【アートで共創教育 連載vol.11】「絵を描くのは苦手だと思っていた息子が……」ところ変われば子どもから見えてくるものも変わる!?

行ったことはあるけれど、ただ「きれい!」で終わってませんか? チームラボボーダレス――この新感覚ミュージアムが目指す「共創社会」について、子どもたちと一緒に考えてみます。

【アートで共創教育 連載vol.10】直感的な色彩感覚が大事!――デジタルアートの世界で子どもから教えてもらったこと

ミュージアムやイベント施設での楽しみのひとつがお土産!

子どもたちと美術館や博物館、イベント施設に行った時に楽しみなのが「ミュージアムショップ 」です。
他では購入できないマスキングテープやクリアファイル、イベントとコラボされたお菓子……etc. テンション上がりまくりで爆買いしてしまいます。
チームラボボーダレスでも、前回ご紹介した「世界とつながったお絵かき水族館」で自分たちが描いたものを「お絵かきファクトリー」でオリジナルグッズにして購入することができます!
(もう一つのお絵かき作品「グラフィティネイチャー 山山と深い谷 、レッドリスト」のお絵かきも同じくグッズにできます!)

世界に1つしかない、自分で描いた絵のグッズを手にすることで、子どもたちが達成感を味わうことができるだけでなく、遠くに住んでいるおじいちゃんやおばあちゃんに帰省のプレゼントとして渡すこともできますよ。
かなり喜んでくれます! 実際、うちでも子どもたちの描いた絵がプリントされたエコバッグを母に贈ったら、大喜びで使っていました。

どういうふうにできあがっていくかというと……

絵に苦手意識のある息子。
1枚目が満足できなかったらしく、2枚目で「イカ」を制作中。
娘は1枚にじっくり向き合い描いています。
絵を描く時も性格が出ますよね……。

息子は2枚目の「イカ」が気に入ったようです。

なんと、このスクリーンに映し出された絵を、お土産として持って帰ることができます!

「運動の森」のスペースにある「お絵かきファクトリー」、自分の絵をタブレットで選びます。

ここでは自分や他の来場者が描いた絵が一覧で出てきます。
息子はイカの絵を2枚選び、それを並べることにしていました。
さすが、デジタルネイティブ世代。操作説明をちょっと聞いただけで、サクサク1人で簡単にタッチパネル操作。
自分の絵がこんなところにも出てくることが嬉しいようです。
この操作を見ている時に私は感じました、

これこそ、目に見える達成感なんだ!〉

そういえば以前、2021年3月号で取材した、帝京大学の脳科学者・細田千尋先生がおっしゃっていました。

「小さな成功体験をたくさんさせてください。達成感や成功体験が自分の自己肯定に役立ちます」

確かに先生、絵に苦手意識のある息子の目がキラキラしています! 先生のお話に納得しました。
さらに、ここでは自分やお友達が描いた絵が2枚まで選択できて、デザインが自動生成されます。自分の絵がデザインされ、その場で完成品としてタブレットで見ることができます。
これはかなり嬉しい・楽しいことなんじゃないか!

「お絵かきファクトリー」では、缶バッジ、ハンドタオル、Tシャツ、トートバックと、4種類のオリジナルお土産が製作可能。(有料)
今回、2人は缶バッジとトートバックを選びました。

Tシャツもサイズ違いで作ることができるので、家族で着ることができそうです。

お土産は、大阪に住む子どもたちの祖母にプレゼント。

「絵、上手ね!」と喜ばれ、あまり絵を褒められたことがない息子は、照れくさそうに笑っていました(笑)。

お台場のチームラボーダレスは8月いっぱいでなくなってしまうので、非常に残念ですが、子どもたちはここに来るたび、何かしら新しい顔を私に見せてくれます。
今回は〈息子は私が思っていたより、絵が苦手ではないのではないか〉と思いました。
おそらく家にいただけではわからなかったこと。
「これもアートの力だな」と改めて感じました。
私にとってもアートミュージアムは心の余裕を保つことができる場所でした。

撮影/西あかり 取材/東 理恵

森ビル デジタルアート ミュージアム : エプソン チームラボボーダレス

森ビル株式会社とアート集団・チームラボが共同で2018年6月から東京・お台場のパレットタウンで展開する「地図のないミュージアム」。10,000平方メートルの中に520台のコンピューターと470台のプロジェクターを駆使して、圧倒的なデジタルアートを繰り広げる。2023年に東京都心部において新たなチームラボボーダレスを開館する準備に入るため、2022年8月31日をもって閉館。
https://borderless.teamlab.art/jp/

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