山田邦子さん「喜怒哀楽も仕事に生かせるので、 更年期は運よくスルーできたという感じです」

昨年末、日本一の若手漫才師を決める大会「M-1グランプリ」決勝戦で審査員として初参加。その明快かつ芯を食った大胆な選評で大きな話題をさらった山田邦子さん。10代からモノマネネタでテレビに出演、20代でバスガイドのモノマネネタでブレイクし一時期は14本ものレギュラー、3本の冠番組を持ち「唯一天下を取った女性ピン芸人」と言われる彼女に63歳の今の心境と「今の邦ちゃんが出来上がるまで」をうかがいました。

今回はその第3回目、「更年期は気づかずに通り過ぎた。63歳になる私を元気付けてくれる美と健康のサポーターたち」です。(全3回の第3回)

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山田邦子さん「乳がんが発覚した47歳で人生が激変。そのとき初めて友達の良さに気づきました」

Profile

1960年東京都生まれ、1980年 芸能界デビュー。1981年、 デビュー曲『邦子のかわい子ぶりっ子バスガイド編』で有線大賞新人賞受賞。『オレたちひょうきん族』『やまだかつてないテレビ』などで人気になり多数の冠番組を持つ。2020年、 YouTube『山田邦子 クニチャンネル』開設。これまでに共演した大御所芸能人との秘話から、最新の芸能ニュースまで次々と切り込む動画が大好評。2022年12月18日、「M-1グランプリ2022」(ABC朝日放送系列)の審査員をつとめ、大きな話題に。
2007年に乳がんを罹患し、その体験から2008年にがんに対する知識と理解を呼びかけるチャリティー団体「スター混声合唱団」を設立。団長を務め全国各地にて活躍中。執筆活動も精力的で『生き抜く力』(祥伝社新書)など著書多数。

更年期は気づかずに通り過ぎちゃったみたい。今が自分史上最高の自分パラダイス

愛してやまないスイカを掲げる山田邦子さん

更年期というと45歳から55歳くらいの時期でしたっけ? その時期は、更年期特有の不調、たとえばホットフラッシュなどはあまり感じませんでしたね。のぼせたりすることも頭がボソッとすることもなかったかな。よく、イライラしたり怒りっぽくなったり、理由もなく悲しくなったりして気持ちが不安定になると聞きますが、喜怒哀楽というのもうまい具合に仕事に生かせるので、運良くスルーできたと言う感じです。

そもそも46歳で乳がんが発覚したので更年期の症状よりも、がんをどうやって治すかと言うことに一生懸命だったので、更年期の方もビビって寄り付けなくなったんじゃないでしょうか(笑)。

乳がんが発覚したのは2007年、46歳のとき。そのとき思いました。お笑いが好きで短大の途中、19歳から芸能生活開始。卒業と同時に本格デビュー、20代、30代は多くの番組やらせていただいて、もっと面白くしたい、みんなに喜んでもらいたい一心でそれがどんどんプレッシャーになって、やがてストレス過多になって。なるべくしてがんになったんだと思います。でもそのことによって体もメンタルも生活自体人生自体を見つめ直すことができた。神様からのご褒美だったんじゃないかなと、今は思っています。

今年で63歳になりました。還暦を3歳もオーバーしちゃった(笑)。もちろん若いころの方が元気だったけど、今の方が心身共に良い感じに充実している気がします。言っていることとやっていることが「合っている」から。

昔は自分のペース、キャパ以上のことをやっていたのかも。どこかチグハグでぎくしゃくしていた気がするんです。今はちゃんと自分の頭で全部考えて、行動できて、管理できている。好きなことも嫌いなこともわかっている。

今が自分パラダイス!

