フジテレビ新入社員の仕事って? 新米報道記者・若田部 遥さんの働く現場

倍率の高い就職先としても知られるテレビ局。しかし、就活の段階からその仕事をリアルに想像するのはなかなか難しいもの。そこで、フジテレビで働く現役社員5名に「仕事のリアル」を伺う短期集中連載をスタート! 初回は、2021年度の新卒として入社し、現在は新米報道記者として働く若田部 遥さんにお話を伺います。

今回お話を伺うのは...

若田部 遥さん

法政大学卒業後、2021年フジテレビ入社。5月に報道センターニュース制作部に配属され、現在は内勤記者として、主に昼の「Live News days」や夕方の「Live Newsイット!」などを担当。

就活中に志望職種を変えたテレビ局就活

Q. なぜテレビ局で働きたいと思ったんですか?

一番大きいのは両親の影響です。両親ともにテレビに出る仕事をしていたので、自然と幼い頃から「テレビ局で働きたい」と思っていました。スポーツキャスターやリポーターに憧れて、大学入学を機に上京し、学生時代はテレビ局でアルバイトもしましたし、「テレビ局に就職するんだ!」という思いは強く持っていました。

Q. 若田部さんは就活を始めた当初アナウンサー就活をしていたとのことですが、報道記者志望にシフトチェンジしたのはなぜですか?

当初はスポーツ番組や中継を担当するアナウンサーになりたいと思って就活を始めました。アナウンサー試験の面接などでも「スポーツを担当したいです」と伝えていたのですが、過去に芸能活動をしていたこともある私がそのようなアピールをすると、テレビでキラキラした感じがやりたいんでしょ? という風に思われてしまわないかなという不安があって…。実際に、いろんな局のインターンシップや面接を受けている中で「ニュースとかちゃんと見てますか?」「今世間で話題になっているこの出来事、どれくらい興味がありますか?」という反応が返ってくることがあったんです。

私は負けず嫌いな性格なこともあり、そういう反応が返ってきた時でもきちんと受け答えができるよう、ニュースの表層だけではなく、なぜ今こういうことが起きているのか、その裏側にはどんな事情が隠れているのか、政治家の発言の真意は、と深掘りしていくようになったんです。

最初は「私はきちんと報道のことも勉強しています」と理論武装するための努力だったのが、学んでいくうちにどんどん楽しくなっていく自分を発見して、報道の現場で取材ができるようになれたらとても魅力的だなと感じ始めました。そういう経緯で「記者を受けてみよう!」と、フジテレビの選考から、「報道記者志望」になりました。

Q. アナウンサー職への未練はなかったんですか?

自分でも驚くほど全くなかったですね。フジテレビの総合職を受けているときに、選考が進むにつれて「私の思いが、きちんと現場で働いている方にも通じている」と実感できることがあって、面接を重ねるたびに絶対に記者になりたい、という気持ちが強くなりました。実は、フジテレビに内定をいただいた段階では他局のアナウンサーの選考にも残っていたのですが、内定の知らせをいただいた次の日にはアナウンサーの選考は辞退しました。「絶対に記者になるんだ!」って迷いなく。

Q. アナウンサー試験を受けていた経験が、総合職の選考に生かされたと感じたことはありましたか?

個人的な意見ですが、アナウンサー試験では「印象が大事」だと私は思います。当たり前ですが、「笑顔でいる」とか「大きく返事をする」など…。一方で、総合職の選考の場ですと名前を呼ばれても無言で立ち上がる受験生も多くて、私はアナウンサー試験での経験があったからこそ、いい意味で目立つことができたかな、と思います。

ニュースの最前線で働く新米報道内勤記者の仕事は...

Q. 現在報道局で、1〜2年目は「内勤」と言われるお仕事をすると伺ったのですが、具体的にはどんな内容なのでしょうか?

内勤は、基本的には社内にいて先輩記者が取材に行って書いた原稿をもとに、映像を編集しオンエアする…。その最後の送り出しの部分を担当しています。映像を繋いだりスーパー(映像に重ねる文字や画像)を発注したり、オンエアに携わる部分を担当させてもらっています。もちろん、自分で電話取材をして原稿を書いたり、実際に現場に行って取材をすることもあります。

Q. 1日のスケジュールを教えてください。

日勤帯ですと、9時から朝の全体会議があるので、その議事録をとります。会議が終わってからは11時30分オンエアの昼のニュース番組『Live News days』の準備をして、原稿を書いたり、映像を編集し、オンエアが終わったら1時間休憩。そして14時30分頃の『バイキングMORE』内のニュースに向けて準備を進めつつ、15時45分からの『Live Newsイット!』の準備をします。ニュース番組を軸にしてスケジュールが進んでいって、それが終わったら退勤する…という流れです。

夜勤帯だと、日勤帯がいない時間をカバーするので夜に出社して朝まで勤務。夜の『Live News α』や朝の『めざましテレビ』内のニュースの準備をします。夜中のニュースの放送がない時間は、地震などの発生に備えながら、編集をしたり、届き次第朝刊を読んだりしています。

Q. テレビ局での大変さは想定内? それとも想定外?

私の場合は希望通りに報道の部署に配属をしてもらえましたし、「想像していたより楽しい!」というのが正直なところです。入社前に先輩の話を聞いて大変そうなイメージばかりが膨らんでいましたし、特に報道局は怖くて厳しそうなイメージを持っていましたが、実際に働き始めると先輩方がみんな優しくて、「すごく怒られるのかな…」と思っていたんですが、そんなことはないですね。新入社員ならではのミスをしたときでも、否定ではなく、「こういう理由があるから本当はこうした方がよかったんだよ」と本質的な部分まで遡って指導してもらえる。そう言われると次からは気をつけようと思いますし、自分の身にもなるので勉強になっています。

Q. 社会人としてなりたい姿、目標はありますか?

近い未来での目標では取材部の記者になって、その後、責任を持って働くようなポジションを任される存在になりたいです。大学の先輩から「会社に入ったら5歳上くらいまでは同じステージだと思って」とアドバイスをされたのですが、近い世代の中でも早く抜け出す存在になれたらと思います。同期には負けたくないですね!

Q. 最後に就活生にメッセージを!

大学生の時点でやりたいことがあること、就きたい仕事があることは、本当に素晴らしいことだと思うのでぜひ叶えてほしいです。ただ、それが叶わなかったり、違う方向に目標がスライドしたとしても、それに向かって努力をしたことだけでも、とても貴重な経験になると就活を通して私は学びました! 臆せずに挑戦してほしいです。 あと、面接は大きな声で! 笑顔で! 入社してから、面接官だった先輩に「印象が良くて覚えていた」って言われたことがあって。だから大きい声は一番大事だなって思います。

いかがでしたか? 明るく仕事に対する意気込みを語る若田部さん、とてもキラキラしていました。次回は『めざまし8』でディレクターを務める阪本さんのインタビューです。どうぞお楽しみに。

撮影/岡田 健 取材/上戸 智香 編集/岩谷 大