「40代に本当に必要な美容成分って?」化粧品検定理事小西さやかさん、1級取得の武藤京子さんが考えた!|STORY
40代は今までと比べて肌悩みが変化し、多くなってくる年代です。次々と新しい化粧品が発売されるけれど、一体どんなものを選べばいいのか、自分には合っているのかなど、実際に必要なスキンケアアイテム選びがわからないという人は多いのでは!? コスメのプロフェッショナルである、一般社団法人日本化粧品検定協会 代表理事の小西さやかさんと同協会の特級コスメコンシェルジュでもあるモデルの武藤京子さんに「40代に本当に必要な美容成分」について語ってもらいました。
小西さやかさん
一般社団法人日本化粧品検定協会代表理事。科学修士としての科学的視点から美容、コスメを評価できるスペシャリスト、コスメコンシェルジュとして活躍中。著書は『「私に本当に合う化粧品」の選び方事典』(主婦の友社)など13冊、累計60万部を超える。
インスタグラム(一般社団法人日本化粧品検定協会)にて最新の美容情報を発信中。
武藤京子さん
お手頃かつ旬で上品なオシャレを得意とする“プレプラの女王”として人気読者モデルに。現在はSTORYモデルとしてビューティやファッションページで活躍中。日本化粧品検定特級を持つ。日々のコーディネートなどをアップしているインスタグラムはフォロワー3.2万人(2023.4現在)
40代の肌は「皮脂量が20代の約1/2」に
実は、40代では肌の皮脂量が20代の約1/2になるんです。そして角層は厚くなっていき、コスメは浸透しづらくなるのに表皮と真皮は再生が遅くなり、皮膚はどんどん薄くなっていきます。
皮脂量が1/2になるんですね! 確かに乾燥を感じやすくなりました。40代の中でも前半と後半では随分と肌が変化していくように思います。私の中では40代前半はプレ更年期、後半は更年期として肌の変化に対応していくようにしているんです。
40代は洗顔から「保湿」を意識したものがGOOD
「洗顔料の中に保湿成分が入っていても意味がないと思いがちですが、成分によっては洗顔後も残るものもあります」(小西さん)
保湿が必須になってくる40代は、石鹸派ならば皮脂をなるべく落とさない枠ねり石鹸を選びましょう。透明なものは枠ねり石鹸だと覚えておくといいですね。洗顔フォーム派ならセラミドやリピジュアなど洗浄で落ちない保湿成分入りのものを。時短派は、さらに泡で出てくるポンプフォーマータイプのものを選んで。私はもっぱらポンプ派です!
洗顔から保湿を意識したものを選んだ方がいいんですね! 朝に顔を洗わないという人もいますが、保湿という意味ではいいのでしょうか?
皮脂は寝ている間に酸化していくので、そのままにしておくのはよくありません。朝は皮脂が気になるTゾーンなどに軽く泡を乗せて洗い流すのがオススメです。
化粧水は浸透工夫がされたものを選んで
「40代後半になって、急に肌が乾燥するようになりました」(武藤さん)
40代になると肌は薄くなるのですが、肌の一番表面にある角層と呼ばれる部分は分厚くなってしまうんです。なのでスキンケアが入りづらくなっていくんですね。特に肌は油に馴染みやすくでできているので、水は弾いてしまいやすいんです。ですから、カバーマークのセルアドバンスドローションのような肌浸透工夫がされている化粧水なら、保湿がしやすいですし、美容液並みにエイジングケア成分が入っている化粧水もいいと思います。
私は、40代前半は抗酸化・抗炎症作用に優れたアスタキサンチンに注目して、アスタリフトジェリーアクアリスタを。肌が安定するようになりました。47歳の現在はより一層の保湿とヒト幹細胞培養液を使ったステムボーテローションを導入として使っています。
導入アイテムは、その後のコスメの浸透をよくしてくれるのでとてもいいですね! ヒト幹細胞培養液も再生効果が期待できるので良い成分です。
お二人のオススメ化粧水・導入はこちら!
