新居も公開。シンマイさん流「引っ越し」と「家具選び」のコツ

撮影/倉本侑磨<Pygmy Company>

子育てを通して今まで以上にお金の大事さを実感するようになったけど、お金の使い方や貯め方なんて学校では教えてくれなかったし、みんなはどうしているの……?そんなママたちの悩みにこたえるべく、元外資系金融会社勤務、現在は社長としても活躍されているVERYモデル・申真衣(しんまい)さんに、毎月読者から寄せられたお金に関する質問に答えてもらうコラム連載。第22回は「引っ越し」がテーマです。(過去の連載はこちらから)

 

【第22回】今月の質問

引っ越しを予定しています。家具の処分や買い替え、引っ越し業者の検討など、お金も時間もかかるので今から気が重くて……。

 

この春引っ越し、おまかせプランで効率的に

 

この連載でもお話ししたとおり、我が家もこの春、引っ越しをしました。上の子の入学に合わせて引っ越すつもりが、新居のリフォームが長引いてしまって、予定が狂って大変でした。なかなか思った通りにはいかないものですよね。

一人暮らしを含めると、通算10回ほど引っ越しを経験しています。引っ越しの際は必ず相見積もりを取ります。今回の引っ越しは近距離だったので小さいトラックで2往復することができて、比較的費用を抑えられました。

子どもが生まれてから急にモノが増えたので、最近の引っ越しでは前日に詰める作業までお願いできる「おまかせプラン」をお願いしています。事前に荷造りすれば済む話ですが、子どもがいると、いつも使っているおもちゃやすぐに必要になる学校用品など、直前までダンボールに詰められないモノも多いので。料金的には少々プラスになりますが、今回もこのプランでお願いして大正解でした。

「引っ越し当日まで荷造りが終わらなくて、引っ越し業者を待たせてしまった」。そういう経験がある人もいると思います。あくまで私見ですが、業者もスタッフが現場で長時間待たされるより、手際よく短時間で荷物を運べるほうが効率がいいはず。引っ越し費用は少しでも安く抑えたいところですが、家事・育児や仕事と並行して行うことを考えると、少しでも自分の負担が軽減できるプランを選択するのは一つの手だと思います。

 

以前の住まいでも愛用していたバルセロナチェア (撮影/竹内裕二〈BALLPARK〉)

インテリアは、住みながら決める

 

引っ越しにあたり以前の住まいは売却したのですが、まだまだ使える大型の家具や家電は新しいオーナーがいくつか引き継いでくれるそうです。そもそもインテリアのアイテムは一つ一つが高いし、処分するのも大変。だから慎重に選んでいます。家具選びのポイントは「みんなが持っているからと、なんとなく買わないこと」。実はうちにはソファがありません。結婚した際は夫が持ってきたソファを置いていたのですが、気づけば酔っぱらって帰ってきた時に寝る場所になっていて。

そこでタイミングを見て、バルセロナチェアに買い替えました。これならゆったり座って本も読めるしくつろげるけれど、横になるのは難しい。パートナーがそこでゴロゴロとテレビを見ていてイライラ……なんてことも起きません(笑)。コーヒーはダイニングで飲めばいいから、リビングにローテーブルも置きませんでした。普通の家にテーブルが2つもあると狭くなるんですよね。

ベッドの横にサイドテーブルを置く人も多いと思いますが、我が家はイームズのスツールを使っています。これなら来客時にイスとして使用することもできるので。スタッキングできるものと悩んだけれど、今はイスとしても使える応用力を重視しました。

デザインや用途がしっくりくれば、中古の家具も取り入れます。書斎のテーブルとイスはヤフオク!で見つけました。ハーマンミラーのヴィンテージで、決して高価なものではなく、テーブルの脚の塗装が一部剥げてしまっていますが、それも新品にはない味だと思っています。

一人暮らしを始めてから約20年。住み方が変わる中で、自分が本当に好きなものが見えてきました。デザイナーズ家具やヴィンテージなど、作られた年代や背景が違う家具をミックスするのも好きです。インテリアのベースにしている色は、白・黒・茶色系。そこに気分に合わせて彩りを添えることが多いです。カーテンやリネン類は以前の家ではグレーでしたが、今はベージュ系の色合いでそろえています。

そういえば引っ越し直後は前の住人が置いていってくれたカーテンをそのまま使っていたんです。住みながら新しいものに変えられればいいと思って。引っ越しの際に新品がそろっていると気持ちがいいけれど、住まないと分からないこともありますから。

サイドテーブルにも、来客時のイスにも使えるイームズのスツール(※申真衣さん撮影)

間取りの変化で、子どもの成長を感じた

 

日頃から不要なモノは持たないようにしていましたが、それでも今回の荷造り中に「これは何の充電器?」といったガラクタを発見する瞬間も何度かありました。引っ越すことで家の中が循環するという効果もあると思います。「いつか使うかも」と不用品を持ち続け、モノに占領されるのは、そのスペースに家賃を払っているということ。だから人に譲ったりメルカリで売ったりと、どんどん手放すようにしています。

本はほとんど電子書籍でしたが、この機会に子どもたちが読まなくなった絵本などは寄付をしました。だから家にある本は、夫が自分の両親からプレゼントされたものや電子書籍に品ぞろえがないものだけです。

引っ越し作業自体はスムーズに進んだものの、一時期は下の子が環境の変化についていけず、すんなり寝つけなくなってしまいました。2カ月経ってようやく落ち着いてきたので一安心しています。

一方で、引っ越しによるうれしい変化も。今まではリビングと子ども部屋が近かったので、何かと「お母さん、お母さん」だったのですが、新居では子ども部屋が少し離れた位置にあるので、気づけば二人で静かに部屋で遊んで過ごしていることが増えました。こうやって少しずつ自立に近づいていくのですね。これからもこの家で、子どもたちの成長を見守っていきたいです。

新居のリビングはこんな感じ(※申真衣さん撮影)

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取材・文/樋口可奈子