“きれいなおねえさん”水野真紀さんの、更年期を寄せ付けない方法とは

初代「きれいなおねえさん」や「お嫁さんにしたい女優」として人気を博した水野真紀さん。楚々としたイメージと、いい意味でそれを裏切るようなアクティブかつ向上心のある生活習慣が、更年期の気配を寄せ付けないようです。

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◯水野真紀さん(52歳・女優)

1970年3月28日、東京都生まれ。1990年、女優デビュー後、さまざまなドラマ・映画・舞台などで活躍。毎週月曜日に更新される水野真紀オフィシャルブログ「女優的養生訓 〜一日一健〜」では持ち前のお茶目さと唯一無二の文才を披露中。司会も務める「魔法のレストラン」(毎日放送)は21年目を迎える。

体に良い食事、運動、目標。
継続力こそ更年期を助ける味方です

40代なかば、頻繁に汗をかくなあと思った時がありましたが(*1)、漢方などを飲んだらすぐに収まりました。それ以降、50代になるまでとくに更年期症状はありません。

私には少し年上のお友達や仕事仲間が大勢いて、普段から「40代になると変化が出てくるよ」「そろそろこういう不調が来るよ」というお話をよく聞いていたので、慌てずに対応できた気がします。普段から人生の先輩から言われることを胸にとめておくと信頼筋からの情報網ができ、加齢によってみんなに起こりうる問題が自分にふりかかっても「みんな通る道なんだ」と落ち着いていられます。

【*1・頻繁な汗】

更年期には、女性ホルモンの一種・エストロゲンの分泌量が低下し、自律神経が乱れます。自律神経には汗腺を調節する機能があるので多汗の症状があらわれがちに。手足ではなく、顔や頭、胸、背中など上半身を中心に汗をかくことが多いことも特徴。汗に匂いがある時やとくに夜中の寝汗がひどい時は婦人科へ。

◇ ウィーキングと筋トレ、正しい排泄を意識した食事を30年以上。才能がないなら努力すればいいだけのこと。

–水野真紀さんは強烈に記憶に残っている初代「きれいなおねえさん」。楚々としたお嬢様女優として非の打ち所のない良妻賢母イメージです。が、最近では幼稚園教諭免許に続き、保育士免許も取得するなどたいへんな勉強家かつ、免許取得の動機が社会福祉精神あふれたものであることや、毎週更新されるブログの内容がユニークで親近感あふれるものだということなどが大きな話題に。

更年期をつつがなく過ごせているのは、長年、「食事」「排泄」「運動」に注力してきたからだと思います。というのも、デビューした時は平凡な女子大生。実は高校時代、好きな男の子に冷たくされて、その悔しさから応募したオーディションがまさか通ってしまったという経緯でしたから(笑)、ポテンシャルも覚悟もない状態でした。

そんな私を育ててくれたのは、周りの人や事務所の方。そんな私を「きれいなおねえさん」というパッケージに包んで世に送り出してくれたわけですから、撮影時に吹き出物があってはいけないし、オファーしていただいた時より太るのはNG、そういう人たちをがっかりさせたくない、自分を選んでくれた人の期待を裏切りたくないと思っていました。

今日食べるものが10年後の自分を作ると考えて、季節のものを栄養バランスよく摂ること、暴飲暴食しないこと、小麦粉よりは全粒粉、白米よりは玄米や雑穀米というように考えて食事しています。19歳のころから通っている清水千代美先生のお料理サロンでは新しいメニューのヒントをいただけるのはもちろん、主宰の先生が、ほぼ私の10歳年上、人生の良き先輩ということもありいろんなお話がうかがえるのも楽しみ。

また、食べるうえでいちばん大事にしていることは排泄習慣。毎朝お通じがあることがマスト。20代のころ「お通じがないのは、 生ゴミを体内に溜め込んでいるようなもの」という言葉を聞いて以来、排泄に関しては、神経質なほど気をつけています。そのころからヨーグルトを摂る習慣がはじまって、今は毎朝特製ヨーグルトをいただくのが日課です。ゴミを減らしたいという思いもあって、ヨーグルトメーカーで作ったヨーグルトと国産乾燥おからパウダー、黒大豆きな粉、黒すりごま、ココアを1:1:1:1:1の割合でティラミス風に重ねていただきます。

