東大シンママたかみほ連載「中学受験の経験は、親子の成長ストーリーに【お母さんが変われば子供が変わる④】」

こんにちは。子育てスマイルナビゲーターのたかみほです。

小学校受験は「親の受験」。中学受験は「親子の受験」。大学受験は「本人の受験」。昔からこう言われているのをご存知の方もいらっしゃると思います。

大学受験は「どこをどう勉強したらいいのか、何をどうしたらいいのかが分からないこと」に難しさを感じますが、中学受験は考え方を学ぶものなので、つまずいているところを強化するなどをして対策を立てながら勉強していく。目標に向かって頑張りやすいものだと思います。

そして、中学受験の長期間にわたる経験は、結果そのものよりも、日々親子の成長を促し、絆が深まっていく…きっと忘れがたい思い出になるのではないでしょうか。

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● 受験当日に子どもに持たせたお守り

その1

下級生が作った【手作り必勝お守り】

お守りの中には、【下級生からのメッセージ】が入っています

その2

*見開き* 【左側】受験前夜に読むページ 【右側】 受験当日の休み時間に読むページ

その3

進学塾から、受験前日に届いた【応援電報】

その4

小学校の先生より受験生全員に送ってくださった著名人の言集【手作り小冊子】 1枚目

小学校の先生より受験生全員に送ってくださった著名人の言集【手作り小冊子】 2枚目

もちろん、その1〜その4 すべてのお守りを入れた小袋を子どもに持たせました!

[平常心]と書いた透明袋にお守りを詰めました (※透明袋はジプロックですが…)

私も中学受験の経験はあったのですが、1人の母親として子どもを見守る立場にいざなってみると、自分のこと以上に不安で、居ても立っても居られない気持ちを味わいました。

でも、中学受験当日は、その不安な気持ちを子どもには絶対見せることはせずに

“やれることはしっかりやってきたね。充分すぎるくらい毎日努力してきたよ。いつもお母さんは頑張っている姿を見てきて、あなたのことを一番良く分かっているからね。悔いのないように、自分の持っているありったけの力を全部出し切ってきなさい!!”

と声をかけ、励ましました。

●子どもは中学受験をどのように思っていたか?

子どもが中学受験を考えていく姿勢は、親が回りくどく説明をしなくても、高学年になるにつれて、自然と本人たちに芽生えていったようです。
それは、小学4年生の夏期講習から進学塾に通い始めていたので、子ども自身も目的を理解しており、高学年になると「自分は受験する」という意識が高くなっていったのだと思います。

小学6年生になると、学校や塾でも具体的にどこの学校を受験するのか、という話題も多くなっていきました。
この時期になると「志望校を決めたら、過去問をやっていこう」ということを塾などで事前に説明を受けているので、子どもにとって、ちょっと先のことを知らされている環境がよかったのではないかと思います。

息子たちに「中学受験はどうだった?」と当時のことを聞いてみたところ、下記のような答えが返ってきました。

難問に挑戦するのがクイズみたいで楽しかった!!
「これはかなり難しいぞ」と思っても、今までに溜めてきた引き出しを開けて、組み合わせて解いていくと答えを導けられるようになって…だんだん解くとが楽しくなっていったよ♪

● 「成長」がキーワード

子どもの視点から見た成長


・強い目標とイメージができるようになる 小学4年生くらいまでは、塾に行くと他の学校のお友だちも増えるので、単に塾通いが楽しいとしか思っていなかったようですが、高学年になると「絶対に合格するぞ!」という強い目標とイメージが作られていきました。
・学習習慣が身に付く 学校、塾、スポーツの組み合わせをしながら日常を過ごしてきましたが、1日の中で絶対に勉強する時間を作るようにしていました。
そうやって勉強することを習慣化しないと、学校や進学塾で落ちこぼれになってしまうのが嫌だったそうです。
目標があるから努力し、高学年になって「挑む力」がどんどん高まっていったのは、子どもの中での大きな成長だったと思います。
・スモールステップを達成する楽しさを知る あとは、「スモールステップを達成する事が楽しかった」とも言っております。
小テストや復習テストをクリアする、振り返った時に問題をちゃんと理解し解答できる、などを実感し確かめながら学力が付いていく経緯が楽しかったそうです。

