【レシピ】いつもの料理を10分で ⑰ロールキャベツ
しっかりと時間をかけて作る日もあるけれど、それでは毎日がまわらない……。
とはいえ、時短料理は溢れているけれど、
ただただ短い時間で料理ができればいいと思っているわけではない……。
「なぜ」このやり方なら、10分で作れるのか?
「どこ」さえおさえていれば、味の要が守れるのか?
理由を知っていれば、レシピを見続けなくてもサッと作れるようになる。
料理研究家の上田淳子さんに、(ほぼ)10分で作るための、省いていい部分・守るべき部分、そして”発想の転換方法”を教えてもらうウェブ連載。
もちろん、時間をかけて作るレシピは素晴らしいけれど、
日々の小さな幸せには、こういったレシピも必要だなと感じるのです。
この作り方は、”本物じゃない”と思われる方もいるかもしれません。
ですが、名前のついた料理の”想像する絵”にこだわりすぎなくてもいいのではないでしょうか?
VOL.17 ロールキャベツ
春といえば、春キャベツ。キャベツと言えばロールキャベツ!
ですが、キャベツをまず茹でて、肉だねを作って、巻いて、そして煮込んで……。と工程が多く、作るのが面倒と思われがち。
さて、短い時間で作るためにどこを省くか?考えていきましょう。
ポイント①
キャベツの下茹では、”蒸し煮”にして
短時間で旨みをギュッ
キャベツを柔らかくするためにいつも行う下茹でを蒸し煮に変更してみましょう。素材の持つ水分を利用して蒸し煮をすれば、湯を沸かす時間を省けるうえ、キャベツ本来の旨みをぎゅっと引き出してくれます。
ポイント②
ロールは、細く!くるくると
煮込む時間を省きたい! つまり、火が入りやすい形にすればいいのです。大きい俵型にすると中心まで火が通るのに時間がかかってしまいます。肉だねを薄く伸ばして、細くくるくると巻いて。
ポイント③
煮込まない! 電子レンジで加熱。
もちろん煮込んで作るロールキャベツは美味しいのですが、今回は、短い時間で作るロールキャベツなので、電子レンジを活用していきましょう。丸めたロールキャベツの上に、コンソメ顆粒・熱湯・バターをのせて、ラップをして加熱。バターとコンソメ顆粒、そして肉だねのエキスで即席ではありますが、しっかりとおいしいロールキャベツが完成します。
ロールキャベツ
【材料】2人分
・キャベツの葉(大きめ)…2枚
・合い挽き肉…150g
肉だね
・パン粉…大さじ3
・牛乳…大さじ1
・塩…ふたつまみ
・こしょう…少々
・コンソメ顆粒…小さじ1
・熱湯…1カップ
・バター…10g
・塩…小さじ1/3
・こしょう…少々
※キャベツの葉の上手な剥がし方
1.キャベツの芯の根元に切り込みを入れます。
2.切り込みを入れたすきまに水を流し入れていくと、ほろっときれいにはがせます。蛇口からの水の勢いは、強すぎないように。
【作り方】
1.キャベツをフライパンに入れ水1/2カップを加え、蓋をし強火にかけるキャベツがしんなりするまで。2〜3分蒸し煮にする。その後キャベツを水に落とし、冷ましておく。
2.肉だねを作る。ボウルにパン粉と牛乳を入れる。混ぜてしっとりしたら残りの材料を入れてよく混ぜ2等分にしておく。
3.まな板に水けをきったキャベツ2枚を広げ、芯の硬いところは麺棒などでたたいて潰す。
4.キャベツ全体に2を広げる。手前からくるくると細めに巻いて耐熱皿にのせる。
5.4にコンソメ顆粒を散らし、熱湯をかけてバターをのせ、塩・こしょうをする。その上からふんわりとラップをかけて、600wの電子レンジで7分ほどかける。
6.5を取り出しラップを外して、食べやすい大きさに切って器に盛る。
※お使いの電子レンジによって、加熱時間が異なる場合があります。
【バックナンバー】
【PROFILE】
上田淳子:料理研究家。スイスやフランスのレストランで修業を積み、現在の道へ。食育の活動も行う。著書多数。近著に『ラクするご自愛ごはん』(主婦の友社)がある。インスタグラム@ju.cook
撮影/大森忠明 文・構成/松本朋子
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