレッチ! 毎晩じゃないですが、最近は3人でやってます。

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撮影/須藤敬一 取材・文/有馬美穂 編集/羽城麻子
*VERY2021年11月号「シェリーの「これってママギャップ?」」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。