● 我が家の中学受験の様子

我が家の次男は、現在21歳になりましたが、中学受験の当時は、緊張のあまり1日目から振るわず、2日目の受験校の感触も良くなく自信を喪失しました。このままでは1校も合格を取れなくなると危機感を感じ、3日目の第1志望校は諦めて併願校を受験させました。そして、2日目の夕方近くに、まだ受け付けている4日目の学校に、慌てて願書を出しに行きました。
結果は、2日目の学校から合格をいただけたので、4日目の学校は受験をしないで終わりとなりました。

反省点は、
・1月のお試し受験校を受けさせて、大会場での受験という場に慣れさせておくべきだったこと
・安心のため合格校を1月のうちに1校取得しておき、心の余裕を持たせてあげるべきだったこと

それなりに子どもに寄り添ってサポートしてきたつもりの私でしたが、目の前の子どもの落ち込んでいる様子にただただおろおろしてしまい、どうしたら良いか何も決められなくなりました。そして、塾の先生に相談をしたところ、「今の精神状態では、第1志望校を受けても闘えないだろう」と判断してくださり、第1志望校を諦めて、3日目は併願校を受験しました。

● 前を向いていくために

中学入試が1日目、2日目と終わり、3日目あたりから、合格結果が分かってきます。
(※最近は1日間に午前校・午後校と2校を受験し、その日のうちに合格通知を手にする学校もあるようですね。)
しかし、何日にもわたって合格を得られないお子さまも中にはいらっしゃると思います。4日目、5日目と入試が続くとなると、親子は心身ともに疲労困憊となります。

そんな時、4日目の受験日前日に、家庭ではどのように子どもに声をかけてサポートしていってあげればよいのでしょうか?
不合格が続いてしまった場合、もしもそういう状況になったら、一度子どもに思う存分泣かせてあげることがよいのかもしれません。
現実を受け止められない、子ども自身もどう対応してよいのか分からない、翌日に受験するのにスイッチが入らない…そんな時は、一度現実を直視させてあげて、親子で一緒に泣いて、気持ちをスッキリさせてから、翌日の受験に備えるのも一つの方法だと思います。

● 本番の受験日をむかえて

本番の受験日を迎える日まで、それまでの受験勉強の期間は、とっても長い期間を要しています。1カ月2カ月勉強をやればよいという話しではなく、小学4年 (最近は小学3年生) から始めて、6年生の2月の本番に向かっていく道のりと時間の中で、1つ1つの単元やテキスト・模試などを学習し、「これはできた・できないの積み重ね」が長〜く続きます。9歳〜12歳という年齢で、中学受験やその勉強を経験するのとしないのでは、やはり習慣化や身に付き方が違うのだろうな、と感じました。

家庭の中に、勉強や通塾の習慣を組み入れて、親子でそれを何年間も積み上げていくこと…それを継続してきたお子さんにも、併走してサポートしてきた親御さんにも、今までの経過時間を振り返り、互いに頑張ってきた家族同士でリスペクトをし全肯定することが、何よりも大切なことです。

中学受験を終えてみると、そうして親子の絆が深まっていくのだと思います。


次回の連載も楽しみにしていただけたら嬉しいです。

たかみほ(たかせみほ) 子育てスマイルナビゲーター 1968年生まれ。共立女子大学文芸学部卒業後、航空会社のグランドスタッフに。結婚後、長男が小4、次男が小2の時に夫と別居。2年間の調停の後に離婚成立。シングルマザーとして働きながら、子供たちを中高一貫校へ。その後、2人ともに東京大学理科一類へ現役合格を果たす。著書に『シングルマザーで息子2人を東大理Iに 頭がよくなる「ルーティン」子育て』(徳間書店) Noteブログ https://note.com/takasemiho
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