大人世代の出産事情「子供を産むにしても、産まないにしても知らないとマズいこと」産婦人科医に聞きました

仕事が充実してきて、ライフイベントも多い30代は「選択」の連続です。そんなCLASSY.世代の「選択」を取り上げる不定期連載、テーマは「産む?産まない?」について考えてみましょう。

100人に聞きました「産む?産まない?」

    仕事が充実してきて、ライフイベ

    Q1
    今後「子どもを産みたい」と思っていますか?

    回答してくれた女性の内訳は未婚7割、既婚3割。「いつかは子どもを産みたい」と思っている人が約7割という結果に。

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    Q2
    Q1で「産みたいと思っている」と答えた方にお聞きします。何歳までに最初の出産をしたいですか?
    約半数の人が35歳までと回答。40歳までという回答が意外に多いのは近年の晩婚化、晩産化の反映と言えそうです。

「産む」「産まない」どちらにしても知っておきたいこと

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    婦人科検診を毎年受ける
    子宮筋腫、卵巣嚢腫、子宮頸がんなどの病気は自覚症状がないことも多く、将来の妊娠に影響する場合も。自覚症状がなくても子宮と卵巣の状態は定期的にチェックしましょう。クラミジア、淋菌などに代表される性感染症も、症状がまったくないまま進行してしまうことで不妊症や早産のリスクとなる可能性があるので、パートナーが変わるたびに検査するのがお勧め。万が一感染してもきちんと治療すれば将来の妊娠への影響もなく、妊娠中の治療も可能です。

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    生理不順・生理痛などの不調を放置しない
    子宮内膜を保護する意味でも最低でも3カ月に1回は生理があることが望ましいと言えます。生理痛もなく、特に困っていないからといって生理不順を数年単位で放置していると、子宮内膜症や子宮体がんのリスクが高まり、妊娠したい時に時間がかかることも。生理不順が不妊率を上げてしまうことを理解して早めに対策をとりましょう。生理痛も子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜症などが原因の場合があるので、痛みを放置せずドクターに相談してください。

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    いま妊娠を望んでいないなら「確実な避妊法」=ピルがお勧め
    日本の年間中絶件数は約16万件。望まない妊娠で困るのは女性です。人工妊娠中絶手術は体への負担も大きく、癒着による再手術、大量出血による輸血や子宮の摘出などによる合併症のリスクもゼロではありません。低用量ピルは確率99%以上とほぼ確実に避妊でき、卵巣の保護や初期の子宮内膜症の進行を防ぐ効果も。健康上の理由でピルが飲めない人は、ミレーナという子宮内部に装着するホルモン剤でも避妊が可能です。避妊に失敗した可能性がある場合は、72時間以内に内服して妊娠を成立させないアフターピルを服用してもいいでしょう。

令和の出産事情はどうなってる?

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    令和元年の平均初産年齢は30.7歳
    統計では女性の出生時平均年齢は上昇傾向にあり、晩産化が進んでいます。最新のデータである令和元年の第1子出生時の女性の平均年齢は30.7歳。女性の平均初婚年齢も上昇し、29.6歳となっていることとも関係がありそう。結婚生活に入ってから出生までの平均期間も長くなっていて第1子の出生までの平均が2.45年と過去最長に。
    ※出典 厚生労働省「令和3年度 出生に関する統計の概況」

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    一人の女性が出産する子どもの数は平均1.36人
    一人の女性が出産する子どもの数に相当する「合計特殊出生率」は令和元年のデータで1.36人。一人も子どもを産んでいない女性の割合も上昇傾向にあり、30歳の時点で子どもを産んでいない女性は平成元年生まれで56.6%。女性の未婚率も年々上昇しており、30歳の時点の未婚率は最新のデータで40.4%となっています。
    ※出典 厚生労働省「令和3年度 出生に関する統計の概況」

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    地域によって出産事情にも差がある?
    合計特殊出生率を日本全体でみると、令和元年のデータで1位の沖縄の1.82人をはじめ、36の県が全国平均の1.36人を上回っています。一方で最下位の東京は1.15人と地域差が。また、世界の合計特殊出生率ランキングでの日本の順位は191位。世界的にみても日本は出生率が低い国となっており、他の先進国も出生率が低い傾向にあります。
    ※出典 厚生労働省「人口動態統計」結果の概要
    Fertility rate,total(births per woman)THE WORLD BANK

お話を伺ったのは…

ママ女医ちえこ先生 現役産婦人

ママ女医ちえこ先生
現役産婦人科医として婦人科診療を行うかたわら、チャンネル登録者数13万人を超えるYouTubeチャンネルを運営。3児の母。著書に『子宮にいいこと大全産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)

イラスト/松元まり子 取材/加藤みれい 再構成/Bravoworks.Inc