【HERS à table】料理家・真藤舞衣子の「美味しい」を選ぶ目⑰
料理家・真藤舞衣子さんが、日々の生活で見つけた
料理をより楽しく! おいしい!ものにする“食材”を紹介する連載。
食材とそれを使って作るひと皿を真藤さん目線で伝えていきます。
Vol.17
ぬまた海苔
海苔が大好きで、よく美味しい海苔をいただくことが多いのですが、今、よく食べているのが、「ぬま田海苔」さんの海苔なんです。
出会いは合羽橋の釜浅商店さんへ伺った時。熊澤三恵子夫人に「ぬま田海苔」さんへ連れていっていただきました。
「ぬま田海苔」が取り扱うのは日本一の生産高を誇る、上質な海苔として有名な九州の有明海苔です。有明海では、夏の終わりに海苔漁が始まり、晩秋から春にかけて10回ほど収穫されるそうで、その中でも最初の収穫である「初摘み」
お店に伺うと4代目当主の沼田晶一朗さんが、初摘み海苔の素晴らしさ、料理などとの相性を教えてくださいます。
そして風味豊かな海苔を1枚焼いて試食させてくださいました。
初めてこの試食をいただいた時の味わいは衝撃的で、今ではほとんどぬま田海苔さんのものを食卓に並べています。
この画像を見ると何やら不思議な商品名かと思います。これは海苔の業者さんの間で使われる漁場と等級の名称だそうで、それぞれの味わいの違いを伝えるためにそのまま商品名にしたそうです。
美味しい海苔って食べると「あ、美味しいな」で終わってしまうのですが、それがどのように美味しいのかと、食べ比べると本当に違いがわかるんですよ。
つやっつやの白いごはんでいただくのが最高なのですが、個人的に、家で発芽させて炊いた玄米をカリカリにオリーブオイルなどの油でこんがりと焼いて、海苔で包んで食べるのが好きです。
そしてカチョカバロを焼いて挟んだり……チーズの風味と油分が合います。
ささみは塩糀で下味をつけて薄力粉で叩いて発酵バターで焼き、生のわさびをすって海苔で包んだり、
最高級の海苔にいつも購入している長野の清水さんちのお米のお餅に自家製のからすみをのせたり、そして黒トリュフに発酵バターというなんとも贅沢な食べ方を楽しんでます。
もちろん定番のおにぎりなどでもよいですね!
これはつい先日、トゲクリカニをいただいて、焼きリゾットにした時に最後海苔で包んで食べたら、リゾットは塩も入れずに蟹でとった出汁だけで少しの発酵バターとパルメザンチーズであっさり目に仕上げていたので、海苔の風味も損なわず、蟹の旨味とあって、最高でした(笑)。
海苔って手土産に美味しくて軽いので、とても重宝します。友人から手土産何がいい?と聞かれると「ぬま田海苔」さん!と即答です。
有明の海の恵みがたっぷり詰まった、初摘み海苔ならではの最高級の味わいを、ぜひみなさまにも味わっていただきたいです。
【データ】
ぬま田海苔
【PROFILE】
真藤舞衣子
料理家、発酵研究家。料理教室の主宰やレシピ開発、食育講座など幅広く活躍中。昨年、「坂戸屋」店主・武笠陽一氏と浅草の釜浅商店と共に“燗酒の可能性”チームを結成。燗酒と料理のペアリングを提案するイベントを開催した。近著に『発酵美人になりませう』(TJMOOK)。
Instagram:@maikodeluxe
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