資産70億円達成!投資家テスタさんに聞いた「初心者が知っておくべき投資の心得」とは

「そもそも投資ってなんでしたほうがいいの?」投資初心者ライターが、話題のカリスマ投資家・テスタさんに話を聞きました。自分に合った方法がきっと見つかるはず。

敏腕投資家・テスタさんに投資初心者の心得を聞きました!

右:個人投資家 テスタさん 2

右:個人投資家 テスタさん
2005年に投資を開始し現在資産70億円達成。Twitterフォロワー55万人以上、YouTube出演も多数。わかりやすい解説に幅広い層から支持されている。

左:ライター 野田春香
超がつくほどの浪費家な性格に焦り、強制的にお金が貯まるよう4年前につみたてNISAを開始。そこから株式・投信にハマり、少額からコツコツ運用中。

「貯金していれば安心」。そんな時代は終わりました

テスタさん:僕らの世代もそうですが、読者のみなさんも「お金は銀行に預けて貯金するもの」という教育を受けましたよね。そう刷り込まれているから、投資に対して及び腰な人が多いのですが、あの頃から時代は変わり、銀行にお金を預けても金利はまったくと言っていいほどにつかなくなりました。どんどんお金の制度が更新されていく時代ですから、新しい金融リテラシーを早く身につけるべき大事な局面にあるのが今なんです。
野田:お金の話ってネガティブに捉えられがちだし、投資についても「勉強しなきゃ」「節約しなきゃ」と面倒なイメージを持つ人は多いと思います。私も投資を始める前まではそうでした。初心者が投資を始めようと思ったら、まずは何から勉強すればいいですか?
テスタさん:つみたてNISAから勉強するのがいいと思います。こういう仕組みがあることを理解すると投資の入口になるので。次に投資信託や株式投資。数ある運用商品を自分で選ぶことになりますが、関わったことのある業種のほうが興味も知識もありますよね。まずはそこから調べてみるのがいいと思います。
野田:いざ投資を始めようと思ったらいくらから始めるのがいいですか?
テスタさん:あとからいくらでも資金力を上げられるので、最初からお金を注ぎ込む必要はないです。ただ少額だからって甘えた取引をするのではなく、一日1000円しか増えなかったとしてもこれは将来の1万円、10万円の取引だと思って真剣に向き合ってほしいです。

物価の上昇とともに現金の価値は下がっていく!

野田:現金はどのくらい手元に残しておいたらいいですか?私、一時期投資にハマりすぎて現金が0に近くなってしまったことがあり、今回の着回しでも5/18にそんな話を入れたのですが…。
テスタさん:僕は必要最小限でいいと思っています。現金って銀行に預けていてもお金の価値としては減っていくものなので。
野田:え?
テスタさん:政府は毎年2%ずつ物価が上がる状態が望ましい形として政策を組んでいるんですね。そうできない年もありますが、単純計算で10年で20%物価が上がる。だから1000万円貯金があっても、10年後には実質800万円の価値になってしまいます。だから銀行に預けていればお金は減らないと思うのは大きな勘違い。
野田:たしかに…。そういう情報を積極的に取りにいかないと何もわからないままなんだなと改めて金融リテラシーの大切さを感じます。その上でやはり投資は大事だなと思いましたが、投資方法はどう選ぶのが正解ですか?
テスタさん:自分の生活環境に合わせるのがすごく大事です。考えるポイントは3つ。①どれだけ投資に時間を費やせるか。②それが楽しいかどうか。③毎日続けられるか。
僕は個別銘柄のことを調べるのはどんなことをする時間より楽しいんです。疲れたときにテレビを見たいなと思うよりも株の情報を探しているほうが楽しい。だから続けられるし深掘りできました。投資についての情報収集や勉強にしてもそうで、僕は本は読めないけどブログは読めたんですよ。昔は毎日300記事くらい投資ブログを読んで、勝ってる人負けてる人の共通項に気づいたりしました。そんなふうに自分にとって楽しく続ける方法を見つけるのが何より大事だと思います。
野田:それによって投資信託なのか個別銘柄なのか手段を選ぶのがよいということですね。
テスタさん:投資は未来を読む仕事なんですね。どの会社が今より儲かるかを考える必要がある。各社新しいサービスを始めたり商品を出したりと、日々何かしら変化が生じて、同じ状況は一日たりともありません。だから常に勉強して考えていないとすぐについていけなくなります。なので情報収集が終わることはないです。

