【池松壮亮・浜辺美波・柄本佑】超多忙な3人の〝これがあると頑張れる!〟ものは…⁉

庵野秀明さんが監督・脚本を務める超話題作『シン・仮面ライダー』で共演している池松壮亮さん、浜辺美波さん、柄本佑さんへのスペシャルインタビュー。後編では、ハードな今作の撮影を乗り越えた三人の〝自分へのごほうび〟や、落ち込んだ時のリカバリー法教えてもらいました。

――『シン・仮面ライダー』の撮

――『シン・仮面ライダー』の撮影は体力的にも精神的にも大変だったとか。心身ともに疲れたとき、「これがあると頑張れる!」というものはありますか?
浜辺 ロケで遠方に赴くときは、帰りにファーストフード店に寄ってもらって車中で食べながら帰ります。撮影終わりの安心感・解放感と一緒に、ちょっとヘビーなものを食べるのがすごく美味しいんです。大きな楽しみのひとつです。

――普段はファーストフードをあ

――普段はファーストフードをあまり食べないようにされていますか?
浜辺 すごく気をつけてるわけではないですが、そういう時のためにとっておくと美味しさが何倍にもなるので。ごほうびとして食べるほうが貴重ですし、とっても美味しいです。
柄本 めちゃめちゃドーパミンが出るんだってね、喜び物質みたいな。僕は…なんだろうな。仕事に関連したことになるけど、やっぱり映画館かな。映画館があるから頑張れてる。コロナ禍になって映画館に行く機会もちょっと少なくなったりして、今は戻ってきていますけど、行けない日々が続いたりしたのでね。映画館で大勢の他人が一つの人生を盗み見るっていう行為は(笑)、家でDVDを見るのとはやっぱり違うんですよね。奇しくも他人どうしが偶然に集まって、同じものをみんなで観てしまう――。映画が好きで、映画館に行けなかった日々というのが非常にしんどかったので、映画館に行ける幸せ、映画が観れている幸せは以前より実感としてありますね。

――疲れていても時間があれば、映画館に行かれますか?
柄本 そうですね。むしろ疲れてる時こそ、見に行きますね。作品はなんでもいいんです。極端な話、時間の合うものから観に行きます。
池松 僕も映画館に行くことは大きいですね。自分の仕事以外での活力は、映画館とビールとコーヒーかな。疲れてなくても飲むんですけどね。仕事上がりのビールは欠かせません。ライダースーツを脱いだ後のビールは、すさまじく美味いですよ。仮面脱いだ後のビールっていいですね(笑)。コーヒーは毎朝飲んでますし、常に飲みたいです。映画館は疲れてる時でも行きますね。昨日もずっと撮影続きで疲れていて半日休みができたので、映画館に行ってきました。ジャンルは何でも観ます。リフレッシュというか気分転換になりますね。実は、リフレッシュってあんまり考えないんですけど。

