広末涼子さんが語る「親離れ、子離れ」。概して離れられないのは、親のほう…!?

高校生、小学生の3人の子どもを育てながら、女優としても輝きを放つ広末涼子さん。毎月〝思春期ママ〟たちと思いを共有する場となる連載エッセイ。今回は、永遠のテーマ「親離れ、子離れ」について語ります。

▼前回の連載は
広末涼子さん「今、学校任せじゃいられない性教育。では、家庭でいつから、どう教える……!?」

連載一覧はこちら


口を出したくなる気持ちを抑えて、まずは、我が子の〝できる〟を信じてみよう!

いつまで添い寝して一緒に寝てもいいんだろう? いくつまでお風呂に一緒に入っていいんだろう? 何歳になったら、習い事の送迎はせずに一人で行かせるべきなんだろうか、宿題をチェックしてあげるのは何年生まで? スマホやiPad、ブロックを親がかけて管理するのは、いつまでだろう……?

しつけとお節介、親としての心配と過保護、親としての責任と子どものプライバシー、本当に全てが紙一重ですよね。子どもにとって必要だと思って、教えたり注意したりしていることも、はたから見ると過干渉だと捉えられたり、子どもからすると、「もう! わかってるよ」と嫌がられたりすることも。

子ども自身が、〝できる〟ことを親が先に手を出してやってあげてしまったり、危険回避のために先回りして手助けしすぎてしまうことで、その子の〝できる〟を奪ってしまわないことが大事ですね。

例えば、忘れ物。学校への持ち物や習い事、ランドセルの準備や出かける支度は、皆さんどうしていますか? ママがぜーんぶやっちゃったりしていませんか? はい……実は私も、長男の子育ての時は、全て私が。毎日の持ち物チェックも合宿などの荷造りも、全部私がやってあげてしまっていました。

そうすると、どうなるか。ご想像のとおり、忘れ物をしたらママのせい。だから、ミスがあればママがフォローしてしまう(お弁当を自宅に忘れていったら、学校まで急いで持って行く! 等)。そして当の本人は、悪気もなく、なんなら自覚もないわけだから(苦笑)自分で支度や準備、持ち物の管理ができない子どもになってしまう……という悪循環。

そんなことに気付かされたのは、長男が小学校3年生だった時、彼の担任の先生からの一言でした。いつものように朝はバタバタ、朝食とお弁当作り、洗濯にと家事に追われ、さらに仕事の準備と自分の身支度にと時間に追われていたある日、長男を見送った後、ポツンとリビングに残されていた水泳バッグ。はぁ……あんなに何度も「忘れ物はない?」「お弁当、水筒、水泳バッグ持った?」と声をかけたのに。

仕事現場に間に合うように、早く忘れ物を届けなくてはと急いで車に飛び乗り学校へ。「先生! スミマセン。水泳バッグを忘れてしまって」と教室へ行った私に先生は、「あぁーご苦労さまです。でも今度から届けなくていいですよ~、忘れたのはお母さんではなく本人ですから!」と、驚きの一言!!

まだまだ小学生だから、忘れ物は母親の管理不足だと思っていた私にとって、ハッとさせられる言葉だった。届けなくていいのか! 夏の暑い日に、みんながプールに入っているのに、水泳バッグを忘れたせいで息子だけ入れないのは可哀想だと思ってしまった私。

それに、授業に参加できないと迷惑をかけてしまうから、親として当然、忘れ物は届けなくてはと思ってしまった私……。「忘れたのは、本人ですから!」(by先生)。つまり、〝本人にきちんと反省&自覚をさせてください〟という先生からのメッセージに、自分がどれだけ過保護な新米ママだったのかを気付かされたのでした。

子どもの安心、安全の日々を考えるとどうしても〝子離れ〟ができなくなってしまうのが母親。つい、口出ししてしまうのがママという生き物。けれど、少しずつ、そう本当に少しずつでいいから、子どもを信じて、我が子を信頼して、〝見守る〟ことが大事

「乳児はしっかり肌を離すな。 幼児は肌を離せ、手を離すな。 少年は手を離せ、目を離すな。 青年は目を離せ、心を離すな。」私の好きな〝子育て四訓〟。

あなたにも届くといいです。

〈次回へつづく〉

広末涼子さんと一緒に考えたい「思春期子育て悩み」募集中!

ママ達のリアルな子育て悩みを募集します。以下を明記の上、storyweb@kobunsha.comまでメールをお願いします。

■メール件名に【広末涼子さんWEB連載】思春期子育て悩みとご記入ください。
ご本人のお名前(イニシャルでもOK)、年齢、お子さまの年齢、性別をご記入ください。
■思春期子育て悩みを具体的なエピソードを交えて教えてください。

広末涼子

1980年高知県生まれ。14歳でデビュー後、CM、ドラマ、映画と数々のヒット作に出演。日本アカデミー賞をはじめ受賞歴も多数。初の書き下ろしエッセイ『ヒロスエの思考地図 しあわせのかたち』(宝島社)発売中。出演映画「あちらにいる鬼」が11月11日公開。

モデル&文/広末涼子 撮影/赤尾昌則(White STOUT) ヘア・メーク/MAKI スタイリスト/竹村はま子 取材/奥村千草 ※情報は2022年12月号掲載時のものです。
【衣装クレジット】ワンピース¥44,000(カレンソロジー/カレンソロジー青山)ブーツ¥41,800(ル タロン グリーズ/ル タロン グリーズ ルミネ新宿店)右耳ピアス¥38,500左耳ピアス¥26,400(ともにリューク)

おすすめ記事はこちら

・人気コーディネートランキング!STORY11月号でみんなが気に入った着こなしは?
・「スーパーも行きます」広末涼子さんの週末コーデと超多忙な毎日を乗り切る秘訣!
・【広末涼子さん連載vol.13】家庭ごとに違う金銭感覚。お金の大切さ、子どもにはどう教えていく?
STORY