【元宝塚・花總まりさんインタビュー】「『なんとかなる!』が私にとってのウェルビーイング」
ミュージカルファンにとっても特別な作品として圧倒的な人気を集めている『エリザベート』。宝塚歌劇団での日本初演以来、タイトルロールを務めている花總まりさんのスペシャルインタビュー後編では、花總さんが考える「ウェルビーイング」についてお話をお聞きしました。
――CLASSY.ではウェルビーイングなライフスタイルを発信しています。自分がハッピーになること、自分を高める行動をすることで、自分だけでなく周りもハッピーにしていきたいというスタンスですが、花總さんが考える「ウェルビーイング」についてお聞かせください。
ポジティブに「なんとかなるよ!」と考えるようにしています。考えすぎることがよくあるのですが、掘り下げすぎると自分の気持ちまで下がってしまうので(笑)! 落ち込んでいきそうな私を、前向きな気持ちで引き上げるようにしています。私が前向きでいると周りにも伝わるので、皆も一緒に幸せになれる考え方だなと思っています。今回の『エリザベート』の舞台では事前に勉強する時間が少なく「こんなはずじゃなかった…」となりましたが(笑)、「こういう流れが、結果いい方向に向かうんじゃない?!」とポジティブに切り替えました!
自分の固定観念が、自分を縛りつけていることってよくありますよね。そんな固定概念は取り払って、あまり後ろは振り返らず、勝手に作った先も見過ぎず、「今今今!」です(笑)。今を大切にして、そんな今を繋げていったら、きっと素敵になると思うんです!
――昔は自分を縛っていましたか?
縛っていたと思います。例えば昔は『エリザベート』の舞台が決まったら、全体のお稽古が始まる数カ月前から個人レッスンやトレーニングをして準備万端で挑んでいました。でも最近の世の中は予定通りの日々を送ることができませんよね。なので最初は「私、大丈夫?!」となったのですが、焦るよりは自然に受け入れたほうがいいほうに向かいそう!と考えるようになりました。
――花總さんが毎日の生活の中で実践している「ウェルビーイング」なことは?
私には、仕事のスイッチをオフにした時間が絶対に必要です。どんなに大変なお稽古が続いていたとしても、仕事とは関係のない夜の時間を大切にしています。ベッドに入ったら本を読んでスイッチをオフにし、眠りに入るという感じです。睡眠時間が長いにこしたことはありませんが、量よりも「スイッチがオフされている」という質が大事な気がします。オンのままだといろいろなことが頭をぐるぐる回ってしまい「あそこはどうしたらいいんだろう?」とか「どうしよう、できっこない!」とか永遠に止まらないんです(笑)。身体は動いていなくてもまったく疲れが回復しないので、このままではいけないと思ってからは、仕事のことをまったく考えない夜の時間を大切にしています。
花總まり
‘91年宝塚歌劇団に77期として入団。’94年に入団3年目というスピードで雪組トップ娘役に就任。‘96年、日本初演となる『エリザベート』でタイトルロールを演じ、’98年に再演。’06年退団。トップ娘役就任期間は12年を超え歴代最長記録となる。’15年東宝ミュージカル『エリザベート』で再び主演を務め、’16年、’19年に続き、今回の’22~23年公演でも主演を務める。
『エリザベート』
‘96年に宝塚歌劇団により日本初演、’00年の東宝版初演から観る者を魅了し続けてきた大ヒットミュージカル『エリザベート』が、’22年秋~‘23年に待望の上演決定! ミヒャエル・クンツェ(脚本/歌詞)、シルヴェスター・リーヴァイ(音楽/編曲)、小池修一郎(演出/訳詞)という最高のクリエイター陣が集結。花總まり、愛希れいかがWキャストでタイトルロールを演じ、観客を美と退廃の世界へ誘う。’22年10月9日(日)~11月27日(日)東京 帝国劇場/12月5日(月)~12月21日(水)愛知 御園座/12月29日(木)~’23年1月3日(木)大阪 梅田芸術劇場メインホール/1月11日(水)~1月31日(火)福岡 博多座
【衣装】ブラウス、ブーツ<ともに参考商品>スカート¥306,900(すべてブルネロ クチネリ/ブルネロ クチネリ ジャパン☎03-5276-8300)ピアス¥689,700バングル¥1,023,000(ともにTASAKI☎ 0120-111-446)
撮影/平井敬冶 ヘアメーク/野田智子 スタイリング/戸野塚かおる 取材/よしだなお 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)