【広末涼子さん連載vol.8】我が子の中学受験。親子で得たものとは?

STORY[ストーリィ]

1月号からスタートした広末涼子さんの連載「毎日が3兄弟ママで、女優」。
ここで取り上げた読者ママの悩みに対して、広末さんも一緒に考え、思うことを語っていただく、Junior STORY本誌連動企画です。

前回の連載記事はこちら

子どもの本心に気づいてあげられなかった我が家の受験

4月号読者ママたちの声

ママの声①
子ども9歳男子 K・Iさん 42歳 主婦
中学受験をすることにしたものの、遊び盛りの時期に、土日が潰れてしまうほど勉強しなければならず、子ども自身のやりたいこともできない時期を過ごさなくてはならないことに親として葛藤もあります。子どももストレスが溜まっているのか元気がなく見えるのが少し可哀想。とは言え、やはり、中学受験をしない選択も不安。受験期はどう過ごすのが良いのでしょうか。

ママの声②
子ども10歳女子 R・Yさん 45歳 派遣会社勤務
中学受験に対して、娘は前向きに取り組んでおります。でも本人のやる気と反比例して成績が伸び悩んでいるのです。親である自分たちもモチベーションをキープできるか不安です。反抗期でもあるので、親のアドバイスを聞いてくれなくなってきていることもあり、子どもの成績が伸び悩んでいる時、親としてどのような対応をすれば良いのか悩みます。

受験をするのは子ども自身だけれど、親も一緒になって戦うのが受験。特に思春期と重なる中学受験は親としても悩みが尽きないですよね。

前回は私自身の受験についてお話しましたが、今回は長男の受験を通しての経験談をお話ししたいと思います。

小学校は中学で外部受験をすることを前提に選びました。それは息子と話し合って一緒に決めたひとつの約束でもありました。高学年になり、周りの友達が内部進学をする子たちも多い環境の中、いよいよ受験体制に入り塾通いの日々が始まりました。その中で、息子とは何度も意思の確認をしました。「やりたくないならやめよう。やるんだったら精一杯やろう。」と。その度に本人は「やる。」と答えていました。

仲の良い友だちが遊んでいる中で自分は受験勉強をしなくてはならない。その状況は辛かっただろうけど、それがママとの約束で、その思いにも応えなきゃいけない。「自分は特別なんだ。いい学校に行くために受験をするんだ。」と自己暗示をかけて、自分自身を鼓舞しながら受験に向き合っていたようでした。

けれど志望校を決め、偏差値が出てきたりする最後の段階で、「本当に志望校に受かるのだろうか」というプレッシャーや「今の学校の友達と別れなくてはならない」という現実など、色々なものがふりかかった時、初めて長男が本音を言いました。

「受験したくない。」と。

STORY[ストーリィ]

私は中学・高校・大学と受験を経験して、中学受験には落ちてしまったけれど、とてもいい経験になったと思っています。自分に向き合ったり、勉強方法を模索したり、受験は部活動と同じように自分を成長させてくれる大きなチャンスだと感じました。だからこそ息子にも受験することを勧めた。

しかし、「ママが受験をしようと言ったから」という長男の本音が出たときに、私の押しつけだったのだと思い知らされ、受験をきっぱりとやめる決断をしました。正直、受験の準備のために時間も労力もお金もかけてきた上で、「受験をやめる。」という決断は簡単でありませんでした。でも行きたいと思っていない学校に通わせることだけはしたくなかったので、この決断は間違っていなかったと思っています。

それに小学校から中学校にエスカレーターで進むより受験準備をしたことで、長男は随分と色々な世界を見ることができ、上には上がいることを知ることができた。プレッシャーや緊張も経験した。それは有意義な時間であり、その上で自分が選択した学校に行くということは意味のあることで、受験準備は無駄ではなかったと思います。

受験を考えている親御さんは、どうか親の理想や方針で勉強を押しつけたりせず、子どもの本当の気持ちを見極めてあげてほしい。これは私自身の反省でもあります。

本人の意思が曖昧なのであれば、行きたい学校を見つけてあげるというのもひとつ。成績や偏差値の数字と向き合っているだけだと伸び悩んだときには限界があると思うので、目標を明確にすると本人の意識も変わるのではないかな。

「学校見学に行ったときの先輩がかっこよかった」そんな理由がやる気につながって急激に伸びたりすることもありますしね

今、第二子の周りの子が受験塾に通い始めていて、その親御さんを見ると、送迎やお弁当、兄弟との時間のやりくりなど本当に大変だなと思います。でもそんな中でも、緩急をつけられている親御さんは素敵! 雪が降ったときに、「塾に連れて行くのが大変」と思うのか、「雪が降って嬉しいね」と子どもの気持ちに寄り添うのか。子どもの気持ちをわかってあげられる親御さんだと、子どももプレッシャーや緊張に押しつぶされることなく受験に臨めているように感じます。

親としての葛藤もたくさんあると思いますが、受験に縛られすぎず、お子さんに寄り添いながら一緒に受験を乗り切ってほしい。応援しています!

〈次回へつづく〉

前回の連載記事はこちら

広末涼子

1980年高知県生まれ。14歳でデビュー後、CM、ドラマ、映画と数々のヒット作に出演。日本アカデミー賞をはじめ受賞歴も多数。プライベートでは、高校生、小学生、幼稚園児と各世代3人の子ども達のママ。土曜ドラマ「エンディングカット」(NHK総合)が3/19(土)にオンエア。

文/広末涼子 撮影/HAL KUZUYA ヘア・メーク/山下景子(KOHL) スタイリスト/竹村はま子 取材/小仲志帆
【衣装クレジット】ジャケット¥75,900(アンスクリア/アマン)ビスチェ¥14,960パンツ¥18,920(ともにアンクレイヴ ホワイト/アンクレイヴ)ピアス¥16,500(シンパシー オブ ソウル スタイル/フラッパーズ)ブレスレット¥298,000(クロクション/ロードス)

STORY