【カップつき下着、おりものシートetc.】女性が準備しておきたい防災アイテム9選!
10年以上に渡り被災地支援を行ってきた 紗栄子さんが能登の地震発生直後、 “デリケートゾーン用のシート”を送った ことが話題になりました。家族共有で使用するアイテムは準備しているという家庭も多いと思うのですが、実際には女性ならではの必須アイテムってたくさんあるのです。娘とも共有しておきたい「女性が持っておきたいもの、気をつけていたいこと」を、専門家の先生に聞いてみました。
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今回お聞きしたのは……
アクティブ防災事業代表 富川万美さん
青山学院大学卒業後、大手旅行会社・PR会社勤務を経てフリーランスに転向。東日本大震災の母子支援を機に、子連れや家族のための防災を啓発するためにNPO法人ママプラグ設立に携わる。被災体験を元にした「アクティブ防災」を提唱し、全国各地でのセミナー・自治体との連携・イベント・企業との協働・書籍の出版及び監修など様々な分野で活躍中。東京都「東京くらし防災検討・編集委員」、農林水産省「あってよかった家庭備蓄」委員、厚生労働省「非常時における児童館の活動に関する調査・研究」委員、東京都「帰宅困難者対策に関する検討会」委員などを務める。主な著者に、「子連れ防災BOOK」、監修本に「いまどき防災バイブル」
実際に被災地であった女性を取り巻く不便 ・問題
実際にあった被災地でのエピソードを伺いました
・逃げるのに必死で着のみ着のままで避難所まで来ちゃっ て…気がついたらノーブラだった。
・使える水が本当にほとんどないので、災害時に便利と言われている月経カップや月経ショーツは、しっかり洗わなければならないので意外と不便なので、やはりナプキンは必須。
・着替え用のテントなども 、自分にとって死角を作ってしまうし、かえって人目を引いてしまう可能性もある。
・妊娠初期の女性は、体調が悪いのに周りにも気づいてもらえず苦しい。
災害後の避難生活がストレスとなり、体調の悪化につながることがあります。本当に辛い状況でも我慢しがちな女性は、みんなが大変なときだからこそ、「私にも分けてください」と言いにくい人が多いのが事実。だからこそ、人にお願いしにくい事、もらいにくい物は、自分で準備しておくのが安心だし、ストレスの軽減策にもなります。
いつもの防災グッズに加えて、女性が持っていて欲しいもの
①カップつき下着 …サイズが異なるものは支援物資としても届くのが最後になりやすいもの。災害に備えて1枚あると便利です。
②生理用紙ナプキン…災害時に便利と言われている月経カップや月経ショーツなどの洗って繰り返し使えるアイテムは、水の使用が限られたり衛生状態を保つことが難しかったりするので非常時には不向き。使い捨てのものの方が便利です。
③おりものシート…下着もなかなか洗うことができません。生理中でなくてもおりものシートを使っておけば、下着の汚れも最小限で、衛生的にも◎。
④携帯用ビデ…過去の震災では外陰炎になった女性も多かったそう。精製水で膣内を洗い流す使い捨ての携帯用ビデを使えば、入浴ができない状況でもデリケートゾーンを清潔に保つことができます。
⑤ドライシャンプー…災害発生時、水が止まってお風呂に入れない!そんなときに助けになるのが水で洗い流す必要のないシャンプー。シトラスの香りとひんやり爽快な使い心地。プッシュ式なので量を調節しやすく、ガスを使わないので安心。・
⑥⑦アロマオイル(精油)…被災した際、多くの人が悩まされるニオイの問題。リラックス効果や消臭効果が期待できるアロマオイルを持っておくのがオススメ。小瓶に入っていて嵩張らないので数種類携行しておくと便利。心のケアだけでなく、アロマオイル(精油)が持つ本来の薬理効果も知っておくと良いでしょう。
⑧デリケートゾーンシート…生理中かどうかにかかわらず、女性のデリケートゾーンは清潔に保つように気を配る必要があります。特に生理中のデリケートゾーンは肌のなかでいちばん繊細な部分なため、かゆくなったりかぶれたりしてしまうことも…。だからこそ備えておきたいのが、デリケートゾーン専用の拭き取りシート。
⑨中身の見えないゴミ袋…避難所で使い終わった生理用品を捨てるために、黒色などの中身の見えないゴミ袋があると便利です。消臭機能が付いたものもあります。
日常生活でいったい何が必要か?ないと困るものってなんだっけ?と、イメージしてみることが大事。人によって必要なものは異なるし、女性特有の必須アイテムって意外と色々あって、そういうものこそ避難所では数が限られていたりもします。セットになっているものを常備しておくだけではなく、日常生活を振り返りながら本当に自分にフィットする防災グッズをセットアップしておくといいですね。その準備はきっと、いざというときに自分を救ってくれるはずです。
女性の生活を守るために持っていたい意識
◎あまりニュースでは取り上げられていないけれど、性犯罪も起きやすいのは事実。性犯罪を犯す方が 悪いので自衛だけを促すことは本望ではないけれど 、変質者の目があるのも事実なので、露出の高い服は避けるほうが良いでしょう。
◎女性も子どもも力の弱いものは、ひとりで行動 しないようにしましょう。またひとりで行動していな くても、周りでちょっとひとりになっている人 がいたら、大丈夫かなと見ておくのも防犯につながります。周囲の目があるという環境づくりが大事なのです。
◎避難所をつくる側(自治体やボランティア団体など)が積極的に、授乳室や着替え場所 などプライバシーが確保できるスペースをつくりましょう。
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撮影/草間智博、イラスト/村澤綾香 取材/笹 利恵子