【湘南】人気ハンドメイド作家たちが七里ヶ浜にオープンした「かわいすぎるセレクトショップ」

ティアナの店内

湘南在住の人気ハンドメイド作家が4月27日、鎌倉の七里ヶ浜にセレクトショップ「TEANNA(ティアナ)」をオープン。オーナーは、Martの「ズパゲッティBOOK」や「アクセサリーBOOK」でもおなじみの徳増理恵さんと関澤泉さんです。二人がお店を始めたのはなぜか? どんな商品を扱っているのか? 取材してきました。

湘南の人気ハンドメイド作家によるセレクトショップ「TEANNA(ティアナ)」

ティアナ 店舗外観

4月末、鎌倉の七里ヶ浜にオープンしたばかりの「TEANNA(ティアナ)」は、ハンドメイド仲間でもあり、ママ友達同士でもある徳増理恵さんと関澤泉さんのお店。徳増理恵さんは、編み物作家kamakura1093として活躍。書籍も出版し、ズパゲッティやマクラメのブームを牽引してきました。関澤泉さんは天然石を使ったアクセサリーを制作。kaimana_beach_jewelryとして、湘南や横浜に取り扱い店舗のある人気作家です。

店名の由来は、インディアン語から。
「インディアン語で『TEANA』(ティアナ)が“夜明け”を、『ANNA』(アンナ)が“母”を意味する言葉で、それを組み合わせた造語が『TEANNA』(ティアナ)です。ハンドメイド作品をつくるのは、まだ子どもが寝ている明け方からが多いので、夜明けに自分の時間を楽しむ母、というイメージでつけました」(徳増さん)

ピンクの壁は、1か月かけて二人で塗ったというこだわりのカラー。観光客に人気のレストランやカフェも近く、撮影スポットとして使われることもあります。

輸入品は海外のバイヤーと直接交渉 ハンドメイド作品やオリジナル雑貨も

ティアナ店舗内観

店内には、海外から取り寄せた洋服やインテリア雑貨、オリジナルデザインのハンカチやポーチ、ハンドメイドのショルダーバッグやアクセサリーなどが並びます。

「お店のトレードマークは、徳増さんが編んだマクラメタペストリーと、カウスカルです。カウスカルは元々インディアンの魔除けとして飾られていたものですが、今はインテリア雑貨として人気。ボヘミアンテイストのマクラメとよく合います」(関澤さん)

手編みのマクラメタペストリーとカウスカルがトレードマーク

「ハンカチの刺繍は自分たちでデザインを決めてオリジナル商品としてつくりました。レースのポーチもオリジナル商品。マクラメの糸で編んだショルダーバッグや、関澤さんがつくったアクセサリーなどハンドメイドアイテムも置いています」(徳増さん)

ティアナのオリジナルタオル

オリジナルタオル¥1,100。国産の泉州タオルに自分たちでデザインしたモチーフを刺繍

洋服やインテリア雑貨は、アメリカ、バリ、オーストラリアなど海外のバイヤーと直接交渉して輸入。いずれはオリジナルデザインの洋服をつくりたいと考えているそうです。

地元出身×移住組 子どもを通して仲良くなった二人

(左)関澤泉さん(右)徳増理恵さん

(左)関澤泉さん(右)徳増理恵さん

徳増さんは地元出身で実家も近く、ずっと湘南住まい。小学5年生の双子の女の子のママです。一方関澤さんは生まれも育ちも東京。結婚や出産を機に海の側で子育てしたいと伊豆へ引っ越し、一度は東京へ戻ったもののやはり海の近くがいいと鎌倉へ移住してきました。現在高校1年生、中学1年生、小学5年生と3人のお子さんがいます。

「子育てのスタートが伊豆だったので、いったん東京に戻ったときに、子どもをどこで遊ばせればいいの!? と戸惑ってしまったんです。伊豆に住んでいたときは、海に行けば子どもは自由に遊んで見守るだけで良かったけど、都内は公園でもボール遊びが禁止だったり色々と制限があって……。夫も海が好きだしやはり海の近くに住もう、でもいずれ子ども達が成長した時に東京へ行くという選択肢も広げやすいよう、鎌倉がいいね、ということで越してきたのが9年前です」(関澤さん)

