結婚相手の元妻・娘のことが気になって再婚に踏み切れません【ジェーン・スー×HARUKOの人生相談Vol.42】

40代女性の気持ちを代弁するような明快な語り口が人気のコラムニスト、ジェーン・スーさん。新聞やラジオ、雑誌で多くの方のお悩みに答え、その胸のすくような回答には励まされる読者も多数。

一方、波乱万丈の人生経験を持ちながら、いつも前向きで飾り気がない人柄で、誰からも愛されるモデルのHARUKOさん。歯に衣着せぬ語り口で、仲間のお悩みにさっと答えてくれると評判です。

そんなおふたりに『STORY』読者の真剣なお悩みに答えていただきます!

<PROFILE>

ジェーン・スーさん

コラムニスト。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」(月〜木11:00〜)のパーソナリティを担当。毎日新聞をはじめ新聞・雑誌で数多くの連載を持つ。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』は、第31回講談社エッセイ賞を受賞。

HARUKOさん

モデル。短大時代、『JJ』にて山田明子(はるこ)の名でデビュー。以来、数々のファッション誌で活躍。’03年に結婚後、九十九里浜に移住、長女を出産。’12年に離婚。HARUKOに改名し、現在『STORY』にて活躍中。趣味はサーフィンと読書。


~第42回~

◇ 結婚相手の元妻・娘のことが気になって再婚に踏み切れません

30代で結婚しましたが3年で離婚。子どもはいません。4年ほど前からバツイチの男性と交際しています。最初は再婚するつもりはなかったのですが、年齢を重ねるにつれ、ずっとひとりでいるより、結婚したほうがいいのでは?と思うようになりました。彼も、私が望むなら、結婚しようと言ってくれています。
ところが、彼には娘さんがいて、元奥様と暮らしていて、養育費を払っています。離婚直後は月に1度お子さんと面会していたそうですが、小学校高学年になり、今では、誕生日前後など年に数回会う程度だそうで、「パパが再婚してもいい」と言っているそうです。私は子どもがいないので、彼のお子さんに対する愛情が理解できないのかもしれないのですが、お嬢さんと彼が定期的に会っていて、彼にお嬢さんに対する愛情があって、養育費を払い続けているということがなんとなく、ひっかかってしまうのです。結婚して、もし子どもができた場合、子どもを育てるためにはお金も必要になるので、今後の養育費のことも気になりますし、元奥様とのお子さんとは、義きょうだいになるんだ、と思うと不安も湧いてきます。どういう風に考えれば、彼の元家族を受け入れ(?)られるのか、または、割り切れるのかと、考えても考えても答えが出ず、困っています。

(東京都 M.Kさん 40歳 メーカー勤務)

HARUKOさん

厳しいようですが、そんな考えなら、結婚はやめておいたら、って思います。お相手の方、完璧な父親じゃないですか。養育費きちんと払って、1か月に一度子どもと面会して、今では誕生日前後に会って、しかも、「お父さんが再婚しても良いよ」って娘に言ってもらえるぐらいの関係を作れている父親なんてパーフェクト。

ジェーン・スーさん

私もそう思います。相手のことをそのくらいしか考えられないなら、やめたほうがいいと思います。

HARUKOさん

未熟なんじゃないかな。 人を愛するってどういうことかわかっていないのかも。

ジェーン・スーさん

養育費払わない人が多いなかで、養育費を払っているし、元奥さんとの関係も、きちんと割り切って上手に結べているからこそ、お子さんとの面会もスムーズにできるんだろうし、このお父さんは本当に素晴らしい人。

HARUKOさん

娘さんや元奥さんに会うのが嫌だなっていう気持ちはわかることはわからなくはないんです。でも、人生「愛」でしかないから、現状を受け入れられないなら、やめたほうがいいです。これで、結婚して、子どもができて、先妻に払っている養育費のことを色々言い出されでもしたら、ご主人がかわいそうですよ。

ジェーン・スーさん

そう。未熟な感情論としては理解できるけど、大人の考え方ではないです。相談者さんがひっかかっている部分は、ほかの場に出たら、全部自慢のタネになりそうなことじゃないですか。「うちの旦那さんは前の奥さんと、こうでこうでって」友達に話したら、「素晴らしい人だね」とか「ちゃんとしてるね」とか称賛されますよ。本当はして当然のことですが、できない人がいっぱいいるなかで、貴重な存在ですよ。自慢にしていいことを、ネガティブにしかとらえられないなら、未婚の人を探したほうがいいですよ。

HARUKOさん

せっかくこんないい人と出会えたんだから、もっと寛容になったほうがいい。彼を信じて、自分たちの家族を作る。そうして、彼の元家族も幸せになってほしいですよね。自分のまわりの人がみんな幸せになってこそ、自分も幸せだと思うんです。

当連載は毎週金曜日配信です。
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撮影/吉澤健太 取材/秋元恵美

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