キユーピー3分クッキングの元アシスタントが作る秘伝のお弁当

長年、料理の仕事に携わってきた〝ばあば〟のレシピには、知恵と工夫と愛情がいっぱい。あわただしい毎日を送る美ST世代に伝え遺したい、とっておきの美容弁当を教えてもらいました。

▼あわせて読みたい
70歳ばあばが伝授!驚くほど簡単で失敗がないレシピって?

藤野嘉子ばあばの長生き弁当は「すき煮の牛丼弁当」

すき煮はふたたび火にかけて煮詰め、汁けをしっかりきってからご飯にのせます。肉は旨みが出切ってしまうけれど、肉の旨みがしみた玉ねぎやしめじがおいしいので、たっぷり入れたいですね。もしあれば紅しょうが、甘い炒り卵を入れて彩りよく仕上げましょう。

作り方は?

【材料】(2~3人分)
牛切り落とし肉……200g
油麩……小2本
玉ねぎ……1個
しめじ……1/2パック
いんげん……50g(さっと塩ゆで)
だし……200ml
砂糖……大さじ2
醬油……大さじ2と1/2
酒……大さじ2
油……小さじ1

【作り方】
① 油麩は1cm幅の輪切りにし、たっぷりの水に5分ほど浸けて戻し、軽く水けを絞る。
② 玉ねぎは繊維に沿って1cm幅のくし形に切り、しめじは石づきを除き大きめにほぐす。牛肉は食べやすい大きさに切る。
③ 鍋に油を熱し、牛肉を全体に広げ炒める。半分くらい色が変わってきたら、砂糖を振りかけて炒め、醬油、酒も加えてさっと炒め合わせ、だしを加え、強火で鍋底をこそげながら沸かし、アクを取る。
④ 火を弱め、牛肉をまとめて端に寄せ、玉ねぎ、油麩、しめじをぎゅうぎゅう詰めるように入れ、蓋をして10分ほど煮る。味を見て、甘ければ醬油、濃い場合はみりんまたは酒を適量(分量外)加え、調える。
⑤ 器に盛り、半分に切ったいんげんを添える。

①油麩は少し硬い部分が残っているくらいで大丈夫
②玉ねぎは繊維に沿ってくし形に切ります
③肉に半分くらい火が入ったら砂糖をまぶし、醬油、酒を入れて
④牛肉を寄せて他の具材をぎゅうぎゅう詰めます

\お麩入りすき煮の完成!/

藤野嘉子さんがまとう雰囲気をひと言で表すなら〝軽やか〟。60歳を前に、都心の持ち家から下町のコンパクトな賃貸マンションに住み替え、仕事柄たくさん所持していた食器類や調理道具も、すっきり整理したと言います。

「もう若くはないけれど、夫も私も元気だし、やりたいことだってたくさん。だからなるべく身軽に、変化を恐れず暮らしていきたいと思っています。仕事ではさまざまな料理を作りますが、家で食べるのは、煮物やお浸しといった定番のおかず。だから、たくさんの道具はいらないんですよね。食べることは生きることだと言うけれど、頑張りすぎる必要はなくて、簡単な外食でも、お弁当でも、おいしくお腹を満たせるならそれで十分。これまで以上に体の声を聴いて、日々の料理を作っています」

そんな藤野家の定番から教えてくれたのが「お麩いりすき煮」。日常の〝ほどよい〟ごちそうです。

「すき焼きとなると構えてしまうけれど、『財布も自分もそんなに頑張れない。でも甘辛いお肉が食べたい』とき、手軽に作れるおかずです。主役は、切り落としの牛肉と、油麩。煮汁を吸ってモチモチしたお麩が最高においしいの。調味料の砂糖、醬油、酒は同量でもいいのですが、私はそれだと少し甘く感じるので、醬油をやや多めに。出来上がる直前に味を見て、甘ければ醬油、濃ければみりんや酒を足して調整します。料理は鍋の中で完成するのではなく、人が食べた時点で完成するものだから、食べる人の好みや体調、飲むお酒、他の料理との組合わせをイメージすることが大事。レシピはあくまでたたき台として、遠慮せず、どんどんアレンジすればいいんです。自分の感覚を磨いてね」

レシピに遠慮しないで。自分の感覚に沿った料理がいちばん心地いい

学習院女子高等科卒業後、香川栄養専門学校製菓科に入学。在学中から「キユーピー3分クッキング」のアシスタント、料理研究家の助手を務める。1985年に独立し、各種メディア、講習会などで活躍。フレンチシェフの夫、菓子研究家の娘とともに営む「カストール&ラボラトリー」は昨年秋に港区南青山から中央区日本橋本町に移転。通常の料理教室のほか、定番の味噌を作る会など、季節に合わせて楽しむ教室も開催している。

教えてくれたのは……料理家 藤野嘉子さん(65歳)

こちらの記事もおすすめ

66歳ばあばが作る【韓国風おにぎり&牛肉スープ】の長生き弁当レシピ

長年、料理の仕事に携わってきた〝ばあば〟のレシピには、知恵と工夫と愛情がいっぱい。あわただしい毎日を送る美ST世代に伝え遺したい、とっておきの美容弁当を教えてもらいました。

2023年1月28日 20:30

元オレンジページ編集者直伝!20年以上愛される【ねぎ豚弁当】レシピ

長年、料理の仕事に携わってきた〝ばあば〟のレシピには、知恵と工夫と愛情がいっぱい。あわただしい毎日を送る美ST世代に伝え遺したい、とっておきの美容弁当を今回は料理研究家・川津幸子さん(67歳)に教えてもらいました。

2023年1月8日 20:00

ヤクルトだから頼れる「エイジングケアにも乳酸菌」

ヤクルトの長年にわたる乳酸菌研究と肌構造研究を集結させて生まれた「パラビオ」。独自の技術で、乾燥、ハリの低下、くすみなど様々なエイジングサインにアプローチするヤクルト最高峰のスキンケアです。ハリのあるイキイキとした肌が印象的な遼河はるひさんも「パラビオ」に魅了されています。

2023年2月17日 12:00

2023年『美ST』3月号掲載 撮影/須藤敬一 取材/伊藤由起 編集/小澤博子

美ST