長い年月が経ったけれど、ようやく思うところにたどり着けたんじゃないかな。

クニちゃん流・心の整理法は「意識の可視化」

冷やしたスイカの皮を被る山田邦子さん

いつも元気全開な私ですが、それでも時には気持ちがダウンしたりモヤモヤすることも。心が迷ったり曇ったりした時は、紙に好きなことと嫌いなことを書き出します。

たとえば好きなことは「旅行」「スイカ」。嫌いな事は「裏切り」「うなぎ」「お化け」とかね。書き出すことで、自分の考えがはっきりクリアになります。

これでも、まだモヤモヤする場合は、次のステップ。

形容詞を8個、一列に書き出します。「嬉しい」「悲しい」「白い」「美しい」などをまず8個あげます。その下に次に思いついた8個を並べます。

その次に、上の段と下の段で形容詞を2個組み合わせて名詞を導き出します。たとえば、上で「白い」下で「甘い」と書いたら「白い+甘い=ケーキ」とかね。「青い」「美しい」という言葉が出ていたら「海」「リゾート」ですよね。

そこで自分の好きなものが潜在意識から浮かび上がってきます。人間って頭の中で考えているとごちゃごちゃしてなかなか整理がついていないことが多いんです。でも言葉にして書き出すという「意識の棚卸し」をすると脳の中がある程度視覚化されて、自分の潜在意識が浮かび上がってきます。それを定期的にやると、なんだかわからないけど、イライラするとか、気分が晴れないっていうことが少しずつ減って、自分の扱い方が少し上手くいく気がします。

こんな風に、年齢を重ねて、その分自分のトリセツが分かるようになったことは、自分の自信にしていいんじゃないかな、なんて思いますね。

これからも、自分自身をよく知ってコントロールしながらパラダイスを更新して行きたいですね。

63歳になる私を元気付けてくれる美と健康のサポーターたち

昔からスイカが大好物。日本中からいろんなスイカを取り寄せたりしているうちにいろいろなところからいただくようになったりしています。今1番のお気に入りは種までおいしい「ぷちっと」と言う品種。(株)萩原農場で20年の歳月をかけて、スイカの常識を覆す、種が小さい「ぷちっと」が開発されました。この種は口に入ってもほとんど気にならなくて、噛んだとしても心地良い食感で食べてしまえるのが特徴。

私はいつもこのスイカをカットして冷蔵庫に常備。そして白い部分も一緒にジュースにしてペットボトルに入れて飲んでいます。中をくり抜いたスイカは冷蔵庫に冷やして時々かぶるとめちゃめちゃ爽快。頭を360度で冷やせることなんてないでしょう?頭がすごくスッキリして気持ちいいんですよ。最近の研究でスイカにはシトルリンという成分があって、それがアンチエイジングにすごくいいことが発見されました。もしかしたら今後「KUNIKO」というコスメが出るかも(笑)。

最近ケイ素を飲み始めました。キッカケは50代の男友達がやけにきれいになったこと。肌もピカピカで「何飲んでるの?」と聞いたらこのケイ素を教えてくれました。こちらはオーストラリア産の藻から作られた植物由来のもので95%という高純度のもの。寝る前に0.5グラム、小さじ半分位を水に溶かして飲んでいます。9歳になるうちの猫にちょっと飲ませたら、毛並みがすごくよくなって、ケイ素ってすごいなと実感しているところです。

5年ほど飲んでいるのが「沖縄酵素 沖縄の野草エキス」という酵素ドリンク。沖縄の12種類の野草をベースに健康食材をプラス。発酵させることでまろやかで飲みやすくなっていて愛飲中。私は朝、キャップ1杯飲むのを習慣にしていて毎日快調! 二日酔いにも効くんですよ。

防風通聖散は第二類医薬品で、ダイエットに効くということで今とても人気のようですがこの「生漢煎」もむくみや便秘に効く漢方。お腹周りについた内臓脂肪と皮下脂肪を燃焼させる防風通聖散の中でも注目を集めている漢方薬です。食事のたびに1包を飲んでいます。

撮影/河内彩 取材・文/柏崎恵理

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