news23メインキャスター小川彩佳さん「仕事の原動力は、子どもの存在です」

生活リズムも価値観も自分優先でなくなったけれど、 本当は誰にでもあるずっと変わらず好きなことをインタビューする連載「オトナになっても好きなこと」。今回は、ニュースキャスターの小川彩佳さんにお話を伺いました。Web版では、仕事と子育ての両立、社会的課題などについて語っていただきました。

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「子育ても立派な現場」という言葉で気持ちを切り替えられた

 

——小川さんは現在、『news 23』のメインキャスターとして、月曜から金曜までお仕事をされています。忙しい日々を送られているのではと思うのですが、実際の生活はいかがですか?
自分でも、子育てしながらどうやって毎日回っているんだろう、と思うことがあります。帰宅して就寝できるのが深夜の2~3時。それでも、朝は子どもと一緒に6~7時には起きるので、二段階で睡眠をとっているんです。

 

——二段階睡眠って、なんですか!?
子どもを保育園に送り出した後、もう一度睡眠をとるようにしているんですよ。じゃないと、よほどショートスリーパーじゃないと無理ですよね。トータルでの睡眠時間は確保しています。

 

——忙しいなかで、お子さんはシッターさんにお願いされているのですか?
できることは自分でやりたいと思っていて、今のところ、シッターさんにはお願いしていないのですが、家事サービスはお願いしています。そして、保育園の先生方、家族に支えられて、毎日をやりくりしています。本当に感謝ですね。

 

——お子さんとの時間はいかがですか?
復帰前は一緒に過ごす時間がなくなるかと心配もあったのですが、朝はもちろん、お迎え後お風呂も一緒に過ごすようにしていて。急遽取材が入ることもままありますが、基本的には同じ時間に打ち合わせがあり、入り時間もほぼ決まっているので、そういうことが可能なんです。結果的に、子どもと触れ合う時間がとれているんです。

 

——帯番組を担当しながら子育てをするなかで、一番大変なことはなんですか?
なかなか穴をあけることはできないというプレッシャーがかかる仕事ではあるかもしれません。子どもは急に熱を出すこともあるので、そういうときは大変ですよね。家族に助けてもらって何とか切り抜けています。

 

——情報のアップデートや勉強の時間などは、どう捻出されているのですか?
そこは困っているんです。時間をやりくりはしているのですが、以前のようにいつでも取材にいけるという状況ではないし、自分の時間を自由には使えないので、難しいところです。ただ、取材時間の確保について悩んでいたときに、当時の上司に「子育ても立派な現場だと思うよ」と言ってもらえたことがありました。そんな風に言ってもらえてとてもありがたいとともに、たしかに、子どもと一緒にいて初めて気づくこともあるな、と気持ちを新たにしました。いまは、諦めるところは諦めるように、気持ちを切り替えています。

 

何かを失うということは、得たものもある

 

——読者から「子どもはかわいいけれど、独身時代の自由な時間がなくなってしまって戸惑っている」と相談をいただくこともあります。小川さんも仕事と子育ての両立で、ふと、そのような気持ちになることはありますか。そんなときはどのように奮い立たせていますか?
独身を謳歌したりとか、仕事を100%楽しんでいたりした人にとっては、どうしても子育て中は、自由な時間が少なくなります。私もその感覚はわかります。私はもともと子どもが欲しいと思っていたのですが、子育てをしているなかで「子どもがいるって、こんなに人生変わっちゃうんだ……」と途方に暮れたこともありましたね。でも、すべての局面で、何かを失うということは得たものもある、ということを常に考えています。得たものは何か、という方に意識を向けることを大事にしています。もしかすると開き直りに近いのかもしれないですが、自分の得たもののなかで見える景色をもっと大事にしようと思ったときに、葛藤は楽になりました。

 

仕事に向き合う姿、子どもにも見せていきたい

 

——いま、仕事を続ける原動力はズバリなんですか?
完全に子どもです。背中を見せたいという思いと、子どもの将来のために続けたいと思っています。報道に携わる仕事は、究極的な目的が、よりよい世の中であってほしいとか、よりより未来が築かれていってほしいといった願いがあると思うんですよね。その思いは子どもがいることで、より強くなりました。この仕事に向き合って頑張っているママの背中を見せていくことも、子どものためになるのかな、と思います。誰かが一所懸命になっている姿も、きっと刺激になると思うので。

 

——世の中の変化は目まぐるしいですが、数十年後、子どもたちが子育て世代になったとき、どんな世の中であってほしいと思われますか?
数十年後に願うのは、今以上に、どんな立場であれお互いの生き方を尊重し合い、受けいれ合うことができていたら、ということです。家庭の形も様々です。シングル家庭も、レズビアンやゲイの家庭も、おじいちゃんおばあちゃんや親せきが子育てをしている家庭も、肉親じゃない方が保護者の家庭も、もちろん子どもがいないカップルも、独身を貫く方も。いろいろな幸せの形が当たり前にあって、それぞれの立場でもっと安心できる環境があったらいいなと思います。私はこの生き方、あなたはこの生き方ね、ともっと自然に思えたらいいですよね。私はこの生き方、あなたはこの生き方ね、ともっと自然に思えたらいいですよね。

プロフィール

●おがわあやか
フリーアナウンサー。青山学院大学卒業後、テレビ朝日に入社。独立後は、TBS系報道番組「news23」(月~木曜・23:00、金曜・23:30)のメインキャスターに抜擢される。プライベートでは、 2 歳を育てる 一児のママ。

撮影/佐藤航嗣〈UM〉 取材・文/馨都 編集/城田繭子

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