――仕事でもプライベートでも、

――仕事でもプライベートでも、へこんだ時や落ち込んだときはどうやって復活していますか? 気分を変えて前を向く方法やリカバリー法を教えてください。
浜辺 私は一回ちゃんと落ち込んで反省して、その分析をします。その後に自分の良いところを7つ以上思い浮かべて幸せな気持ちになるようにしています。人って7つ以上の物事を同時に考えるのがいいらしいんです。引きずっていいことはないので、しょうもないことでもいいから自分の良いところを10個くらいあげて寝ます。漠然とした不安感が漠然とした幸福感に変わるので、個人的にはすごく効果があると思っています。
柄本 なるほど~。俺は「あんなこと言っちゃったな、あんなことしてしまったな」ってことで落ち込んだりするんですけど。俺、いつも思うのは〝落ち込む〟って過去のことにならないんですよね。常に現在形で付いてまわるもので、その時のことが急に頭をよぎって、その時と同じようにギュって傷ついたりするから、その時の正解だと思う答えを導き出す。あの時なんて言えばよかったのか、どうすればよかったのか、その場面を自分のなかで解決してあげる。落ち込んだ記憶を自分なりの正解で包んであげると、自分のなかで納得ができる。解決すれば忘れられるっていうのもあるし、そういう時は実際に口に出して正解をしゃべって、漠然とした不安をまとめるっていうのかな。
池松 僕はそもそも落ち込むことがダメなことだとは思ってなくて。落ち込まない人なんて、すっごいつまんないと思います。落ち込むことは執着の裏返しですから、執着のない人は愛情もないでしょ。だから落ち込むことを否定するのではなく落ち込むことを前提に、落ち込んでも立ち直る、引きずりすぎないことをそれぞれにあった方法で見つけていくべきだと思います。受け入れないと。逃がしても後からまた来るでしょうし。具体的な克服の仕方はたいして持ってないですね。ただ心の受け止め方は常にトレーニングしているつもりです。試練だと思って受け入れます。頑張りすぎず、克服できる方法を考えます。人間ってよくできてるというか、自然に克服していくんじゃないかな。克服した頃には落ち込んでいたことすら忘れていたりする。とにかく逃がす方法ばかり考えないほうがいいですよ。もう受け入れる! さぼってもいいし停滞してもいいから受け入れて考える。リカバリーする方法なんてものはこの時代、たくさんあります。

池松壮亮
‘90年7月9日生まれ 福岡県出身●幼少期から俳優として活躍し、‘14年『ぼくたちの家族』『紙の月』などで日本アカデミー賞新人俳優賞はじめ数々の映画賞を受賞。近年の主な出演作は映画『斬、』『宮本から君へ』『アジアの天使』『ちょっと思い出しただけ』、ドラマ『シリーズ・横溝正史短編集』など。

浜辺美波
‘00年8月29日生まれ 石川県出身●‘17年、主演映画『君の膵臓をたべたい』で、日本アカデミー賞新人俳優賞をはじめ数々の新人賞を受賞。近年の主な出演作は、映画『賭ケグルイ』シリーズ、『思い、思われ、ふり、ふられ』『約束のネバーランド』、ドラマ『私たちはどうかしている』『ドクターホワイト』など。

柄本 佑
‘86年12月16日生まれ 東京都出身●‘18年、主演映画『きみの鳥はうたえる』『素敵なダイナマイトスキャンダル』などで数々の主演男優賞を受賞。最近の主な出演作は映画『痛くない死に方』『真夜中乙女戦争』『ハケンアニメ!』、ドラマ『ドクターホワイト』『空白を満たしなさい』『初恋の悪魔』など。

『シン・仮面ライダー』
‘71年にテレビ番組としてスタートし漫画も連載された『仮面ライダー』。生誕から50余年、舞台を現代に移して映画として新生、脚本・監督は庵野秀明が務める。人類の幸福を目的とする秘密結社(通称・SHOCKER)によってバッタとの合成オーグメントとなり、戦う運命を背負わされた男・本郷猛/仮面ライダーを池松壮亮、SHOCKERから⽣まれ組織から逃げ出した⼥・緑川ルリ子を浜辺美波、すべてが謎に包まれた男・⼀⽂字隼⼈/仮面ライダー第2号を柄本佑が演じる。●出演/池松壮亮 浜辺美波 柄本佑 塚本晋也 手塚とおる 松尾スズキ 他 原作/石ノ森章太郎 脚本・監督/庵野秀明 全国公開中

<浜辺さん着用衣装>ワンピース¥70,400パンツ¥38,500(ともにラウタシー/ブランドニュース)イヤリング¥3,300リング¥3,300(ともにダナエ/ダナエ ザ ファッション)<柄本さん着用衣装協力>ベルルッティ/ベルルッティ・インフォメーション・デスク︎☎0120-203-718
撮影/木村 敦 ヘアメーク/FUJIU JIMI<池松さん>寺田祐子<浜辺さん>東 みほ<柄本さん> スタイリング/瀬川結美子<浜辺さん>林 道雄<柄本さん> 取材・文/駿河良美 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)