「シミもシワも、白髪もあるし、体調の変化も感じます」天海祐希さん55歳のエイジング論

30〜40代の頃から「理想の上司No.1」「女が憧れる女No.1」を代名詞にしてきた天海祐希さん。天海さんのポジティブな年齢の重ね方、仕事や自分との向き合い方を伺うと、どれも頷くことばかりでした。

▼あわせて読みたい
3役を演じた天海祐希さんの特別カット集はこちらから

毎日幸せと感じたいから、シミもシワも頑張ってる自分もポジティブに受け止めたい

お話を伺ったのは……天海祐希さん(55歳)

《Profile》 1967年東京都出身。’87年宝塚歌劇団入団。’95年退団後はドラマ・映画などで活躍し’22年日本アカデミー賞 優秀主演女優賞など多数受賞。現在、主演ドラマ「合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明」が放送中。その他の代表作に映画『老後の資金がありません!』、ドラマ「トップナイフ -天才脳外科医の条件-」「緊急取調室」、舞台『薔薇とサムライ2ー海賊女王の帰還ー』(劇団☆新感線)など多数。劇場版『緊急取調室 THE FINAL』が6/16(金)より公開予定。

シミもシワも、白髪もあるし、体調の変化も感じます。「母たちが言っていたことはこういうことだったのか」と納得しつつ、せっかくそれが経験できる年齢になったのだから、対処しつつ楽しんでいます。逆に妊娠や出産をしない年齢になって、それに伴う様々なことで悩むことがなくなり、ラクになる年代でもありますよね。 私の近くには、草笛光子さん、吉永小百合さん、加賀まりこさんと、年齢を重ねてすごく綺麗でカッコいい方たちばかり。とてもステキでイキイキされていて、その年齢を楽しむことは絶対にできると、もう証明できているわけです。そういう方々を見て、負けていられないといつも刺激をいただいてます。だから年齢を重ねることに悩むこともないかなぁ。悩んでどうにかなることなら悩めばいいけど、どんなに抗っても1日1日過ぎていくわけですから。 人間関係も同じだと思います。合わないなぁと思う人っているし、その人と関わらなければいけない辛さ、私も経験あります。昔はどうすれば良いか考えたこともありますが、人に変わってもらうことを願うより自分の物の見方や考え方を変えるだけで、辛かった瞬間も充実したステキな時間に変わることに気づいて。関わらなければいけないことはきちんとして、それ以外は考えなくなりました。 嫌だなと思っても、「どうでもいいや」ってすぐ忘れるの。私、辛いこと苦しいことがあっても、あまりくじけず、傷つかない方かもしれません。そのコツや切り替える方法があるわけではなくて、とにかく「ま、いいや」って思うの。そうすると嫌なことは去っていきます。 それよりも、一番大切にしているのは、絶対に自分を攻撃しないということ。「自分はダメなんだ、私なんて」は一番良くないです。ダメな自分も頑張っている自分もわかっているから、「ここまでよくやった!」「1週間頑張ったよ」と、声に出して、よく言ってる。ここ数日も、ドラマ「合理的にあり得ない〜探偵・上水流涼子の解明〜」の撮影が結構な分量で続いたのですが、楽屋に戻り、毎日みんなで「よく頑張った。よくやってる私たち」と讃え合いました。みんなで共有するのってすごく大事。翌日また頑張れるから。そもそも私はこうやって女優をやらせていただき、新しい人とお芝居する楽しみをもらえたり、綺麗な洋服も着せてもらえていることが、本当に幸せだなと思っています。 でも仕事をしていないときは、家でずっとだらだらしているタイプ。トレーニング以外には特に趣味もないですから。「台詞を覚えなきゃ」「舞台に立たなきゃ」と思うことで、心が引き締まり、自分をキュッとさせる瞬間をもらえているんです。頑張る時間も気を抜いた時間も全部を含めて毎日が幸せですね。フットワーク軽く、思うとおりに動ける時間があとどれくらいあるかわからないでしょ? だったらすべてを楽しくいられる方を選びたい。めちゃくちゃポジティブですね、私(笑)。

「美容は気の持ちよう。夜中にお腹が空くと、これを食べると肌に悪いとか太るとか思わず、お腹いっぱいになって幸せな気持ちで寝た方が体にいいと思っています。医学的に何の根拠もないですが(笑)」

ケープ¥247,500、パンツ¥236,500※店舗限定(ともにファビアナフィリッピ/アオイ)リング¥48,400バングル¥116,600(ともにホアキン・ベラオ)Tシャツ スタイリスト私物

こちらの記事もおすすめ

脚本家・内館牧子さん(74歳)「心臓の病気より早稲田に落ちたことの方が辛かった」

13年半のOL生活を経て、40歳で脚本家デビューした内館牧子さん。常にその時々の社会問題や流行を敏感にとらえ、人生100年時代の今は、〝高齢者4部作〟がベストセラーに。「40代はゼロから再スタートが切れる年代です」と語る内館さんにお話を伺いました。

2023年4月15日 06:30

平井理央さんが語る、シングルマザーとしての再スタート「先輩アナが門出を祝ってくれました」

昨年末に婚姻関係の解消、シングルマザーとしての再スタートを発表され、現在新たな決意とともに仕事に育児に邁進されているフリーアナウンサーの平井理央さん。キュートな笑顔と柔らかなたたずまいの奥にある芯の強さでますます魅力的に輝く彼女を支えるものとは?「今は第4次成長期」と語る平井さんにこれまでの人生の転機、そしてこれからのことを聞きました。

2023年4月8日 06:30

2023年『美ST』6月号掲載 撮影/彦坂栄治(まきうらオフィス) ヘア・メーク/林 智子 スタイリスト/大沼こずえ(eleven.) 取材/安田真里  編集/漢那美由紀

美ST