ハンドメイドに費やす時間が唯一の自分時間だった

徳増さんが編んだスマホサイズのマクラメショルダー ¥2,640

徳増さんとは同じ年の娘がいることで、まず子ども同士が仲良くなり、ハンドメイドという共通の趣味もあってそのうち母親同士も仲良くなったそうです。

「最初はお互い人見知りで様子見していましたが、同じ年で若い頃着ていた服や今好きなものも似ていることがわかり、意気投合。湘南はハンドメイドイベントが盛んで、コロナ前は七里ヶ浜を中心にフリーマーケットがよく開かれていて、毎週末のように一緒に出店していました。フリマに出店というと大変そうに思われるかもしれませんが、私たちにとっては作品づくりや販売している時間が、ある意味唯一子育てから解放される自分時間だったんです」(徳増さん)

イベントの減少や会社勤めを経て気づいたこと

ティアナのハンドメイドアクセサリー

関澤さんによるハンドメイドアクセサリー サンストーン ピアス¥4730 ネックレス¥6,380

その後、関澤さんは都内の会社で正社員として働き始め、さらにコロナの影響もありハンドメイドイベントが減少したことで二人でフリマに参加する機会もなくなっていきます。

「ちょうど一番下の子も小学校生活に慣れてきた頃でしたし、子育てと仕事の両立に憧れていた部分もあり、結婚前に働いていた会社でもう一度フルタイム勤務するようになりました。でも、やはり独身時代と同じように頑張ろうと思ってしまったんでしょうね。肩の力が入り過ぎて逆に母親業と仕事のバランスが難しく、去年の夏に体調を崩してしまい……、その後なかなか体力が回復しなくて会社勤めを辞めることになりました」(関澤さん)

療養中に徳増さんと話すうちに、「二人でお店を始めるのもいいね」という話が持ち上がります。実は、七里ヶ浜でフリマに参加していた頃から、現在の店舗スペースが空き家になっているのは二人とも気になっていたそうです。

「お互いの家からも近いし、二人でいつかこの場所にお店を持ちたいね、という夢の話はしていたんですが、いよいよ都内で暮らすはもちろん、働くのもやっぱり難しい、と私が再認識したことで、そろそろハンドメイドからステップアップして湘南でお店を持ついい機会かも、と一気にプランが具体的になりました」(関澤さん)

「絶対にこの場所でお店を開きたい」という熱意で物件探し

スワッグやマクラメが飾られたティアナの店内

そこから物件探しが始まりますが、何度不動産情報を見ても目当ての空き家の情報が出てこず……。半年ほど経った頃、徳増さんが高校の同級生を辿って借りたい小屋のオーナーを発見! 直接交渉をして、今年の3月から内装、外装自由にして良いという好条件で借りられることになりました。

「物件が決まってからは4月のオープンに向けて、一気に色んなことが動き出しました。おもしろいのが、商品をセレクトしていても二人の趣味が似過ぎていて、『いいね』『かわいいね』と思うものが一緒なので、まったくケンカにならないんです。洋服や雑貨を輸入する一方で自分たちのオリジナル商品、ハンドメイド商品も数をそろえ、やっと開店にこぎつけました」(徳増さん)

二人の「好き」が詰まったお店にしたい

ティアナのワンピース

トップスは¥4,180~、ワンピースは¥7,480~9,680

お店をオープンしてみると、地元の方も観光客も、子どもから70代くらいまで幅広い世代が来客してくれました。

「近所の子がお金を握りしめて『お母さんが昼寝してる間に母の日のプレゼント買いに来た』と走って来てくれたこともありました。柄物のワンピースをおばあちゃま世代が買ってくれることもあり、自分たちの『好きなもの』『かわいいと思うもの』が共感できていると思うと、すごく嬉しいです」(徳増さん)

都内まで通勤していた関澤さんは、家族との時間も取れるようになりました。「子どもが学校帰りに店に寄ってくれることもあり、顔の見える範囲で仕事ができるっていいなと感じてます」

今後の目標は、当初の夢だったオリジナルの洋服をつくって販売すること。さらなるステップアップを目指す日々は始まったばかりです。

【SHOP INFORMATION】

ティアナのヘアクリップ

ヘアクリップ¥880

TEANNA(ティアナ)

  • 神奈川県鎌倉市七里ヶ浜東3-1-34
  • 11:00〜16:00
  • 月・水休み ほか、不定休あり。営業情報はInstagramで随時更新 @teanna.niyol

※6/7現在改修工事中です。茅ヶ崎ラスカ3Fで開催中のイベント【sunshine today】6/3〜7/31に出店中。
※表記している価格はすべて税込みです。

撮影/山下忠之 取材・文/富田夏子