【弘中綾香さん】「クールじゃない私を見せたかった」エッセイ本の制作裏話
『あざとくて何が悪いの?』でおなじみの、テレビ朝日アナウンサー・弘中綾香さんが初のエッセイ集『アンクールな人生』を発売。画面上だけでは分からない弘中さんのパーソナルな部分が見える“回顧録”で、学生時代のちょっとした出来事から就職試験まで、さまざまなエピソードが赤裸々に語られています。今回は書籍制作に関わる裏話と、忙しいなかでも欠かせないリフレッシュ法について迫りました。
なるべく締め切りの3日前には、提出していたい
——『アンクールな人生』の帯に記載された、「毎月〆切を伝えた瞬間に次の原稿があがってくるのです」という担当編集さんからのコメントが印象的でした。〆切を聞いた瞬間に、原稿を提出することもあったのでしょうか?
さすがに毎回締め切りを聞くと同時に提出していたわけではないです(笑)! 調子のいいときだけ、ですね。「〆切は2週間後です!」って言われたときには、もう原稿ができているみたいなことはありました。小心者な性格なので、〆切は絶対に遅れたくなくて…少なくとも3日前くらいには送りたいんですよ。〆切当日なのに提出がまだってなると、私自身そわそわしちゃう。そのそわそわした感じを人に押しつけないように、早め早めは心がけてます。
—— 締め切りは関係なく、早め早めに書いていくスタイルだったんでしょうか?
今書ける!と思ったタイミングで書いていました。逆に書こうって気持ちがない時は、書かないって決めて。〆切に追われて書くと急がなきゃって思いが先行して、ついつい背伸びした言葉とかありきたりな言葉に帰結しちゃうじゃないですか。だからこそ、〆切にとらわれずに書きたいなと思ったんです。
ありのままの自分の姿を見せようと思いました
—— 著書のタイトルにある“アンクール”は、「クールでない」という意味。パブリックイメージもあるなかで、ご自身のアンクールな部分を見せることに不安は感じませんでしたか?
逆に見せようと思いました。立派な人間に思われているわけではないと思うんですけど、女子アナとして持ち上げていただくことも増えて、「正直そんな人間じゃないのにな…」って感じる場面も多かったんです。あと、このエッセイは10代、20代とか、今の私より若い読者を想像して書いたんですね。いい思い出もあれば悪い思い出もあって、悔しいことも経験しての私だから、一つのパターンとして人生の厚みみたいなものが見せられたらいいなと思って。
30代での予期せぬ出会いは、乗馬です!
—— エッセイの中では、現在まで予期せぬ出会いの連続だったことが語られていました。30代を迎えてから、何か刺激的な出会いはありましたか?
最近なんですけど、習い事で乗馬を始めたんです。エッセイにもたびたび登場するサークルの先輩が先にやっていて、誘われて行ったらすごく楽しかった。普段は全然運動しないですし、アウトドア系は日焼けするから絶対にしないって決めていたんですけど、やってみるもんですね…(笑)。月に1、2回ほどですが、楽しんでいます!
—— 習い始めて、今どれくらいなんでしょうか?
2カ月くらいです。初心者なので小学生の子たちと一緒のクラスなんですが、馬に乗って「わー!」ってはしゃいでいるだけで、いろいろなことを忘れて楽しめるというか。自分自身のリセットにもなっています。
—— 自然に囲まれた乗馬って、すごくリフレッシュできそうですね。
なんか異世界な感じがするんですよ。コンクリートに囲まれたオフィスと違って、空が広くて空気も新鮮。馬に乗ると視界も変わるので、休みの日に別世界に行っている感覚です。ちなみに私自身はまだそこまで至っていないのですが、長く乗馬をしている方からすると、馬の性格やその日の調子に合わせて接するのが乗馬の楽しみのひとつでもあるらしいんです。やろうと思ったことがうまくいくときもあれば、馬と気が合わなくてできないときもあったり…そんなこともこれから体験してみたいです。
フォトギャラリー(全4枚)
テレビ朝日アナウンサー弘中綾香の初エッセイ集
『アンクールな人生』が9月14日に発売
2年以上にわたる『ダ・ヴィンチ』での連載をまとめた『アンクールな人生』は、幼少期に始まる自身の半生を振り返った「早すぎる回顧録」(本人談)。「かわいいだけじゃやっていけない」と悟ったという子供時代、自身が「暗黒期」と語る中学時代。そして現在のアナウンサー・弘中綾香の“骨格”を形作った高校時代を中心に、30代を迎えた今だからこそ紡ぎだすことのできる等身大の姿が、この一冊におさめられている。
弘中綾香
1991年2月12日生まれ。2013年にテレビ朝日入社。女性アナウンサーとして『激レアさんを連れてきた。』『あざとくて何が悪いの?』『ノブナカなんなん?』など数多くの人気番組に出演するほか、雑誌連載など活躍の幅を広げる。「好きな女性アナウンサーランキング」(オリコン調べ)では、2019年以降3年連続で1位を獲得。
撮影/花村克彦 取材・文/所 優里 編集/宮島彰子(CLASSY.ONLINE編集室)