美容液は高濃度がいい!?
「敏感肌の人には高濃度のものより、医薬部外品のナイアシンアミドがオススメ。セラミドをたくさん作ってくれて肌のバリアを強化してくれますし、さらに美白とシワ改善が期待できます」(小西さん)
40代には高濃度の美容成分が配合された美容液を使うと効率よく肌ケアが叶います。成分としてはナイアシンアミド・レチノール・ビタミンC。敏感肌の人は医薬部外品のナイアシンアミドから始めるのがベターです。
最近は急激な乾燥を感じるようになり、ヒアルロン酸より保水力が高いプロテオグリカンに注目してPG2ジェルを使っています。持ち歩いて目の周りなどにつけたり、夜は追いクリームのようにして塗っていて肌がしっとりするようになりました。人気の高濃度ビタミンCやレチノールは肌にかゆみや違和感を感じることが多くて。なかなか試すことができないんです。
ビタミンCは水溶性のものは大体酸性なのでピリピリと刺激を感じる場合が多いと思います。ピュア ニュートラ セラム 28のような、中性のビタミンCを選ぶのがオススメです。また、レチノールは、グラナクティブレチノイドというレチノールが進化した成分なら高濃度でも刺激が出ないので使いやすいと思います。
二人がオススメする成分の美容液はこれ!
角層が厚くなる40代の肌は「乳液」で水分と油分のバランスを整える
「角質が厚くなるので、水分と油分のバランスを整える乳液を」(小西さん)
角層が厚く硬くなりがちな40代の肌は、乳液で水分と油分のバランスを整えることで柔らかくなります。リニューアルしたシスレーの名品 エコロジカル コムパウンド アドバンストは、新しくCICAが入ってベタつかない使用感も40代にぴったり。乳液は油の割合が20から30パーセント、クリームは30から40パーセント。肌の状態や場所に合わせて使い分けると良いと思います。
この乳液はリニューアル前から大好きで続けています!
レチノール、ニールワンなどの油分と相性が良いシワ改善成分が配合されているものは、クリームで取り入れるといいと思います。
二人が使っている乳液はこれ
「角質ケア」「美肌菌ケア」のスペシャルケアを
「コラーゲンを摂るなど内側からのケアも大事にしています。将来の骨のためにも!」(武藤さん)
取り入れるべきスペシャルケアとしては、角質ケアです。ランコムのクラリフィック ブライトニング セラムのようなPHAのものならば肌が剥けるようなことなく穏やかに角質ケアができます。それから、週1から2で酵素洗顔をするのも有効ですが、40代はタンパク質分解酵素ののプロテアーゼだけのものを使って欲しいです。皮脂を取り去りすぎるということなく安心して洗顔できます。若い子が使うような酵素洗顔だと、皮脂を取りすぎてしまうので肌がパリパリになってしまうので要注意ですね。また、ランコムのジェネフィックアドバンスドのような美肌菌ケアができるものを使うと、保湿されて肌力が強化されるので40代にはいいですね。
私はコラーゲンについては内側から取り入れることをメインにしていて、ニッピコラーゲン100をお味噌汁やヨーグルトに入れて摂っています。将来の骨や肌のためにここ3年ほど続けているんですよ。
コラーゲンもペプチド化されているものを選ぶといいですね。40代はコスメでの外からの肌ケアに加えて内側からもケアをすることはとてもいいことです。
ゆらぎがちな40代の肌のために、成分からコスメを選ぶことってとても大事。改めて今の自分に必要な成分のことがわかったので、10年後、20年後の肌がイキイキとしていられるようにこれからもケアしていきたいですね。
撮影/沼尾翔平〈人物〉、光文社写真室〈静物〉 ヘア・メーク/広瀬あつこ 取材/尾崎亜佐子