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写真:「CLASSY.」2023年6月号

投資で目指すべきは「複利でお金を増やす」こと

野田:この着回しのお話の中の5/2、5/23で登場人物が儲かったお金で高い買い物をするシーンがあり、これも初心者(私)が陥りがちな誘惑ですがこれってダメですよね?
テスタさん:うーん、そうですね…僕のおすすめは投資用の口座からは出金しないと決めて将来に備えることですね。投信や株って複利で増やせるのが一番の魅力なんですよ。仮に元本300万円だったとして1年で30万円儲かったとします。その30万円を買い物に使っちゃったら次の年また10%儲かったとしてもまた同じ30万円のまま。でも儲かったお金を再投資すれば来年は330万円の元本で33万円儲かります。そうやってどんどん再投資していけたら、40年後にすごく大きなお金にできますよね。今の利益は小さくても、将来の利益を取ることによって大きくしていく。そのために、この口座のお金はあってないようなものだと手をつけないほうが結果的にいいと思いますよ。
野田:将来に使えるお金が増えると思えば楽しみが増えますね。それと最後に、投資と聞くとどうしても詐欺にあったり騙されないかと心配する人も多いです。
テスタさん:人にお金を預けない、他の人が言った銘柄を自分で調べもせずに買わない、高額なサロンに入会しない。これらを徹底することによって詐欺には対抗できるんじゃないかと思います。

\投資を始める前に/
・投資に使える時間を考慮し投信と株、どちらがいいか考える
「投資は自分の生活環境に合わせるのがすごく大事なんです。毎日忙しくて株価を見る暇がなければ投資信託、仕事終わりや土日を勉強に使えるなら株を選ぶなど、まずは自分と相談を」

・自分の知識が活用できる業界を調べ、投資先を検討
「仕事で関わっている業界や好きな分野のほうが肌で感じることは多いしどの会社が伸びそうかも考えやすいですよね。最初はそういうところから調べて投資先を決めるといいと思います」

\投資を始めたら/
・まとまった大金が無くても少額からのスタートでOK
「最初から大金を注ぎ込む必要はありません。あとからいくらでも資金力を上げられるので、ルールを覚えるためにも少額からが安心。ただ、少額でも真剣に向き合う気持ちが大切です」

・SNS発信をして世界を広げ同じレベルの仲間を作る
「見ているだけよりも発信することで世界は広がります。また同じレベルの仲間を作って切磋琢磨できると成長にもつながるので、Twitterで発信したりブログを開設して楽しみましょう」

どこから始める?投資のステップアップ計画
【初級編】

まずはこの2つから始めて投資のシステムを理解するのが◎

    \投資を始める前に/ ・投資に

    つみたてNISA
    年間40万円を上限に最長20年、投資から得られる分配金や譲渡益が非課税になる国の制度。商品が投信・ETFに限定されていてわかりやすいので、投資の勉強の第一歩としてぜひ活用を。

    \投資を始める前に/ ・投資に

    iDeCo
    自分で運用する国の年金制度で、掛金全額が所得控除の対象となり、運用益も非課税で再投資される。元本確保型か投資信託かを選べる。投信は運用商品を自分で選ぶので、投資先を学ぶ入口として、こちらも最適。

どこから始める?投資のステップアップ計画
【中級編】

株式投資と向き合う時間が毎日取れない人はこちら

    \投資を始める前に/ ・投資に

    投資信託
    投資信託運用会社などの専門家が株式や債券などに投資・運用する金融商品。つみたてNISA、iDeCoとシステムが似ているので、知識を応用できる点も◎。

    \投資を始める前に/ ・投資に

    INDEX投資
    投資信託の中のひとつで、市場全体の動きを表す代表的な指数と同じ値動きを目指す投資方法。時間がない人や知識がない人でも運用しやすく、100円から始められるサービスも多数揃う。

どこから始める?投資のステップアップ計画
【上級編】

勉強すればするほど大きく勝てる株式投資。せっかく投資をするなら僕は株式投資推進派です

    \投資を始める前に/ ・投資に

    個別株
    株式会社の発行する株を売買し、値上がり益や配当金、株主優待を狙う投資方法。株を購入した会社の業績に左右されるので常に会社の動向や決算情報などのチェックが必要。

撮影/杉本大希 取材/野田春香 再構成/Bravoworks.Inc