運動に関しても20代からコツコツ走ることとダンベル体操を続けています。25~26歳のころに一人でニューヨークに行ったんですが、セントラルパークが見えるホテルに泊まって窓の外を見たら真冬の2月なのに公園を走っている人が大勢いるわけです。それを見たらいてもたってもいられずに部屋の中で「その場走り」みたいなものをしていました。帰国してから「家の周りを走れば、ジムに行かずに20分で済んじゃうかも」と気づいたのがラン人生のスタートです。

45歳のころに半月板の水平断裂の除去手術をして以降は土の上での走り中心。2キロのダンベルを持ってのスクワットや二の腕筋トレも四半世紀以上。鍛えすぎて、あるCMのクライアントさんから「撮影まではあまり鍛えないでください」ってお願いされたほど(笑)。でも、よく言われる「更年期をソフトランディングさせるためにはバランスよい食事と適度な運動、仕事と家族以外のコミュニティを持つこと」を期せずして20代から続けている気がします。

あとは朝晩体重計に乗って体重計と仲良くすること。私は最近部位別に筋肉量・脂肪量が出るハイテク体重計を買いました。

◇ 推し活したり、幼稚園教諭や保育士の免許を取ったり。興味と感性を錆びつかせなけれな体も滞りません

–また水野さんと言えば熱心に「推し活」していることも話題です。日系ブラジル人歌手のカルロス・トシキさんについてはオンラインサロンに加入し、10月に行われた3年ぶりの来日ライブにも参加。ジャニーズJr.や宝塚歌劇団、ガルネリウスというメタルバンドなども応援するなど多ジャンルの推しが。またポッドキャストの「Over the sun」(ジェーン・スー、堀井美香)を“0回”から聴いているそうで、好奇心の感度もビビッド。「やや広く、やや深く、くらいが丁度いい。これらは結局、人との繫がり&応援となります」と言うのも納得です。

私は一般的には更年期世代ですが自覚症状を感じずに済んでいる今思うのは、人生って軸を複数持っておくといいんじゃないかということ。仕事を本格的に始めることになった短大卒業前の時期、学校という拠り所がなくなる不安からか、1年後仕事があるかもわからない、将来になんの保証もない業界に飛び込むことに対してナーバスな気分になってしまって。その時の私の様子を見た父から「仕事のかたわら、どこか学校に通ったほうがいいんじゃないか。友達と学び合う場を持つのは良いことだ」とアドバイスを受けたんです。

父から見たら娘が業界だけ、仕事だけに依存していると心身のバランスを崩すように思えたんでしょうね。当時、「27歳までに周囲に認められる女優になっていなかったらお見合い結婚して寿退職」と考えていたので、まずは事務所に内緒で花嫁修業みたいな学校へ(笑)。学びや先生、仲間は心の支えとなります。父の助言はまさに的確で、以来、仕事以外での学びを忘れないようにしています

48歳で聖心女子大の教育学科2年に編入学し、幼稚園教諭一種の免許を取得してから、先日保育士資格も取ることができました。月に4回ほど、息子が卒園した幼稚園でボランティアとしてお手伝いしていますが、子どもの成長過程ってほんとに面白い。私が鉄棒で前回りの連続回転をすると子どもたちにウケるんです(笑)。将来的には家庭と仕事の両立が大変なお母様方のお役に立てるような活動もしていきたい。学童保育だけでは時間的に不十分なご家庭のお子さんをお預かりして、一緒に料理を作ったりしてもいい。私が今まで得たもの、学んだものをこれからの世代に還元できると面白いのかな。

夢っていろんな種類があると思うんですが、自分だけの将来の夢、じゃなくて、夢の持ち方っていっぱいあると思うんです。これから未来を担う世代のために何かしたいというのも夢。私はブランドものを買ったり、高価な食事にお金を払ったりはしていませんが、自分を教育するという意味ではすごく自分に投資し、夢を育ててきました。そういうバランスを意識していたことも安定した更年期を過ごせている一因なのかもしれません。

カーディガン¥396,000ワンピース¥162,800スニーカー¥95,700 (すべてジョルジオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン)ピアス¥528,000(デビアス フォーエバーマーク)エプロン(スタイリスト私物)
撮影/田頭拓人 ヘア・メーク/長船恵子 スタイリスト/村井 緑 取材/柏崎恵理 ※情報は2022年12月号掲載時のものです。

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